山崎賢人が主演を務めた『陰陽師0』は公開3日間で興行収入2億5000万円のヒット中(画像は公式サイトより)

「陰陽師として地位を確立する前の安倍晴明を、山崎さんがどう演じるのか興味がありました。彼の演技は初々しさがあり、また清々しさも持ち合わせていてすごく素敵でした。身体能力も高くてアクションが素晴らしかったです」(観客の女性)

数々の名優が挑んだ安倍晴明

 山崎賢人(29)が主人公の安倍晴明役を演じる映画『陰陽師0』が4月19日に公開された。公開から3日間の観客動員数は18万人超え、興行収入が2・5億円とヒット中。

 過去には野村萬斎、佐々木蔵之介、稲垣吾郎、三上博史、市川染五郎(現・松本幸四郎)、窪塚洋介とそうそうたる顔ぶれが映画やドラマで演じた中、歴代の晴明役で誰がよかったのか作家・歴史エッセイストの堀江宏樹さんに聞いてみた。

「やっぱり、野村萬斎さんが一番だと思います。野村さんは狂言師ということもあり、他の俳優とは違う発声や、舞台を中心とした演技の仕方で空気感が周りの俳優とは違っているので、いい意味で異質であり浮いている。そこがカリスマ陰陽師の晴明とうまくマッチして神秘性がありました」(堀江さん、以下同)

 野村以外の俳優の晴明には、どのような印象があるだろうか。

「三上博史さんは平安装束がよく似合っていて、年齢不詳感が出ていたのでよかったです。説話では、晴明は人間と妖狐のハーフとされていますから、普通の人とは違う空気感が求められると思います。

 窪塚洋介さんは映画『源氏物語 千年の謎』では印象が薄かったですが、大人になった今の窪塚さんならキマるだろうなと思います。稲垣吾郎さんはセリフ回しが硬かったですね」

『光る君へ』にも登場

 安倍晴明を演じる上でポイントになるのは、どこなのだろう。

「声のよさも重要なので、声優が演じるのもいいと思います。例えば津田健次郎さんなどはハマるかもしれません」

 放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』にも晴明が登場。演じているユースケ・サンタマリアについては、

「史実の晴明は朝廷に仕え、天体観測や暦を作ったりする役人です。占いはオマケのようなもの。大河ドラマのような史実に沿った作品では、神秘性よりも役人っぽさが出ないとダメで、これまで描かれた晴明とはまた違います。ユースケ・サンタマリアさんはいいキャスティングだと思いました」

『陰陽師0』で山崎が演じるのは学生時代の晴明。冒頭の女性とは別の観客に演技の感想を聞いたところ……。

『光る君へ』で安倍晴明を演じたユースケ・サンタマリア(NHK公式ホームページより)

羽生結弦選手のパフォーマンスを参考にしたとされる舞のアクションが、山崎さんの演技とマッチしていてよかったです

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