『HK/変態仮面』での鈴木亮平

 俳優・鈴木亮平(41)の快進撃が止まらない──。彼が主演の冴羽リョウ役を務めたNetflixオリジナル映画『シティーハンター』は日本のみならず、フランス、台湾など世界各国で初登場1位を獲得。漫画の実写化にたびたび厳しいコメントが集まるSNSでも、絶賛の嵐だ。

鈴木亮平のハマり役ランキング

 ドラァグクイーンであり俳優、脚本家などさまざまな顔を持つエスムラルダさんは、鈴木亮平の魅力をこう解説する。

「中高年男性からの支持が厚いですよね。公私共にチャラチャラしたところがなく、役作りで体形を大きく変えるなど仕事に妥協しない姿勢も有名。そのストイックさが、男性陣のハートをつかんでいる理由のひとつではないでしょうか」

 '06年のデビューから18年がたった今、鈴木は令和のカメレオン俳優の名を欲しいままにしている。そこで週刊女性は30歳~70歳の男女1000人にアンケートを行い“鈴木亮平が演じたハマり役”について聞いた。

 9位は同点で1つは'15年公開の映画『俺物語!!』の剛田猛男

 同名少女漫画が原作で、鈴木演じる主人公の剛田猛男は、高校生とは思えないゴツい体格とおとこ気の持ち主。男友達からは信頼を寄せられているが、女子生徒からはまるでモテない男子高校生を32歳のときに演じて話題に。

「原作イメージに近づけるために体重を30キロ増やしたと聞き、ハリウッド俳優並みのストイックさに感動した」(大阪府・42歳・男性)、「幅広い演技ができる多才な方だと思った」(大阪府・44歳・女性)などの声が集まり、現在のイメージにもつながる作品として名前があがった。

 同じく9位に連続テレビ小説『花子とアン』(NHK)で演じたヒロイン・はなの夫役、村岡英治がランクイン。

「優しさがにじみ出ていて、イケメンすぎないところに好感を抱いた」(東京都・62歳・男性)。はなと出会った当初、村岡は既婚者だったため朝ドラでは珍しい“略奪愛”が描かれたが、鈴木のさわやかな演技が奏功し、炎上を回避した、との見方も。

 そんな村岡とは対極にある凶暴な演技で話題になったのが、8位『孤狼の血 LEVEL2』の上林成浩役。

 主人公のマル暴刑事・日岡秀一(松坂桃李)を暴力と狂気で追い詰める暴力団組長を演じた。

「ヤクザの狂気を肌で感じた」(神奈川県・57歳・男性)、「極悪非道なヒール役を圧倒的なすごみのある演技でやりきっていた」(宮城県・54歳・女性)。

「眉毛ももみあげも剃り落とした上林のビジュアルを見て、体重だけでなく徹底して外見を作り込む方だと感じましたね。俳優としての“見た目”の重要性を深く理解されているのでしょう」(前出・エスムラルダさん、以下同)

 続いて『天皇の料理番』(TBS系)の秋山周太郎が第7位に。

 鈴木は料理人を志す主人公・秋山篤蔵(佐藤健)を見守る兄を演じている。作中、病に倒れた周太郎はみるみるやせ細り、この世を去る……悲しい結末を迎える役を演じるため、鈴木は撮影に臨みながら20キロもの減量を。

「とにかく役者魂を感じるドラマだった。身体を張った演技に感動」(岐阜県・56歳・女性)、「弟を見守る優しい兄役が心に残っている」(東京都・59歳・男性)。ちなみに、同作のクランクアップから約1か月後には『俺物語!!』の撮影のために30キロの増量に成功。ストイックすぎるにもほどがある!

身体を張って演じるその姿に誰もが

「闇を抱えながらも、生徒たちと向き合う南雲先生の役がとてもよかった」(宮城県・50歳・女性)、「球児に優しく、ときに厳しく指導する姿に好感を持った」(兵庫県・64歳・男性)との声が集まったのが『下剋上球児』(TBS系)の南雲脩司だ。

 弱小野球部を甲子園に導く“教師役”だが、実は教員免許を持っていない闇教師、という謎の設定も説得力をもって演じた。

 5位にランクインしたのは、映画『HK/変態仮面』の色丞狂介。伝説(?)のギャグ漫画を実写化した同作で、彼は女性もののパンティを顔にかぶると“変態仮面”に変身し、悪を成敗するという異色すぎるヒーローを演じた。

「『変態仮面』の実写化だけでも驚きなのに、変態仮面になりきっている鈴木さんを見て衝撃を受けた中高年男性はとても多いはず。それでいて“イロモノ”で終わらず、今も第一線で活躍しているのも彼のすごさですね」

 実際にアンケートでも「まさか『変態仮面』を実写化するとは思わなかった。

 引き受けたからには、振り切らなければ駄作になるリスクがあるなかで役を演じきった度胸が素晴らしい」(東京都・63歳・男性)、「変態仮面というふざけた役を大まじめに演じる姿がコミカルでおもしろかった。筋肉もすごい!」(大阪府・46歳・男性)と、パンティをかぶった彼の覚悟をたたえるコメントが並んだ。

 4位『テセウスの船』(TBS系)の佐野文吾役では、殺人犯として逮捕される元警察官を演じた。

「正義感が強く、優しさに満ち、家族思いの人柄に好感を抱いた」(大阪府・60歳・男性)、「初めて鈴木亮平を知ったドラマなので、印象に残っている。明暗の演技がうまいと感じた」(東京都・57歳・女性)との声もあり、新たなファンを開拓したもよう。

 3位に入ったのは、冒頭でも触れた『シティーハンター』の冴羽リョウが早くもランクイン。

「同作品が大好きで基本的に実写化には反対だが、鈴木亮平の冴羽リョウにはやられた!」(北海道・36歳・女性)、「冴羽リョウのものすごくカッコいい面と、めちゃくちゃふざけている面の二面性をよく表現していた」(東京都・55歳・男性)など、リョウの持ち味と魅力を巧みに表現し、往年のファンも太鼓判を押す仕上がりに。

「今、日本で冴羽リョウを演じられるのは鈴木亮平さんだけでしょう。国外でも注目されている作品なので、この役は海外進出のきっかけになるかもしれませんね」

 まさにハマり役の“リョウちゃん”を抑えて2位に入ったのは、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)の喜多見幸太。事故や災害などの現場に医師が自ら駆けつける救命救急チーム、TOKYO MERのチーフドクターだ。

「命の尊さと医学の可能性をとことん信じてやり抜く、情熱あふれた熱血漢ぶりに共感した」(大阪府・60歳・男性)、「『現場に行かなきゃ助けられない命もあるんです』と、理想の救命医療に邁進していく姿に感動」(東京都・61歳・男性)との声が多数。

「手術のオペレーションのスムーズなセリフ……手術器具の扱い方など相当練習したと聞き、驚いた」(東京都・64歳・男性)との意見もあり、彼の華麗なメスさばきも見どころだ。加えて、喜多見医師がたびたび披露する美しい筋肉に見惚れる視聴者も続出したとか……。

 そして栄えある第1位は、大河ドラマ『西郷どん』(NHK)で演じた西郷隆盛。“100キロ超の巨漢”との記録が残されている西郷を演じるため、25キロの大増量を敢行。

「役作りのために体重を増やし、西郷さんらしい容姿になるのは大変だったはず。感心しながら見ていた」(三重県・67歳・男性)、「難しい鹿児島弁を西郷になりきって表現されており、鹿児島人の私もびっくり」(鹿児島県・37歳・男性)などのコメントも。体形だけでなく、方言でも役者魂を見せたことが首位につながった。

「鈴木さんご本人は、西郷の肖像画とは似ていない薄めの顔立ちですが、高い演技力と、持ち前の華で見事に西郷どんを表現していました。彼は年々好感度が上がっていますし、再び大河ドラマの主役を張る日が来るかもしれませんね」

 実力と魅力を兼ね備えたカメレオン俳優・鈴木亮平から今後も目が離せない!

大人男女1000人に聞いた「鈴木亮平のハマり役ランキング」

(順位 役名/タイトル 票数)
1位 西郷隆盛 大河ドラマ『西郷どん』(NHK、2018年) 156票
2位 喜多見幸太 『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系、2021年) 123票
3位 冴羽リョウ 『シティーハンター』(Netflix、2024年) 98票
4位 佐野文吾 『テセウスの船』(TBS系、2020年) 65票
5位 色丞狂介/変態仮面 『HK/変態仮面』(映画、2013年) 64票
6位 南雲脩司 『下剋上球児』(TBS系、2023年) 59票
7位 秋山周太郎 『天皇の料理番』(TBS系、2015年) 53票
8位 上林成浩 『孤狼の血 LEVEL2』(映画、2021年) 28票
9位 村岡英治 連続テレビ小説『花子とアン』(NHK、2014年) 27票
9位 剛田猛男 『俺物語!!』(映画、2015年) 27票

※インターネットアンケートサイト「Freeasy」にて5月中旬、全国の30歳以上70歳以下の男女1000人を対象に選択方式で実施

エスムラルダ●1972年、大阪府生まれ。一橋大学社会学部卒業。'94年以降はドラァグクイーンとしてイベントや舞台公演、メディアで活躍。歌手・脚本家・俳優など幅広く活動中

取材・文/とみたまゆり