2011年、主演映画『1911』舞台挨拶で来日したジャッキー・チェン

 久しぶりに来日したアクションスター、ジャッキー・チェンの変貌ぶりが話題だ。

「ジャッキーは、1974年に初主演した映画から今年で50年周年を迎えるということで、新作の映画『ライド・オン』が製作されました。日本公開記念となる舞台挨拶のため、13年ぶりに来日。海外でのプロモーションは予定していなかったそうですが、ジャッキーたっての希望で実現。ただ、さすがに以前のような若々しさはなかったですね。今年で70歳ですから、当然ではあるのですが……」(スポーツ紙記者)

 SNSなどでは、

《ジャッキーも老けたなぁ…。しかたないことだけど》

《大村崑さんに似てきた》

《マイケル・ホイみたい》

 といった声が続出。さらに、ジャッキーの“ものまね”を披露する芸人・ジャッキーちゃんも舞台挨拶に登場。2人が並んだ姿に、

《ジャッキーちゃんのほうが、ジャッキー・チェンよりジャッキー・チェンに似てる》

《ジャッキーちゃんこそ、永遠のジャッキー(笑)》

 という声もあった。

ブルース・リーの“後継者”として

 ジャッキーといえば、スタントマンを使わない過激なアクションや戦闘シーンが魅力の映画『ポリス・ストーリー』シリーズなどが代表作だが、多くの少年たちを魅了したのは、カンフー映画だろう。

ブルース・リーの急逝後、その後を継いだのがスタントマンだったジャッキーでした。ブルース・リーの主演映画の続編として1976年に香港で公開された『レッド・ドラゴン/新・怒りの鉄拳』が始まりです。しかし、これは興行的に不発。続いて同じ年に香港で公開された映画『少林寺木人拳』も、当時は結果が振るわなかったのです」(映画ライター、以下同)

13年ぶりに来日したジャッキー・チェン(右)。舞台挨拶では、ものまね芸人のジャッキーちゃん(左)に酔拳を伝授する場面もあった(写真/産経ビジュアル)

 その理由について、

「今でこそ名作とされる『木人拳』は、父親を殺された場面を目撃した言葉を話せない少年が主人公。物語は、父親殺しの犯人を見つけ出し、復讐を果たすというシリアスな内容でした。アクション映画なら、見終わった後はスカッとしたいという点から当時は敬遠されたのかもしれません」

 ブルース・リーと同じスタイルでは、その壁は超えられない。そう考えたジャッキーは、新たなカンフーを示していく。

「それこそ“コメディーカンフー”です。1979年に日本公開された映画『スネーキーモンキー蛇拳』と『ドランクモンキー酔拳』は、ストーリーも明るい内容に変え、蛇の動きを模した拳法や、お酒に酔った動作が拳法になるというコミカルな要素を加えたことで大ヒット。映画館に訪れたジャッキーは、観客たちがスクリーンを見て大笑いする姿を見て涙を流したと自伝で明かしています

 アクションスターとして不動の地位を築いたジャッキー。ハリウッドデビューも果たし、次々とヒット作を生み出した。

70歳にして自らアクションをこなした

 そんな偉大なアクションスターは、70歳を迎えても、アクションは健在。

「『ライド・オン』は、スタントマンが主人公の物語。ジャッキーもスタントマン出身なので、製作への熱い思いを語っていました。スタントを使わないことで知られるジャッキーは、高齢といえど今作もスタントマンを使わずに自らアクションシーンをこなしたようです。舞台挨拶では“さすがに30代のころのスタントは無理なので、それは勘弁してほしい”と、話していましたが」(前出・スポーツ紙記者、以下同)

 かつてのように無理はできない。けれど、プロとして限界に挑戦し続ける。そこで、齢を重ねた“技”を披露する一幕も。

ジャッキーが、あの“酔拳”を舞台上で披露したんですよ。ジャッキーちゃんには、酔拳の型を直々に教えていて。当時の子どもたちは、よく真似をして遊びましたよね。“酔えば酔うほど、強くなる……”って(笑)」

 老いてもなお、その魅力は輝き続ける――。