『熱闘甲子園』のテーマソングを担当するねぐせ。(公式Xより)

《まさにホームランを打たれたかのような衝撃で(笑)》

 8月7日に開幕する『第106回全国高校野球選手権大会』。夏の甲子園といえば、高校野球ファンにとっておなじみなのが『熱闘甲子園』(テレビ朝日系)だろう。今回、番組のテーマソングを担当するのは4人組ロックバンド『ねぐせ。』で、公式サイトでは抜擢されたことへの驚きをメンバーそれぞれが語っている。

指摘された“誤字”の数々

「2020年に名古屋で結成され、2022年にリリースされた『グッドな音楽を』はTikTokでの総再生回数が9億回を突破するなど、若い世代を中心に急速に人気を集めています。テーマソングには『ずっと好きだから』という新曲を書き下ろしていて、5月20日にはバンドの公式Xにて40秒ほどのティザー映像も公開されました」(スポーツ紙記者)

 この投稿は5月24日時点で4900万回以上のインプレッション(タイムラインに表示された回数)を記録するなど、大反響を得た……が、バンドにとっては決して喜ばしい状況ではないという。

「公開されたティザー映像は、メンバーが演奏をしている様子を背景に、歌詞が手書き風の文字で大きく表示されているものでした。問題となったのはこの文字で、随所に誤字とみられる漢字が用いられていたんです。

 例えば、音源では“えん”と歌っているのに歌詞は“緑”となっていたり、“かんせい”が“観声”になっていたり。さまざまな意味を込めるために敢えて別の漢字を歌詞に用いる、というアーティストもいますが、今回のケースに当てはまるようには思えません。ネット上では“誤字が多い” “ちゃんとチェックされたのか”と批判が相次ぎました」(音楽誌ライター)

 炎上を受け、5月23日にドラムのなおとはXにて、

《誤字してしまったこと、本当にメンバーで気付けなかったのはダメだと思ってます》

 と謝罪。だが、誤字よりも高校野球ファンを怒らせたのは、歌詞そのものだった。

《野球を舐めてる》

《前を見てる君に 世間の外野なんて 聞こえない》というフレーズがありますが、野球で“外野”といえば、外野手のことをイメージしますよね。『熱闘甲子園』のテーマソングといえば、野球にまつわるフレーズが使われることが定番となっています。

 ねぐせ。もそれを意識して“外野”という言葉を選んだのかどうかは定かではありませんが、この文脈では“関係のない第三者の声なんて聞こえない”という意味になってしまう。野球の応援ソングでありながら、野球用語をマイナスな意味で用いてしまっているわけです」(前出・スポーツ紙記者、以下同)

 実際、SNS上では、

《野球のテーマソングなのに、外野を悪い意味で使うのは論外すぎる》
《野球を舐めてる》
《野球知らないのに野球用語を無理矢理入れたようにしか見えない》
《外野が「ポジション」じゃなくて「やじってる奴ら」の意味で使われてるの怒りしか湧かない》

 などと、酷評されてしまっている。

『熱闘甲子園』のテーマソングを担当するねぐせ。(公式Xより)

「これまでの『熱闘甲子園』テーマソングでは、FUNKY MONKEY BABYS『あとひとつ』Official髭男dism『宿命』など、数々の名曲が誕生しています。なかでも、『宿命』は野球用語を上手に取り入れていた、と今回の炎上で再脚光を浴びるほど評価が高いんです。長年続く、ファンの期待値が高い番組であるからこそ、バンドやスタッフ、番組側はもっと慎重に曲を仕上げるべきでした」

 夏の甲子園開幕まで残り2か月。ここから挽回することはできるのだろうか。