昼だというのに、新宿区歌舞伎町の大久保公園周辺には、“立ちんぼ”(街角に立って客引きをする売春婦)の姿が。その1人に容疑者の顔写真を見せながら“知っているか?”と確認すると、
「見たことない。私は“昼派”だけど、この人は“夜派”なんじゃない?」
「売春」狩りの手口
警視庁捜査1課は6月10日、強盗と不同意性交の疑いで、東京都三鷹市に住む理容師の難波正秀容疑者(61)を逮捕した。5月27日午前1~3時ごろ、新宿区歌舞伎町のホテルで事件は起きた。
「容疑者は大久保公園周辺で20代女性に声をかけ、現金を払う約束をして近くのラブホテルへ同伴。部屋へ入ると、“言うことを聞かないと殺す”と刃物を突きつけて脅した上で、わいせつな行為に及んだ」(全国紙社会部記者)
容疑者は被害女性の身分証をスマホで撮影。警察に通報させない画策までしていた。
「だが女性が勇気を振り絞って警察に相談し、防犯カメラの映像などで逮捕に至った。SNSでは“大久保公園周辺で刃物男が女性を脅している”などの投稿が多数寄せられていて、警視庁には昨年夏ごろから同様の訴えがあったことから、容疑者の余罪を捜査中です」(同・社会部記者)
難波容疑者は警察の取り調べに対して、
「身に覚えがない」
と容疑を否認しているという。卑劣極まりないこの男の取材を進めると、まったく別の顔が見えてきて─。
難波容疑者は渋谷区で大きな建設会社を営む一族に生まれたが、会社は父親の代で倒産。理容師になった容疑者は三鷹市の築38年、3階建てのマンションに住んでいた。間取りは2DK、家賃月7万5000円ほど。
「今年の初めに引っ越してきて、挨拶に来ました。温厚そうな人でしたよ。最初はひとり暮らしでしたが、最近は50代ぐらいの女性を見かけるように。玄関前に自転車が2台並んでいたから、同棲していたんじゃないかな」(同じマンションの住人)
勤務先での“生真面目”評判
同マンションから約3km、自転車で15分ほどの世田谷区の理髪店。容疑者は、同店でおよそ1年前から逮捕されるまで勤務していた。
「腕がよくて、人柄も穏やかだから、お客さんからの人気も高かった。いまだに犯行は信じられない」(勤務先の同僚、以下同)
容疑者と同棲中だったとされる女性については、
「彼女は千葉から容疑者宅に通っていたんです。逮捕後も別れてはおらず、留置場へ面会に行っていますよ」
犯行動機については、“金目的ではない”とも。
「うちの店で月給35万円ほどもらっていたが、店が定休日には他店でも働いていましたからね。合わせれば、月40万円以上はあったはずだ。でも、朝8時から夜8時まで働き続けたあと、歌舞伎町へ行っていたなんて……」
難波容疑者のものと思われるSNSのアカウントには「最近DBDにはまっています」と書かれている。DBDとは、『デッド バイ デイライト』というオンラインのサバイバルホラーゲームのことで、サバイバー(生存者)たちが、1人のキラー(殺人鬼)から逃げるという過激な対戦ゲームだ。サバゲーのようなスリルを現実でも体験しようとしたのか─。
いずれにしても、逮捕されたという“リアル”はもう変えようがない。