大谷翔平

 中国発の格安ECアプリ『Temu』が多方面で物議を醸している。

Temuは、アパレル、雑貨、家電など、さまざまなものを激安で購入することができます。プロモーションに力を入れており、世界各国でテレビや、人気SNSアプリ『TikTok』など、多くの媒体でCMを流しています。日本では'23年7月にサービスが開始。知名度を上げ、利用者も急激に伸びています」(メディア編集者、以下同)

基準値を超える発がん物質を検出

 勢力を拡大する一方で“いわくつき”でもあるよう。

「アメリカ議会の超党派諮問委員会の『米中経済安全保障再考委員会』では、Temuのウイグル自治区での強制労働防止法違反やクレジットカードを介しての情報漏洩の疑いなどを問題視しています」

 さらに、韓国の『中央日報』が報じたところによると、アクセサリーから韓国国内の基準値を超える発がん性物質が発見されたという。

仁川(インチョン)本部の税関がTemuやアリエクスプレス(AliExpress)が販売するアクセサリー、404個の成分を分析した結果、96個から、基準値を超える発がん物質が検出。それぞれのプラットフォームで48個ずつ、韓国国内安全基準値より、10倍から最大700倍に達するカドミウムと鉛が見つかったそうです。カドミウムは日本で発生した『イタイイタイ病』の原因としても知られており、仁川税関は販売中止を求める方針のようです」

 こういった問題も起こっているが、日本でもテレビでCMが放送されている。

「4月6日に放送されたTBS系の名物番組の『オールスター感謝祭'24春』でTemuとコラボしたCMが放送され、森脇健児が商品を紹介していました。さまざまな“疑惑”が浮上しているだけに問題視する視聴者も多かったようです」(テレビ局関係者)

  SNSには視聴者からの

《TemuがTBSのオールスター感謝祭のスポンサーやってるけど、大丈夫??》
《Temuとコラボしててびびった。テレビ、金が無いんだな…》
《CMやるって事は安全なのか??》

 などといった疑問の声が多数投稿されていた。

OHTANI  16番ユニフォームが1700円

 さらに、別の“疑惑”も問題となっているようだ。

「高級ブランドにデザインを似せたとみられる商品や、明らかに公式に販売されているとは思えないアニメや漫画のキャラクーのグッズなど、怪しい商品も販売されています。昨年3月のWBC日本代表のレプリカユニフォームとみられるものも売られているのですが、公式オンラインショップでは1万円で売られているのに対し、Temuでは1700円ほどと格安。

 また、デザインが少し違っています。背中には“16”という数字とともに“OHTANI”と大谷翔平選手とみられる名前が入っていたり、袖には“SAMURAI JAPAN”と入っているようなのですが……」(メディア編集者)

『Temu』で販売されている“非公式”の大谷のレプリカユニフォーム

 野球日本代表に関する知的財産を管理し、グッズなどの販売をしているNPBエンタープライズに確認したところ、

「Temu で販売されているご指摘の商品は侍ジャパン公式商品ではございません。商品画像だけでは断定いたしかねますが“SAMURAI JAPAN”を模して使用している場合については商標権の侵害になると考えます。許諾外商品につきましては、EC サイト管理者等へ適宜、可能な限り然るべきご対応を要望してまいります」

 という回答だった。

 安さと引き換えに権利を侵害することは、断じて許されないはずだ。