最近、何かと露出が増えている藤原紀香の評判が、ここにきて爆上がりしているという。それも、梨園内で。
今年1月期のドラマ『離婚しない男ーサレ夫と悪嫁の騙し愛ー』(テレビ朝日系)でフェロモンだだ洩れの隣人を演じたかと思えば、友情出演ではあるものの、5月に公開された映画『お終活再春!人生ラブソティ』に登場し、10月には舞台『罠』が控えている。
芸能活動が忙しくなっているが、その合間には、夫・片岡愛之助が出演する『四月大歌舞伎』で姿を見せ、贔屓筋に挨拶するなど、“梨園の妻”としての役割もしっかりと果たしていた。
厳しい“おかみさん”の世界
歌舞伎役者と結婚した女優、あるいはタレントと言えば、真っ先に頭に浮かぶのは富司純子だろう。ほかにも故・扇千景さん、浜木綿子、寿ひずる、近藤サト、そして三田寛子、紀香、前田愛と続く。
歌舞伎役者の妻は大変な“仕事”と語るのは、スポーツ紙で歌舞伎担当をしている記者。
「なにせ400年以上の歴史を誇る日本の伝統芸能ですから、歴史を知るだけでもひと苦労。まず、演目や季節の行事について勉強しなければなりません。着物を着る機会が多いので自分で着付けできることも必須条件。日本の伝統文化でもあるお茶やお華の作法を身につけるのも基本です。そして、一番大事なのが贔屓筋とのお付き合い。そのほか、何かと厳しい先輩おかみさん(歌舞伎役者の妻)たちと上手くやっていくことも求められます」
陣内智則と結婚した際は賞賛の声が集まったのに、愛之助との結婚を発表したときはバッシングの嵐に見舞われた。多くは《紀香に梨園の妻が務まるのか》という声だったが、それは歌舞伎界でも同じで、「すぐに音を上げるわよ」と思っていたおかみさんも多かったという。
梨園妻の“序列”
しかし、彼女は音を上げるどころか日々努力を重ねていった。“おかみさん”の一人はこう語る。
「正直言って、紀香さんに歌舞伎役者の妻は絶対無理だろうと思っていました。冷たい目で見る人も多かったと思います。しかし、彼女は焦らず時間をかけ、歌舞伎役者の妻として必要な条件をクリアして、今では非の打ちどころのないおかみになったと思います。その務めを立派に果たしています」
また別のおかみさんは、
「紀香さんはそもそも歌舞伎に縁もゆかりもなく、知人もおらず、言葉も話せないまま外国に来てしまったようなもの。頼れるのは夫だけという中で、必死に勉強していました。おかみの仕事は煩雑で、目に見えていないところの挨拶回りや事務作業も大変ですが、彼女は一生懸命やっています。歌舞伎役者の妻が芸能活動をすることにいい顔をしない人は多いですが、紀香さんはおかみさんの仕事もしっかりやっているので、非難する人はいませんし、むしろファンも多いです」
結婚して6年、紀香は誰もが認める“梨園の妻”となったようだ。一方、最近は話題に上がることが多い三田寛子。
「歌舞伎役者には名跡によって『格』があるのはよく知られたことですが、実は梨園妻にも“序列”がある。そして、それは夫の格に準じます。三田さんは名門『成駒屋』のトップに立つ中村芝翫さんの妻で、キャリアもあります。“梨園妻の次代のドン”と報じられたこともありました。芝翫さんの不倫報道が出たときは見事なマスコミ対応を見せ、また3人の息子さんを歌舞伎役者として立派に育て上げ、梨園妻の鑑と言われることも」(前出・スポーツ紙記者)
そんな三田の天下が続くと思われたが、ここにきて暗雲が立ち込めている。
不倫対応から見える“本心”
先日、『週刊ポスト』(4月12・19日号)で芝翫が4度目の不倫を報じられた際、同誌の取材に三田はこうコメントしている。
《私としましては、成駒屋に嫁ぎ、妻として三人の息子の母親として、これからも家業の歌舞伎を私なりに精一杯支えて参りたいと考えております。何卒、理解いただけますようお願い申し上げます》
「4度目となるとさすがにコメントすることもなくなるでしょうが、丁寧な対応は変わっていません。ただ、その言葉からは、“支えるのはもはや夫ではなく、歌舞伎界と息子たちだ”という彼女の本心が窺えます。芝翫さんには呆れているだろうけど、《成駒屋に嫁ぎ》《家業の歌舞伎》という言葉を発するあたり歌舞伎を大切に思う気持ちに変わりはないのでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
度重なる不倫報道にも動じることなく毅然としている三田に、世間は「さすが、『梨園の妻』を代表するだけある」と絶賛してきた。しかしそんな彼女が、芝翫が女性と半同棲している家にやってきて怒声を上げている姿を『NEWSポストセブン』が報じている。
「三田さんが怒るのは無理もないことで、彼女に賛同する声も多いのですが、一方で、いつもテレビで見る笑顔とかけ離れた姿に驚いた人も多い。“梨園の妻たるものは夫の浮気に動じないもの”と思っていた人たちは、拍子抜けしたのではないでしょうか」(同・スポーツ紙記者)
そして、おかみさんたちの間からもこんな声が。
「芝翫さんも遊び方が下手だけど、三田さんもしゃべりすぎ。妻が『三田寛子』でなかったら、週刊誌も何度も報道しないでしょうし、世間も興味がないと思います。彼女が芸能界から完全に離れていたら、またちょっと違っていたかもしれません。コメンテーターをしたりして注目を浴びているから、みんな何を話すか聞きたいでしょうし。あんな写真が出てしまうと、夫に振り回されているようでイメージが悪いですね。最近は表情が暗く、仕事に身が入っていないように見えます」
“梨園妻の格”は夫の格と同じで変わることはないというが、こと“人気”において、紀香が三田を超えたのはどうやら間違いないようだ――。