「あの、(身振りを交えながら)こういうやつ、この時間だけはやめましょう! 好きに踊ってください!」
ゴールデンウイークに開催された音楽フェス『ビバ・ラ・ロック』。5月4日に出演した星野源(43)はステージでそう呼びかけた。
「星野さんが“こういうやつ”と表現したのは、サビなどの盛り上がるところで、“観客が手を上げて前後に振る”行為についてです。主にJ-POPのアーティストの公演でよく見られるファンの“ノリ”ですね」(音楽ライター)
音楽は“音を楽しむと書いて音楽”などといわれたり、“自由”と隣り合わせで語られることも多い。音楽フェスであれば特にそうだろう。しかし、このフェスでの星野の呼びかけが物議を醸している。
《みんなで同じ動きするの、見ていて具合悪くなる。星野源に賛成》
《あの作られた一体感みたいのが苦手というか「うわーみんな同じことしてる、マスゲーム」とか思っちゃって》
「自由の皮を被った不自由」
このように星野に肯定的な意見の一方で、
《この言葉を聞いてとても萎えてしまいました。なんかこう、自由を押し付けられすぎるのもキモイと思ってしまった》
《自由にしてくださいのくだり、手上げながらノリノリでのってた私含め私の周り、それが私たちの自由で楽しいノリだったから「え……」って言いながらのれなくなってしまった》
《自由に楽しくのっていいなら、ただ踊ってくださいでよくなかった?それだけで踊りたい人は自由に踊るよ》
といった「こういうやつ」楽しい派の意見。さらには……。
《自由にやれっていう同調圧力》
《この発想から別の同調圧力や別のマナーが生まれて「自由の皮を被った不自由」が生まれる》
無意味な対立
また、まったく関係ない他のアーティストに飛び火も。
《例えばB'z(のライブ・編集部注)とかリズムにのってるわけでもなくただ腕振って指さしてるだけのとか、くそダサくてほんま嫌やねん》
肯定や否定など、星野の呼びかけにさまざまな声が上がっている。
「“こういうやつ”は、音楽が好きな人ほど嫌う傾向は確かにあると思います。それほど音楽好きではない人、そのアーティストだけが好きでコンサートに行っている人に多く見られるノリだからでしょう。J-POP的な音のノリ方といいますか。どんな曲でも同じような振りをしているなら、それは音にノッてないという意見もわからなくもないですね」(前出・音楽ライター、以下同)
しかし、星野の真意は─。
「ただ、“こういうやつ”を否定している人も肯定している人も、星野さんの言葉をそのまま表面的に受け取りすぎというか。星野さんとしては、どのようにしてもいい、それぞれが好きに自由に楽しんでほしいという思いだったはず。どう踊っても、逆にまったく踊らずにいても、手を上げて振ろうが振るまいが、本当に好きにしてほしいと。しかし、この界隈らしい無意味な対立ができて……。
これまでも自身のライブで同様の話をしていますが、そういうことを自身のファンだけでない一般層も多い『ビバ・ラ・ロック』の場で言いたかったのではないでしょうか」
他人の楽しみを奪う権利は他人にはないはず。おそらく楽しみを提供しているアーティストにも。