(左から)伊藤万理華、西野七瀬、白石麻衣、生田絵梨花、山下美月

 5月11日、12日の東京ドーム公演を最後に、乃木坂46を卒業した山下美月(24)。すでに多くの映画やドラマに出演し、女優としての道を順調に歩んでいる。

「かつて山下は、冠番組『乃木坂工事中』(テレビ東京系)の『目指せ大女優!乃木ザカデミー賞』の企画において演技を披露。自然かつリアリティのある演技に評価が集まり、最優秀女優賞を獲得しました。司会のバナナマンの2人も、『上手い!』と絶賛。

 番組内の企画ではあるものの、女優としての才能の片鱗を見せました。そもそもバナナマン自体が演技に定評のあるコンビですから、お墨付きをもらったと言ってもいいのではないでしょうか」(芸能ライター、以下同)

山下美月

 演技力は高評価。この先も多くの作品への出演が控えているだけに、さらなる飛躍が期待される。

 では、そのほかの乃木坂卒業メンバーはどうなのだろう。顔面偏差値の高いとされるグループなだけに美貌を生かして女優として活動している者も多いが、評価は伴っているのだろうか。

歌唱力が注目される「生田絵梨花」の演技力は?

 乃木坂卒業生のなかで活躍が目覚ましく、充実度において筆頭にあげられるのは生田絵梨花(27)だろう。

生田絵梨花

 卒業後はミュージカルを中心に舞台へ出演。現在は映画やドラマだけでなく、ディズニー映画の主演吹き替えを務めるなど、幅広いジャンルで人気を博している。

 菊田一夫演劇賞などを受賞し、業界内では演技力も高く評価されているようだが、ネット上にはこんな声も……。

《声の出し方もだけど演技が大げさというか一人だけミュージカル調》

《演技がドラマ向きじゃないのでは》

《舞台やりすぎて完全に舞台用の演技になってしまってる》

 歌唱力に注目が集まるゆえ、演技力に疑問を呈する声も多い。ただ、アイドル出身のため厳しい目を向けられがちではある。経験を積むことで各ジャンルへの対応力が試されるところだ。

 受賞歴という点においては、西野七瀬(29)も日本アカデミー賞優秀助演女優賞と新人俳優賞を受賞している。

西野七瀬

 次々と話題作に出演し、難役をこなしている印象のある彼女。かつては“棒読み”と称され演技力の評価は高くはなかったものの、躍進を遂げたことで世間のイメージも変わりつつある。

《やっぱり西野七瀬さんのふわっとした演技好きだなぁ》

《演技下手だと思ってたけどケンシロウによろしく観たら普通に普通だった》

《西野七瀬さんの演技に癒されました》

 高評価というよりは、広く受け入れられ、好感を得始めているという印象。女優としては、これから真価を問われることになりそうだ。

 そして、忘れてはならないのが、乃木坂の絶対的エースだった白石麻衣(31)の動向だろう。映画にドラマにとコンスタントに出演を重ねているが、目立った評価を耳にしない。

白石麻衣

 最近の出演作に関してネット上にあがる声も、芳しくはない。ただ、容姿への評価は相変わらず高く、各媒体でおこなわれる「女性がなりたい顔」系のアンケートランキングにおいて常に上位に入る外見の良さは伊達ではない。世間の関心が薄れてしまわないうちに、明確な結果を出したいところだ。

業界内で評価を上げているメンバーとは……

 乃木坂出身という強いブランド力に支えられている卒業生もいるなか、ポテンシャルを発揮し、業界内で着実に評価を上げているメンバーがいるという。

「伊藤万理華さん(28)は面白い存在ですね。これまでの出演作ではシリアスからコメディまで幅広くこなし、個性的な役柄を見事に演じています。幼いころから取り組んでいたバレエにより、表現力も培われているのでしょう。

 両親はともにデザイナーであり、彼女自身も美大出身で芸術系のセンスも抜群。未だ才能の底が見えない状態であり、時流に乗って一気に躍進する可能性を感じます」

伊藤万理華

 伊藤と同様に、芸術的センスの高さで言えば若月佑美(29)も負けてはいない。二科展デザイン部門において8年連続で入選。2022年には特選賞に選出されているだけに、演技にも期待がかかる。

若月佑美

 また、乃木坂現役メンバーでいえば、久保史緒里(22)がNHK大河ドラマ『どうする家康』に出演。与田祐希(24)や遠藤さくら(22)も連続ドラマの主演を務めるなど、活躍が目覚ましい。卒業は未定ではあるものの、この先卒業メンバーたちの脅威となることだろう。

 乃木坂出身者のなかで、今のところスターダムにのし上がったと言えるほどの存在は見当たらない。下からの突き上げもあり、乃木坂ブランドの上に胡坐をかいてはいられないはず。

 30代へと突入したメンバーも増えているだけに、結婚という話題で一花咲かせ、飛躍のキッカケとする可能性もあるが……。彼女たちがいるのはまだまだ登り坂の途中だ!

取材・文/塚田牧夫