サッポロビールのCM出演時のRIEHATA

 SNSの発達によって、テレビで活躍するようなタレントでなくとも多くのファン(フォロワー)を獲得できるように。いわゆる一般的な知名度はなくても人気者になれる時代。そんな女性が大企業のCM出演、それによって炎上、からの放送中止、さらなる炎上を招くという事態に……。

未成年飲酒を自身のブログに投稿

 その“顧客”は、King & Prince、KAT-TUN、EXILE、BTSなどなど、今をときめく第一線級のアーティストたち。振付師としても活動する女性ダンサーのRIEHATA(リエハタ)だ。

「RIEHATAさんは中学卒業後に渡米。YouTubeやSNSなどで注目を集め、レディー・ガガの来日時にバックダンサーとして出演するなど国内外で活躍しているダンサーです。インスタグラムのフォロワー数は約70万人。ダンサーとしてだけでなく、振付師として多くの有名アーティストを担当。そんな活躍もあって、サッポロビールのCMに出演するに至ったのですが……」(芸能プロ関係者)

 CMはサッポロビールの主力商品『サッポロ生ビール黒ラベル』。CMのコンセプトは《独自の強みである「生のうまさ」に加えて「自分なりの価値観を持った大人同士が飲むビールである」という価値を訴求する》というもの(サッポロビール公式サイトより引用)。

「CMは'10年よりスタートしている人気シリーズで、妻夫木聡さんが一貫して出演。妻夫木さんが各界で活躍する方に、“大人”について話を聞くという内容です。これまで十八代目中村勘三郎さん、北野武さん、宮藤官九郎さん、奥田民生さん、中田英寿さんなどの著名人が出演しています」(広告代理店社員)

 そんな錚々たる面々にこのたび名を連ねたのがRIEHATAだった。しかし……。

「RIEHATAさんは未成年時に自身のブログで飲酒している旨を投稿していた。飲酒どころか二日酔いなども……。これはCM出演前から一部で批判の声が上がっていたのですが、今回は超有名商品のCMに出演、しかもその商品がお酒とあって批判の声が一気に広まりました」(前出・広告代理店社員)

 批判の声を受けて、放送開始から程なくしてサッポロビールは声明を発表した。

《黒ラベルの広告へ新たに起用したタレントについて、様々なご意見を頂戴しております。飲酒に関するご意見を踏まえ本人への確認を行いましたが事実とは異なる旨の回答をいただきました。当社といたしましては、総合的に判断し、現在予定している広告展開を見送ることといたしました》

 そしてまた張本人であるRIEHATAも“お気持ち”を表明。

「RIEHATAさんの投稿があまりに火に油を注ぐもので……。まず、《CMが見送りになった原因として、私の昔の日記を掘り出した方がいて》と責任転嫁しているとしか思えない表現で弁明。加えて文章の最後に批判の声に対し、《他人の日々ばかり気にしてヘイトする人生もったいないです》と結んでいます」(前出・広告代理店社員)

 この“謝罪文”によって、炎はさらに燃え広がった(以下《》はSNSより引用)。

《自分が悪いじゃなく掘り起こした方が悪いって言いたいのね》

《他人のせいにするのはお門違い》

《自分は悪くない ブログ探した奴が悪いアピール…》

《ネットで叩き合ってるんじゃなくて大勢の人が未成年飲酒の事実を指摘してるんだよ》

《ヘイトと書いてありますがお酒を取り扱う企業がCMに未成年飲酒の疑惑がある方を採用するのは未成年飲酒を助長しかねないので私たち大人が指摘し、改善を促すのは当たり前の事》

否定的なコメントはすぐに削除

 問題は文章だけではなかった。

放送中止となったCMに入っていたテロップの『丸くなるな』という部分、また自身がCMで話していた『良いことだけ起こってたら、味が出るダンス、たぶん出来ない』という部分を切り抜いて投稿していました。まるで悪いのは自分ではなく、それを認めない社会であると言いたいかのような抵抗っぷり。

 そもそも自身による過去の行いが原因でお蔵入りになったCMを、自身のSNSに投稿しているわけです。サッポロビール側がこのCMの動画や写真のSNS投稿を認めるわけはないので、無許可での投稿のはず。ここまで悪びれないと鋼のメンタルとしか言いようがないというか……」(前出・広告代理店社員)

「丸くなるな」と、自身の“不備”を肯定するような投稿をインスタグラムに投稿(RIEHATAインスタグラムより)

 インスタグラムの文章もCMがお蔵入りになったことについて迷惑をかけたということについてのみ、《最幸の作品を世に届けられなかった》と謝罪している。

「未成年飲酒について弁明や謝罪はありませんでした」(前出・広告代理店社員)

 RIEHATAは最高という言葉を、幸せという意味を込めてか“最幸”と表現することが多い。放送中止・批判の声への反発・抵抗、彼女なりの“最抗”か。ちなみに本件についてインスタグラムに投稿された自身に否定的なコメントはすぐに削除されていた。

SNS隆盛のこの時代。多数のフォロワーによってプラスの声は大きくなりますが、“過ち”や“失敗”はたとえ過去であっても掘り返され、マイナスの声も増幅する。一度表に出てしまったことは隠すことなど不可能。ましてや今回は“自分自身”で語っていたもの。

 このような状況になってしまったときは真摯に謝るしか方法はありませんが、考えうる最悪な選択肢を取ったと言えますね。起用したサッポロビールも被害者などではなく、ちょっと調べればわかることを知らなかったのか無視したのかわかりませんが、かなり杜撰といえますね」(ITジャーナリスト)

 中止となったCMは彼女の年齢である“33”(階)に止まる演出だった。それに合わせた妻夫木によるナレーションは「その階は世界とつながっていた」。33歳といえば、自分の発言・行動に責任を持ってしかるべき年齢。つながっていた先は燃え盛るネットという世界だった──。