「幼い子を洗濯機に入れて回すなんて、とんでもない虐待ですよ」
容疑者と同じアパートの住人はそう呆れていた。
茨城県警ひたちなか署は19日、同県那珂郡東海村に住む自称建設業の舛井英明容疑者(30)を傷害の疑いで現行犯逮捕した。容疑者は同日午前8時40分ごろ、20代の交際女性が住むアパートで、彼女の連れ子である3歳の娘を洗濯機の中に入れて回して、全治不詳のケガを負わせたというもの。
女児が入った洗濯機のスイッチを入れたり切ったり
捜査関係者によれば、舛井容疑者は酒気を帯びた状態だったようで、
「日曜日の朝、酒を飲んで朝帰りをした直後の犯行。女児が入った洗濯機のスイッチを入れたり切ったりを繰り返すという悪辣な行為をしていた」(捜査関係者)
起床した交際女性が娘を救出して、
「助けてください」
と110番通報。舛井容疑者は、駆けつけた署員に現行犯逮捕されたのだった。
「洗濯機は縦型で、ふたが閉まっていないと作動しないもの。中には水が入っており、ほかに衣類は入っていなかった。つまり、虐待目的のためだけに洗濯機を回していた」(全国紙社会部記者)
女児は膝から下にケガを負って病院へ搬送されたものの、命に別状はなかったのだが、
「上半身にもあざのようなものがあり、それが洗濯機によるものか、日常的な虐待があったかは捜査中です」(前出・捜査関係者)
舛井容疑者は警察の取り調べに対して、
「やっていない」
と容疑を否認しているという。
事件現場となった母娘のアパートに半同棲状態だったという容疑者。別の近隣住民によると、同アパートは容疑者の母方の祖父の所有だという。
容疑者の母親を直撃
「大きな地主さんでね。ほかにいくつもアパートやマンションを持っているんです」(冒頭の住民、以下同)
容疑者の自宅はアパート近くにある一軒家で、母親とふたりで暮らしていた。
「30年近く前、高校の教師をしていた母親が離婚。祖父が持つ土地を分けてもらって、いまの一戸建てを建てて、幼い容疑者と母子2人で住むようになったんです。ただ、田舎の一軒家にしては珍しく、町内会には入っていなくて、近所づきあいもない家でした。シングルマザーで仕事が忙しかったのかもしれないね」
容疑者の幼い頃を知る住民によると、
「小学校までは勉強ができ、スポーツもできる少年だったよ。ところが、中学生になると、様相が変わってきてね。どうやらヤンチャなグループに入ったようで、不良っぽい子たちが毎日のように家に出入りするようになっていった」(同・住民)
近所の居酒屋店主は容疑者の最近の様子を知っていた。
「作業服姿で仲間と週1のペースで来ていました。特に酒癖は悪くなくて、ワルという印象はないですが、昔はヤンチャだったんだろうなという感じはしていた」(居酒屋店主)
容疑者はなぜ許されぬ凶行に走ったのか。仕事から自宅に帰る容疑者の母親を直撃するも、
「……今はお答えしたくありませんので」
と取材拒否だった。20日、ひたちなか署は容疑者の犯行が極めて悪質として、容疑を殺人未遂に切りかえて送検した。