昭和と令和という、2つの視点から“コンプライアンス”が描かれて、幅広い世代の共感を呼んだTBS系のドラマ『不適切にもほどがある!』

 1月クールに放送されたTBS系のドラマ『不適切にもほどがある!』。宮藤官九郎による脚本で、4月末には『ギャラクシー賞』のテレビ部門で特別賞に輝いたと報じられた。

「このドラマのプロデュースを担当していたのが、TBSのベテラン女性プロデューサーの磯山晶さんです。1990年に入社以降、ドラマの現場を渡り歩いてきており、数々のヒット作を手がけてきました」(テレビ番組制作会社関係者、以下同)

『ネットフリックス』に転職

 2000年に放送された『池袋ウエストゲートパーク』、2002年『木更津キャッツアイ』、2005年『タイガー&ドラゴン』、2010年『うぬぼれ刑事』、2014年『ごめんね青春!』、2021年『俺の家の話』と、磯山氏がプロデュースしたドラマの多くを、クドカンが脚本を担当している。

『木更津キャッツアイ』は、2002年のドラマ放送後、2回にわたって映画化

 そんな磯山氏だが、現在56歳にして、ある決断をしたという。

「近いうち、新卒で入ったTBSを退社して、『ネットフリックス』に転職するようです。ドラマや映画を制作してネットで配信しているアメリカの会社で、その日本法人に入って、ドラマ制作を続けるそうです」(テレビ局関係者、以下同)

 磯山氏の退社について所属先であるTBSスパークルに聞いてみると、

「社員のプライベートについては、お答えすることはございません」とのこと。ネットフリックスにも磯山氏の入社について問い合わせたが、期日までに回答はなかった。

 新天地での、さらなる活躍が期待されるが、磯山氏は最近、ネットフリックスとは組んだばかり。

「宮藤さんが脚本で、TBSが制作し、2023年6月にネットフリックスで配信されたドラマ『離婚しようよ』のプロデューサーも磯山さんでした。技術面や進行面など、地上波とは違う点が多々あったようですが、こうしたネットフリックスとの経験が、とても刺激になったようです」

 磯山氏は、TBSホームページの女性社員を紹介するコーナーで、自分の新人時代をこう振り返っている。

《ADの仕事があまりにも向いていなかったので、自信を喪失してディレクターになるまで続けられないと思っていました》

 弱気になったことも今は昔。今後のキャリアについては、こう語っていた。

《いつまでも見てもらえるようなドラマを作っていきたいと思います》

 昭和と令和という、2つの視点から“コンプライアンス”が描かれて、幅広い世代の共感を呼び、話題となった『ふてほど』。その名物プロデューサーによる新たな視点と環境で生まれる作品が楽しみだ。