『虎に翼』で伊藤沙莉が演じるのは日本で初めての女性弁護士

「じぇじぇじぇ以来の流行語になりそう」

 と、早くも目されているのが4月スタートの朝ドラ『虎に翼』ヒロインの口癖だ。

歴代朝ドラヒロインの口癖

「伊藤沙莉さん演じるヒロインの寅子は思ったことをすぐ口にする性格で、理解できないことに“はて?”とつぶやき、人々が公の場で急におしとやかになることを“スンッ”と表現する。これがウケて『あまちゃん』(2013年)以来の朝ドラ発流行語になりそうだといわれているんです」(スポーツ紙記者)

 一方で、危機感を覚えるドラマウォッチャーも。

「ウケたからといって多用しすぎの感が否めません。『あまちゃん』の“じぇじぇじぇ”以降、朝ドラではヒロインの口癖を流行らせようとする制作側の意図が見え隠れして、しらけるんです

 と言う。『あまちゃん』以降の朝ドラヒロインの口癖を振り返ると─。

「いい線までいったのは、『あさが来た』(2015年)のヒロイン・あさ(波瑠)が驚いたときに使った“びっくりぽん”。ドラマがヒットしたこともあり、話題を集めました。『花子とアン』(2014年)のヒロイン・花子(吉高由里子)の“こぴっと”も当時NHKが推していましたがそれほど浸透しませんでした。

『半分、青い。』(2018年)のヒロイン・鈴愛(永野芽郁)の“ふぎょぎょ”を、覚えている人がいるでしょうか。当初は話題に上ると思ったのか多用していましたが、ドラマの終盤はまったく言わなくなりました。『とと姉ちゃん』(2016年)のヒロイン・常子役の高畑充希は制作発表の会見で『“どうしたもんじゃろのう”が(流行語になるように)推していきたい』と語りましたが不発に終わりました」(ドラマウォッチャー、以下同)

口癖“乱用”朝ドラの共通点

 さらに口癖が反感を買ってしまったヒロインも。

「『ちむどんどん』(2022年)のヒロイン・暢子(黒島結菜)が驚いた際に使っていた“あきさみよー” “まさかやー” “ありえん!”です。ありえない展開の連続にSNS上では皮肉の意味で“まさかやー”が多用されました。ある意味、流行語になっていたのかも(笑)」

伊藤沙莉が主演を務めるNHK連続テレビ小説『虎に翼』(番組公式Xより)

 これらの無理やりな口癖を“乱用”する朝ドラには、共通点があるという。

その多くが東京制作なんです。朝ドラは上半期が東京制作、下半期が大阪制作となっています。以前から東京制作の朝ドラは雑な作りといわれていました。ただ、『ちむどんどん』の酷評が響いたのか、次の『らんまん』はとても丁寧な作りで辛口の朝ドラウォッチャーたちもこぞって評価した作品でした。『虎に翼』も、せっかく良い話なので変に流行語を狙おうとしないでほしいです」

 米津玄師が歌う主題歌の『さよーならまたいつか!』は配信と同時にオリコン週間デジタルシングルの首位を飾り、1位獲得数の歴代記録を自己更新している。

 ドラマ本編も最後まで視聴者を「スンッ」とさせずに東京制作朝ドラの歴史を塗り替えられるか。どこまでも羽ばたいてほしい。