左から熊谷真実、夏木マリ、阿川佐和子、桃井かおり

「4度目はないです。これが最後の結婚です」

 4月1日に3度目の結婚を発表した女優の熊谷真実。「超ハッピーです。年下の方になります」と出演したテレビ番組で、相手の情報を付け加えた。

 熊谷に限らず50歳を過ぎてから結婚する女性有名人は多い。印象に残った熟年婚女性芸能人たちを、テレビウォッチャーの当山みどりさんがあげる。

9歳のときの初恋を63歳で実らせたのが女優の桃井かおりさん。お相手は音楽プロデューサーの宇都宮一生さんです。出会いから半世紀の歳月を経て結婚に至った2人。桃井さんは“思いもよらぬ人と最後に再会することもある”と出演したテレビ番組で語っていました」

 初恋の人と最後の恋にたどり着いた桃井と同じく、2017年に63歳で最初の結婚をしたのが阿川佐和子

「お相手は阿川さんが28歳のときに知り合った元大学教授の男性。桃井さんのような美談にならないのが、2人は長く不倫関係にあったという報道が流れたからです。でも阿川さんは結婚発表のファクスでもお相手についてバツイチと表現していますし、お相手の元妻も略奪については週刊誌の取材で否定しています。“街中で手をつないでいるのは時空を超えた愛ゆえ、すなわち、互いに転ばないためなのですから”とユーモアたっぷりにのろけていたのが印象的ですね」(当山さん、以下同)

52歳で出会い、交際2週間でスピード婚

 阿川も桃井も出会いは自身が若いころだが、2013年に52歳で出会って交際2週間のスピード婚をしたのは女優の高橋ひとみ

「航空会社に勤める2歳年下の長身男性と結婚した高橋さんはカッコいいと思いましたね。40代までは仕事と遊びに忙しく結婚したいと思ったことはなかったとか。結婚を焦るわけでもなく自然としたいタイミングで良いお相手に巡り合えるなんて、さすが女優さんですよね」

2012年、結婚1周年の夏木マリと斉藤ノブ氏をキャッチ!常に妻の後ろを歩く夫だった

 そんな高橋が憧れていたのが、女優の夏木マリ

59歳のときにパーカッショニストの斉藤ノヴさんと結婚した夏木さんですが、長く入籍にこだわらない“フランス婚”を公表していました。籍を入れた理由として義母の存在をあげ、“ふらふらした女がお世話するよりもね、嫁という立場のほうがいいんじゃないかと思って”と介護を視野に入れた結婚だったと明かしていました」

 女優の浅野ゆう子も57歳で結婚した理由として「健康問題」をあげている。

「同世代の男性と結婚される前に田宮五郎さんと交際していた浅野さん。田宮さんと結婚も考えたお付き合いだったようですが、くも膜下出血で田宮さんが倒れ、必死の看病で一時は回復したものの再発し帰らぬ人となりました。それからも浅野さんは田宮さんの死を引きずっていたようですが、“一瞬一瞬を大切に生きていかなければならないことを勉強させてもらった”といい、この経験が現在の結婚に結びついたようです」

50歳以上の女性の初婚率は増えている

左から小林幸子、浅野ゆう子、高橋ひとみ

 57歳で白無垢姿で会見を開いたのは、歌手の小林幸子

「相手は8歳年下の医療会社社長で、東日本大震災に慰問で訪れた際に医療で貢献する彼を見てパートナーとして生きていきたいと望んだと話していました。ですが、結婚後に相手男性の前妻が略奪婚だったことを明かし、さらに結婚会見の内容が嘘ばかりだったと告発もされ、良くない印象がつきました。ちょうど長年のビジネスパートナーである女性社長が離れていったのも結婚後のことでした」

 酸いも甘いもかみ分けた大人の恋愛は、きれいごとばかりではないのだろう。

 芸能人に限らず50歳以上の女性の初婚率は年々、増えている。国勢調査によると、1960年には年間わずか230件だったのに対し、2005年には約560件、2011年には約740件、2014年には約970件とだんだん増加の傾向にあることがわかる。

 ウエディングプランナーの佐藤玉緒さんは、

「初婚で50歳を超えている女性は珍しくないです。結婚式も昔だったら遠慮して控えめにする傾向でしたが、今の方たちは華やかな挙式をされます。彼女たちはみな経済力があって、若いころにたっぷり遊んで、老後をさらに楽しむための結婚をしていると感じますね」

 と、印象を語る。50歳を超えて結婚する理由はなぜなのか。

自分で稼げる女性の増加率との比例

63歳にして初グラビアに挑戦した熊谷真実(本人インスタグラムより)

「私が担当した方たちを例に挙げると、健康問題を理由にする方が多いですね。日本はまだまだ制度にこだわる国ですから、病院の手続きなどは結婚していたほうがスムーズな場合が多い。自分に何かあったときに助けてくれる手段として結婚制度を使っている。みなさんパワフルで素晴らしいと思いますね」

 相手男性についても例を挙げる。

お相手は年下の男性が多いですよ。それもひと回り以上下の方が多い。みなさん男性に介護させる気満々で(笑)。パワーバランスが以前と逆転している夫婦が多いですね

 それでも国勢調査によると40歳以降に結婚する女性はわずか0・7パーセントしかいない。

「ただ、自分で稼ぐ自立した女性が増えているのでそれに比例して“熟年初婚”する女性も増えていくんじゃないでしょうか」(前出の佐藤さん)

 人生のキャリアを積んで迎える熟年婚は、女性が充実した老後を過ごすひとつのツールなのかもしれない。