「両親ともしつけには厳しいかたでした。彼はどうして道を間違えたのか……」
かつて容疑者が所属していた少年野球チーム関係者は、愕然としていた。
警視庁少年育成課と同新宿署の共同捜査本部は8日、東京都江戸川区に住む大学生でホストの稲場勇哉容疑者(22)を風営法違反(年少者立ち入らせ、20歳未満への酒類提供)の疑いで逮捕した。
15歳少女に合計600万円。売掛金も100万円
新宿区歌舞伎町にあるホストクラブ『WORST OVER』の従業員だった稲場容疑者は、去年4月25日から5月20日までの間、女子高生A子さん(当時15)が18歳未満であることを知りながら客として入店させ、高級酒のシャンパンを提供したというもの。
「今年の3月、容疑者は居場所のない若者が集う『トー横』でA子さんにナンパを装って声をかけ、店に来るように誘った。A子さんは容疑者に言われるままに10回ほど通い、料金は合計600万円。売掛金も100万円あった」(全国紙社会部記者)
A子さんは家から持ち出した現金やクレジットカードで支払ったり、パパ活や買春で得た金で工面したりしていたという。娘の異変に気づいた母親が『新宿少年センター』へ相談したことから、事件が発覚した。
警察の取り調べに対して、稲場容疑者は「18歳未満とは知らなかった」と容疑を一部否認している。
容疑者が勤務する同店は8日に家宅捜索を受け、経営者(41)も同じ疑いで10日に書類送検。「従業員への指導が徹底できていなかった」と容疑を認めている。
私立大学2年生の稲馬容疑者は愛知県の出身、江戸川区にある某大手企業の社宅に両親と同居していた。冒頭の少年野球チーム関係者が、容疑者のことを覚えていた。
「おとなしくて、真面目にやっている子でしたよ。悪さなんて、しない子でした」
野球のポジションは外野で、
「特に上手くもなく、かといって下手でもなく、ごくごく普通の選手でしたね。彼の同年代はもう大学生を卒業して、社会人になっています。容疑者もてっきり地元にいると思っていたんですが、ショックで……」(同・関係者)
学業のかたわら、『蓮士』という名前でホストクラブに勤務していた。柔和なイケメンの“幹部補佐”という肩書きで、店の売り上げ2位になったことも。容疑者のSNSによると、趣味は歌舞伎で、好みのタイプは“18才から100才”としていたが、未成年に手を出してしまった。
同店を訪ねたが、2日にわたって休業中。
「未成年者を入れて酒を飲ませ、金をとっていたんだから、そりゃあ営停(営業停止)でしょう」(風俗店関係者)
アイスティーだけガブガブ飲んで1万円
トー横界隈にいた10代の少女を取材した。容疑者のことは知らなかったものの、自身もホストクラブに行ったことがあったようで、
「キッズの中にはホストもいて、ときどき誘われたことがあります。1回だけ入ったけど、初回はアイスティーだけガブガブ飲んで、1万円だった。2回目からは高いから、行かなかった」
最近のホストクラブ事情については、
「以前から未成年の出禁はあったけど、ユルユルでした。最近は身分証提示が義務づけられているし、売掛金も禁止。ホストにも客との恋愛禁止など、一段と厳しくなっているみたい」(同・10代女性)
容疑者も店も店名通り、“最悪の終わり”に追い込まれるのかもしれない。