ダウンタウン・松本人志

 ダウンタウン・松本人志がテレビから姿を消して約半年。

 今年3月から始まった『週刊文春』(文藝春秋)に対する訴訟は終わりが見えない状況が続いている。松本は自身のSNSで復帰の意向を示したが、週刊女性は松本の直近の様子や、裁判の焦点となっている“被害女性”の意外な証言を独自にキャッチした─。

「事の発端は昨年末、『文春』がA子さんとB子さん女性2人などの証言をもとに、松本さんと後輩芸人を交えた2015年の“ホテル飲み会”の詳細を報じたこと。松本さんの後輩であるスピードワゴンの小沢一敬さんから声をかけられて、芸能活動を志していた2人の女性は“今後のキャリアのためにも”と期待と不安の中で参加したところ、松本らから同意なき性行為を強要されたというものでした」(スポーツ紙記者、以下同)

 しかし、松本が所属する吉本興業は、即座に報道を否定する声明を発表した。

「ただ、年が明けると、文春は3か月にわたって松本を徹底追及する記事を連発。松本との関係を主張する女性の数は10人を超えるという前代未聞の事態となったのです。

 一方の松本は裁判に注力するため、今年1月にはすべての芸能活動を休止した上で訴訟を提起しました。名誉を毀損されたなどとして、約5億5000万円の損害賠償を求めています

松本に「証言台でお話しください」

 現時点で『文春』による最後の松本関連の記事では、A子さんが手記を寄せており、松本から性加害を受けたことは事実だとして《私は何度でも証言台に立つつもりでいます。ですから松本さんも、本当の“真実”を証言台でお話しください》という主張で締めくくられていた。

 多くの波乱を巻き起こしつつ、事態の判断は法廷に委ねられることに。ところが─。

スピードワゴン・小沢一敬とAさんが当日に行っていたLINEのやり取り

「実は、今回の裁判の焦点となる性被害疑惑を『文春』に告発したXさんが、周囲に“自分は告発するつもりはなかった”と、必死に説明しているそうなんです。Xさんというのが、同じく松本さんからの性被害疑惑を告発した女性の1人と友人関係で、今回の告発は“その友人が強引に話を進めたもの”だというのです。自身が“松本人志を告発した女性”という目で見られていることに困惑しているとも主張しています。

 確かに松本さんとの飲み会には参加したが、“自分は被害を受けたという認識ではない、あらぬ誤解から所属事務所や仕事関係者に迷惑がかかってしまう”ことを懸念しているそう」(Xさんの知人)

 つまり、告発したはずの女性が「被害を受けた認識がなかった」という可能性も浮上したというわけだ。

 仮に、今回の裁判において重要な証言者となるであろうA子さんやB子さんが「自分は性被害を受けていない」と主張を翻した場合、裁判にどのような影響を与えるのか。

“性的強要の有無”を証言できる3人

 レイ法律事務所の河西邦剛弁護士に話を聞いた。

「影響はかなり大きいと思います。今回の裁判は、A子さんとB子さんへの性的強要の疑惑を掲載した、文春の第1弾の記事が訴訟の対象です。松本さんは飲み会に参加したことは認めているようですが“無理に性的関係を求めてはいない”と主張している。つまり、争点は“性的強要があったのか”についてです。

 そして、この争点について証言できるのは3人しかいません。飲み会が開かれた高級ホテルのスイートルームには複数人がいたそうですが、A子さんとB子さんは、それぞれ別日にスイートルームの寝室で“松本さんと2人きりになった際に性被害を受けた”と記事内で主張していますが、性的強要があったのかどうかは、寝室にいた3人しか証言できません」

 河西弁護士が続ける。

「裁判所からすると“女性側がどう証言するかどうか”に大きなウエートを置いているはずなので、もしどちらかの女性が“被害を受けた認識はない”とした場合、文春にとっては不利になると断言できます。

 ただ、どちらかの女性の証言をもとに、もう一方の女性の取材記録を参考にして裁判所が“性的強要があった”と認める可能性もある。とはいえ、どちらかが“被害を受けたと認識していない”となると、文春側はそうとう厳しくなるでしょう」

 前出の知人によると、Xさんは芸能関係の活動も行っているという。そこで、Xさんの所属事務所に対して、松本との件について問い合わせたが、回答は得られなかった。

動画配信サービスで“活動再開”か

2024年4月中旬、食料を買い込んで自宅に帰る「スピードワゴン」小沢一敬。伸びきったヒゲがマスクの下からはみ出していた

 裁判の行方は今もまったく予想できない状況ではあるが、松本の仕事に関しては最近、新たな動きが。

「6月7日、松本さんが企画とプロデュースを担当したAmazonプライムビデオのオリジナル番組『FREEZE』が、ポルトガルのテレビ局に販売され、現地で放送されることが話題に。松本さんは《『ドキュメンタル』に続き自分の笑いが世界に拡がっていくことはうれしいです》と、今年初めて、騒動に関連しないコメントを発表しました」(前出・スポーツ紙記者)

 この流れから、今後の松本はスポンサー配慮が必要となるテレビではなく、動画配信サービスでの活動再開を期待する声も高まっている。

「海外の企業や外資系メディアは、日本のような“推定有罪”では判断しないのが慣例。彼らからすれば松本さんは現段階では“加害者ではない”という認識です。つまり“推定無罪の法則”です。性的強要が立証されていない以上、松本さんに対しては以前と変わらず、企画やオファーが続いているそうです」(制作会社関係者、以下同)

 松本の近況については、情報がほとんど世に出ていないが、現在も以前とそう変わらない様子だという。

「やっぱり面白い」待望される復帰

ダウンタウン・松本人志と浜田雅功(1992年)

「松本さんは騒動後も親しい芸人やテレビ局関係者を自宅に招いたり、食事に繰り出したりしてはお笑い談議に花を咲かせているそうですよ。騒動の余波で松本さんは“完全にやつれてしまった”などといった報道もありましたが、今でも金髪とマッチョ体形は維持していて、久々に会う関係者は逆に驚くんだとか。

 相方の浜田雅功さんも松本さんの復帰を待ち望んでおり、今でも定期的に今後についての話し合いを行っている。そして、松本さんと会った関係者たちは決まって“やっぱり松本人志はメチャクチャ面白い”と、復帰に期待するようです」

 しかし、関係者やファンがどれだけ期待に胸を膨らませても、常習的に行われてきたとされる、見知らぬ女性との“ホテル合コン”は事実。たとえ裁判に勝利しても、すぐに世間やスポンサーに受け入れられるかどうかは不透明だろう。

「もはや松本さんが妻子ある身でなくとも、後輩芸人をアテンド役として女性を集めさせたこと自体が、現在の価値観からすれば“アウト”。松本さんは、いわばこれまでの行動によって生まれた“ツケ”を支払わされている状況で、本来はバックアップをしたい吉本興業としても、事態の推移を見守ることしかできないというのが実情です」(吉本興業関係者)

 笑いのカリスマは、自らの行動によって引き起こした騒動に、どのような“オチ”をつけるのだろうか。

河西邦剛 レイ法律事務所の弁護士として、芸能・エンターテインメント分野および、刑事分野の統括責任者を務める。メディアにも数多く出演し、講演やセミナーなども行っている