20年以上の時を超えてZ世代にも大人気の、松平健の大ヒット曲『マツケンサンバ2』振付師としても知られるダンサー・真島茂樹さん(享年77)が、5月22日に虚血性心不全で亡くなっていたことがわかった。
松平扮する金ピカ衣装の“上様”の隣りで、ステキすぎる笑顔を振りまいてはキレキレダンスを披露する一方で、おネエキャラ“マジー”としてもバラエティ番組で引っ張りだこだった真島さん。
近年は“多様性”エンターテイメント集団『ファビュラスレビューボーイズ』の舞台で活躍し、5月25日からは全国各地で順次開催される『松平健 マツケンサンバコンサート2024』にも参加予定だった真島さん。最後まで舞台上で踊り続けた人生を全うした。
松平にとっては『暴れん坊将軍』で長らく共演した、5月16日に急逝した盟友・中尾彬さん(享年81)に続き、マツケンのブレイクに大きく貢献した最高のパートナーを失うという、悲しくもつらい5月になってしまった。
「一見すると、普通のおじさんなんですが」と故人を懐かしむのは、かつて真島さんのインタビュー取材にあたった芸能ライター。
サービス精神旺盛で気遣いができる人柄
「ピンッと背筋を伸ばした立ち振る舞いや、優雅な手の動きなどの美しい所作はさすがはトップダンサー。それでいて話し出すとおネエ口調が止まらない、下ネタや業界ウラ話もバンバン飛び出すような、“そこまで話していいの?”とこちらが心配になるくらい(笑)。
でも、それは会話を盛り上げようとするサービス精神、取材側の意図を汲み取ってくれた上での真島さんの気遣いだったと思います」
2007年には『週刊女性』の企画で、前年のNHK紅白歌合戦で共演した美川憲一とも対談が実現。2人による濃い対談が進むにつれ、かつて真島さんも出演して人気を博したバラエティ番組『おネエ★MANS!』(日本テレビ系)にも及ぶと、
《ああいう(おネエ)キャラでテレビに出るなんて……変わったわよね、世の中も(笑い)》
“多様性”を受け入れ始めた時代の流れに感慨深げな美川に対し、自身も出演する、男性同士のカップルの物語を描いたミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』を引き合いに、
ムチを振り回して「アァン!」って
《“昼間からのミュージカルじゃないよね”なんていいながら、2センチのラメ入り付けまつげをつけて。僕の役は女王だったから、オープニングで鞭を振り回して“アァン! アァン!”って(笑い)》
当時、朝11時スタートだったという公演での演技を、その場で身振り手振りで“再現”してくれる真島さん。そのエンターテイナーぶりに笑いの絶えない対談となったのだった。
そんな真島さんが、最後に姿勢を正して真剣な眼差しで語った自身の将来。
《これからは歌を勉強しようと思って。シャンソンは前から好きだし、将来ずっと続けたいことのひとつだから。でもやっぱり一番の目標は死ぬまで踊り子でいること、自分に合った踊りを探し求めることかな……綺麗な言葉で言うと。》
2022年の『ラ・カージュ・オ・フォール』でもステージ上で見事なムチ捌きを披露していた真島さん。今頃は天国でステキな笑顔で歌い、踊っていることだろう。