ドジャースに移籍して初めてのシーズンを迎えている大谷翔平選手。移籍時には約1015億円というスポーツ史上最高額の契約金が話題を呼び、「それだけの活躍ができるのか?」と訝しむ声も上がったが─。今シーズン2度目、日本人最多となる9度目の週間MVPを獲得。また、古巣のエンゼルスとの試合では3試合連続アーチを決め、6月27日現在、25本のホームランでリーグホームラン王争いのトップを独走中だ。
その活躍をニュースのみならず、オンタイムで日本時間の午前中にテレビ観戦しているファンも急増。大谷のワンプレーに一喜一憂しながら、その日が始まるという人も多いのでは!? そんな人気者の“オータニサーン”の魅力をアンケート調査。全国の男女30代~60代の1000人が答えた、彼の「ここが好き」な部分とは?
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まずは6位となった「ファッションセンス」。
もともと、日本でプレーしていたときからファッションには無関心だったという大谷。エンゼルス時代にもチームメートのマイク・トラウト選手に、チームでいちばんファッションセンスがない人として名指しされたことも。
「オタクのようなファッションをしていても、顔がイケメンだからカッコよく見える」(大分県・女性・54歳)
しかしファッションブランドのHUGO BOSSとパートナーシップ契約をし、モデルとして広告に登場もしている。また、真美子夫人というパートナーの影響もあるのか、センスも磨かれてきているというので、この部門の“伸びしろ”はこれからも期待できるかも。
結婚発表の影響も?
5位に入ったのは「顔やスタイルといった外見」。
「背が高くて身体が大きいけど、笑うと可愛いというギャップ」(広島県・女性・57歳)
「イケメンでお金を持っているところ」(鹿児島県・女性・32歳)
「見た目もカッコいいですが、人の良さがカッコよさ以上ににじみ出ています」(東京都・女性・61歳)
「抜群のイケメンだけど、それを鼻にかけることなく頑張っている姿に惹かれます」(広島県・女性・41歳)
193cmの長身に甘いマスク─。そりゃ魅力的なのは当たり前ですよね、とファンを中心に票が集まった。彼にそんな“思い”を寄せていた女性たちを奈落の底に突き落としたのが、今年の2月29日の電撃結婚発表。SNSでは大谷の名前がトレンド入りし、その中には「大谷ロス」もランクインした。もし大谷が既婚でなかったなら「外見」について女性票が伸びて、もっとランキングも上がったのかも!?
内面にも称賛の声
そして3位には「生き方」がランクイン。
「いくら野球が好きだといっても、生活のすべてを野球に注ぎ込んで努力していることはすごいと思う」(神奈川県・男性・45歳)
「幼いころから計画を立て、それを着実に実行してきたこと。努力を怠らなかったこと」(北海道・女性・63歳)
「仕事だけど、野球を楽しんでいることが伝わってくるし、お金にあまり執着していないところが素晴らしいと思う」(岐阜県・女性・44歳)
「謙虚で礼儀正しく、ゴミ拾いを当たり前のように行っていること」(兵庫県・男性・68歳)
「自分の目標のために自ら厳しい姿勢を貫いていく強固な意志」(滋賀県・女性・37歳)
「大金持ちになったはずだけど、給料口座にまったくアクセスしていなかったとニュースで見ました。野球という好きなことだけに集中していく生き方が素晴らしいと思います」(大阪府・男性・66歳)
彼の言葉で「できるかできないかよりも、誰もやらないことをやってみたい、それが自分のモチベーションになっている」というものがある。アンケートの答えにもあるように、自分の目標に対して努力を怠らないという「生き方」に惹かれる人が多いのは、理想の生き方としての憧れがあるのかも。
2位には「人間性」というキーワードが。
「努力していることを表に出さないし、子どもたちのために学校にグローブを贈ったりする人柄に惹かれます」(栃木県・男性・62歳)
「謙虚で誠実なところが魅力的です。好きなことを愚直に探求する姿勢は、尊敬に値します」(青森県・女性・62歳)
「哲学的なスマートさが感じられる。超一流プレーヤーであり、人格者。インタビューの受け答えにも彼の人間性が表れていると思います」(大阪府・女性・51歳)
「高い能力を持つ上に、謙虚さを失わない人に見えるから」(神奈川県・女性・51歳)
「話し方など表現の方法に嫌みがない。表情や微笑むタイミングだったり、周りをすべて味方にしてしまう感じがする」(東京都・女性・50歳)
試合中に自分の打った球が地面で跳ね、主審に当たったとき、気遣うように声をかけた大谷。この主審とのやりとりについてSNSでは《なんだこの優しい世界》《ただの聖人か》といった反響が上がった。そんな彼のちょっとした行動に、大谷と会ったことのない人でも、その人間性を感じてしまうのだろう。
堂々の1位と国民的人気の証
そして、やはりというか当然の1位は「野球選手としてのスキル」。
「世界に誇れる日本の野球選手」(埼玉県・女性・60歳)
「野球ファンではなかったけど、昨年のWBCの彼の活躍に感動したから」(新潟県・女性・57歳)
「みんなが無理だと言っていた二刀流で結果を出したこと。それも日本だけではなくメジャーでというのがすごい」(東京都・男性・51歳)
「大リーグでこれだけの結果を出し続けているのは日本の誇り」(大阪府・女性・69歳)
「日本野球の限界を突破してくれた。そのための野球との向き合い方も素晴らしい」(青森県・男性・63歳)
‘23年には‘21年に続いて、大リーグ史上初めてとなる満票で2回目のMVPを獲得し、日本人初のホームラン王にも輝いた。二刀流としては‘22年にベーブ・ルース以来104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」を記録─。他にも数々の記録を打ち立て続けている大谷に、「野球選手としてのスキル」以外の1位はないだろう。
ここで気になるのが、今回のアンケートで65票が集まった「その他」という項目。
「野球に興味がない」
という声のほかに、
「彼が嫌いというわけではないが、みんなが彼を好きという前提で話を進められるのがイヤ」
という、いわゆる“大谷ハラスメント”を訴える声も……。しかし1000人中、65人しか大谷について興味がない、ということは、国民的な人気を誇っていることの証しかもしれない。
今シーズン、そして二刀流が復活するであろう来シーズンの活躍によっては、「その他」が限りなく“ゼロ”に近くなるのかも─。
取材・文/蒔田 稔