シャンシャン 撮影/MESTY

 上野動物園生まれの雌のジャイアントパンダ「シャンシャン」が、6月12日に7歳の誕生日を迎えた。

 '23年2月に中国に返還され、現在は中国ジャイアントパンダ保護研究センターで過ごしているシャンシャン。誕生日当日は、彼女のもとに日本から320人ほどのファンが詰めかけた。

見学時間のルール

 このセンターではパンダの誕生日会はめったに行われないが、今回はシャンシャンをお祝いしようと日本から訪れたファンのため、観覧エリアを飾り付けてお祝いするなどの対応をしたようだ。

 またシャンシャンをひと目見たいと列をなすファンがあまりに多く、見学時間はひとり3分という特別ルールが設けられた。

 シャンシャンは上野動物園にいたころから人気者だった。'17年6月にリーリーとシンシンの間に自然交配によって生まれ、順調に育った初めての赤ちゃんパンダだ。5年先に生まれて6日目に死んでしまった兄の存在もあり、その誕生は待望のものだった。

 成長の様子はたびたびメディアで報じられ、同年12月19日の一般公開初日には約40倍の申し込みが殺到する人気ぶり。見学は1時間待ちが当たり前で、5歳の誕生日では4時間待ちの大行列ができた。

 シャンシャンは'23年2月21日に惜しまれながらも中国へ返還されることとなり、上野動物園での一般公開最終日には6万件を超える応募があった。

 動物園で直接会えなくてもシャンシャンを送り出したい人は多く、シャンシャンの様子が見られる動画配信や写真展などのイベントが開催されたり、お別れコメントを掲載した特設ページが開設されたりと、最後まで注目の的だった。

人間でいうと21歳のシャンシャン

 返還後もその人気は健在で、今回の誕生日に合わせた日本からのツアーは7分で完売。

 当日、シャンシャンは予定よりも30分程度早い9時過ぎに現れ、竹やリンゴを頬張る様子を見せた。しかし40分ほどでどこかへ姿を消してしまい、飼育員が呼びかけるも応答なし。観覧エリアからは見えないところにくつろげる場所があり、そこで眠っているとのこと。

 シャンシャンのマイペースさは健在のようだ。早くシャンシャンに会いたいとファンが待ち望む中、午後1時ごろにやっと姿を現すと、リラックスした様子で餌を食べはじめた。

 パンダの7歳は、人間でいうところの21歳くらい。そろそろ出産の適齢期ということだが、この日はそういった様子は見られなかった。絶滅のおそれがあるジャイアントパンダは、遺伝子の多様性を保つため繁殖が期待されている。シャンシャンが私たちに彼氏を紹介してくれる日が待ち遠しい!

撮影/MESTY