大河ドラマ『光る君へ』毎週日曜夜8時〜(NHK総合)ほか

“平安、似合うんだな。よかった”と、ひとまず安心しました

 大河ドラマ『光る君へ』第15回(4月14日放送)で一条天皇として初登場した塩野瑛久(29)。“イケメン天皇”と大きな反響を呼んだ感想をこう振り返る。

“すごく大事そうな役”

 オーディションで射止めた初大河。その吉報を聞いたときについて尋ねると、予想外のエピソードが。

僕の確認ミスかもしれないんですが、最初はどの役か知らなくて。プロデューサーや監督との顔合わせで一条天皇役だと知り、“すごく大事そうな役じゃないですか!”と反応したのを覚えています(笑)

 政争に巻き込まれながらも妻・定子(高畑充希)を愛し抜く姿にとても魅力を感じるという。

現代劇ならそこまで珍しくないかもしれないけど、平安時代で帝(みかど)という立場ですから。貴重な心の持ち主だったと思います。演じてみると、その理由がいろいろわかってきて。出世や一族の繁栄を考える必要がない分、彼にとっては人柄や心の距離感が何より大事だったんじゃないかな」

一条天皇と定子の無邪気な雪遊びは、のちに『枕草子』の有名な一節『香炉峰(こうろほう)の雪』となる(16回)

 定子は、兄弟(三浦翔平、竜星涼)による不祥事(長徳の変)で内裏を出ることに。

「公卿たちの思惑が渦巻く中、どんどん一条天皇の世界は閉ざされていく。だからこそ、心の支えが定子しかいなくなっていったんだと思います」

 定子への愛は募るばかり。政がおろそかになっていく一条天皇をどう思う?

難しいなぁ。一途(いちず)に思い続ける姿がいいという人もいるだろうけど、僕個人としてはもっと民のことに気を配ってほしい(笑)

 公卿の頂点として一条天皇を支える藤原道長(柄本佑)との仲も、次第にぎくしゃくしてくる。そんな中、道長の長女・彰子(見上愛)の入内(じゅだい)が決まる。

今の定子との関係性だけでなく、これからの彰子との関係性も含めたうえで、一条天皇の人柄が浮き出てくると思います。すごく切なくて、愛(いと)おしい気持ちがどんどん湧いてくる物語になっていくので、ぜひ注目していただきたいです。彰子も、とてもいいですよ

「どうか、兄と弟の罰を軽くしてくださいませ。お情けを」と懇願する定子(20回)

一条天皇と藤原道長

 道長は“政治を意のままに操った”という従来のイメージとは異なる、温和な人物として描かれているのも印象的。

本当にこういう人だったのかもと思わせられる脚本です。実際、道長は一条の好みを熟知しているかのような贈り物をたくさんしたそうです。もちろん、取り入るためと言われればそれまでだけど。

 一条も悪い気はしないだろうし、“実はいいヤツじゃん”とも思ったんじゃないかな(笑)

定子が髪をおろしたことを知った一条天皇は衝撃を受ける(21回)

所作での苦労は?

「公卿は帝に対しての作法がいろいろあるけれど、帝より上の立場はいないので。実は公卿の方々ほど大変ではないんです(笑)。ただ、公卿よりゆっくり時間が流れているような所作は意識しています。

 一条の衣装は白い着流しに、赤い長袴と羽織を着て、1か所ピッと留めるだけ。現代のジャージみたいな感覚です(笑)。(公卿の)みなさんより脱ぎ着は楽なんですが、移動のしやすさでいうとまた別ですね」

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