「天は……! DMM FXの上に……DMM FXを造らず……」
つっかえそうになりながら、また少し噛みそうになりながら、そう話すのはタレントのローラ。「天は人の上に人を造らず」。福沢諭吉の『学問のすゝめ』で知られる一文。その引用としか考えられないが……。
増加する投資関連のCM
「DMM.com証券のCMですね。第1弾が5月1日から、第2弾が6月1日から放送されています。ローラさんは2013年に同社のCMに初めて起用されて、今回が3度目になります」(広告代理店社員)
同社のCMに出演するのは2年ぶりのこと。ローラは2015年に活動の拠点をロサンゼルスに移している。
「ファッションモデルとして雑誌『ViVi』などで活躍、そして奔放なキャラクターでバラエティー番組に引っ張りだことなりましたが、移住以降、所属事務所との契約に関するトラブルなどもあり、近年はテレビやCMなどの露出は少なくなっていました」(スポーツ紙記者)
円安への不安や、ひいては政治不信、それらに悩む人が増えているのか、現在、投資に関するCMは非常に多い。ウェルスナビ(石原さとみ)、IG証券(池田エライザ、斎藤工)、GMOクリック証券(佐々木希)、さわかみ投信(城島茂、中川翔子、槙野智章、平野レミら)などなど。そしてローラ。
「ローラさんのCMはフィットネスジムが舞台。一つはマシンを使った筋トレ風景、もう一つはエアロビクス的なトレーニング。そこで“天はDMM FXの上に~”というよくわからないセリフをしゃべって終わりというもの。
意味や内容なんて二の次でいい、印象に残せれば、名前を覚えさせれば勝ちというCMはこれまでもありましたが、それにしても意味不明(苦笑)。スタイルの良いローラさんがただ動いていればいいということでしょうか」(前出・広告代理店社員、以下同)
《意味がまったく分からない》
“投資”と検索すると、サジェスト(検索エンジンが検索ワードを提案する機能)に“CM ウザい”と出てくるように、投資系のCMを嫌う人は少なくないようだが、このローラのCMの評判がすこぶる悪い。
《ローラのCM、意味がまったく分からない》
《バカっぽい感じを演出するDMM FXのCMが不快》
《DMM証券のローラのCMが気持ち悪過ぎて嫌い過ぎて絶対にDMM証券にだけは口座作らない》
「テレビを見る人が少なくなっている最近は、タクシーの座席に付いたモニターでCMを目にする人も多い。そこで乗るたびに繰り返し見せられてウザいと思う人も少なくないようです。タクシーの広告は顔認証によって性別や年代別で流れたりするのですが。ただ、久々に見たタレントが意味不明なことをやっているということで悪い印象を抱いてしまうのかもしれませんね」
福沢諭吉の名言は、「とはいえ実際は人には差がある。その差を埋めるため、生まないためには勉強や自分磨きが必要」という旨が続く。ローラ(を起用するDMM)は、意味のわからない演出で福沢先生と同様の努力(勉強や自分磨き=投資)をすすめているのだろうか。