秋元康がプロデュースを手がけ、瀬戸内を拠点に活動するアイドルグループ・STU48。2017年に同グループに加入し、選抜メンバーにも選ばれた石田みなみは、今年2月に卒業を発表。4月6日に行った卒業公演で、約7年間のアイドル活動に幕を下ろした。
そんな石田は卒業公演の翌日、新事務所への所属を発表。5月にはソロファンクラブが始動し、6月1日にはソロ転向後、初となるファンクラブイベント『I Love Mee 〜石田みなみの〇〇部 Vol.1〜』を開催した。今後は芝居、朗読、声優など幅広い分野へ挑戦していく彼女の新たな船出イベントに密着しました!
緊張をファンに「救ってもらいました」
――初イベントお疲れ様でした。当日を迎えるまでの心境は?
「グループを卒業してから2か月間はステージに立っていなかったんですけど、アイドル時代にはそんな経験がなかったし、今回はラジオ番組風に“放送部”と銘打ったトーク1本のイベントだったこともあって、“腕がなまってるんじゃないか”“何を言われてもうまく返せないんじゃないか”と不安でした。でも、ファンの方たちと交流できるファンクラブのトーク機能が、自分の中ですごく気持ちの落ち着く場所になりました。私が“緊張する”って投稿したら“大丈夫だよ”って返してくれて、リアルタイムで交流できるんです。ファンクラブのイベントに向けて緊張していたのを、ファンクラブのトーク機能でみなさんにそのまま救ってもらっていました(笑)」
――初のイベントで特に意識していたことは?
「“公開ラジオ風”とは言っても、トークを見ているだけでは壁を感じてしまうかなと思ったので、いわゆる“参加型”で楽しめるよう、みなさんとどういう形で交流しようかという部分を特に考えました。ラジオ番組のようにメールを事前に募集すれば、“自分のメールが読まれるかな”ってわくわくしてもらえるだろうし、壁も少し取り除けるかなって。みなさんのメールをもとにトークするコーナーはとても楽しかったです」
――コーナーが進むにつれて、だんだんと緊張がほぐれていくように見えました。
「ファンの方とトークするとき、みなさん私のいじり方をわかってくださってるから、やっていくにつれて自分のやり方がはまった感じがしました。ファンの方に“緊張する”って言ったときに、“みーちゃんが好きな人しかいないから大丈夫だよ”という言葉をかけていただいて。イベントを進めていくうちに、“本当に私のこと好きな人しかいないから、何をやってもいいんだ”って、いい意味で吹っ切れました! でも、ツッコんでいるうちについ、だんだん口が悪くなっちゃうんですよ〜それは“やってしまった……と反省しています(笑)」
「諦め切れない」引退の意思を撤回
――終盤のトークでは、もともとソロでは活動を続けないつもりだったという話も。芸能活動の継続に至った経緯は?
「卒業の意思を関係者の方たちに伝えた際、今後どうしますかと聞かれ、私は“地元の兵庫に帰ります”って言っていたんです。同じく卒業する子でも、ソロとして新しい道に進みたい子には、次に所属する事務所の紹介やお仕事の提案をしていただけるんですけど、私はそれに対しても“大丈夫です。もう続けません”ってはっきり答えていました。でも、卒業を発表した1か月後くらいに、ラジオやナレーションなど、もともと志していた声のお仕事への憧れが再燃して。それまで考えていたのは、そういう夢を“諦めよう”という形での引退だったんですが、同じタイミングで卒業するメンバーの中で芸能活動を続ける子たちの考え方や意見を聞いたときに、自分もやっぱり諦め切れないなと。
そうは言っても、その時点で卒業公演がもう1か月先に迫っているタイミングだったので、“続けない”と伝えてしまっていた以上、そこから動いても間に合うのかと不安でしたし、当時の事務所の方にも“こんなギリギリは厳しいよ”とは言われていました。それでも“頑張ります、お願いします!”と伝えたら、先に卒業を発表していた冲侑果ちゃんが所属している今の事務所に“話を1回聞いてみる”という流れになり、いざ事務所の方たちにお会いしたらすごく親切にしてくださって、今この縁が繋がってるので、本当に感謝しています」
――グループ活動時代との違いは感じている?
「STUにいたころは、仕事の結果が良くても失敗しても、所属している以上は“グループの仕事”として呼んでいただけることが多かったりして。もちろんそれは良い部分でもあると思うし、失敗しないようみんなで最善は尽くすんですけど、1人でやっていくとなると、グループのときも全力でやっていたのは変わりませんが、さらに“ちゃんとしなきゃな”って身が引き締まります。自分の言動が未来に直結すると思うので、より覚悟と責任を感じます」
――今後はどんなイベントをやっていきたい?
「ファンクラブイベント『I Love Mee 〜石田みなみの〇〇部〜』は、毎回“〇〇”の部分が変わるんです。今回は“放送部”で、トークでは話の流れでファンの方たちに私の料理の腕をいじられましたけど(笑)、“料理部”にすれば、教えてくれるプロの先生を呼んで……とかもできるかも! あと、私はアニメが大好きで、今回のイベントでも最後にアニメソングを歌わせていただきました。私が好きなアニメの話をとことんするだけの“アニメ研究部”なんかもできたら楽しそうだなと思います!」
声優からもらった言葉
――7月3日からは舞台『少年秘密倶楽部[壱]〜箱庭の自由〜』に出演。ズバリ、芸能活動での“夢”は?
「昔から声優さんに憧れていて、ラジオやナレーションなども含めた“声”に関するお仕事は変わらず目標です。グループ時代に、朗読劇などで声優さんとお仕事させていただく機会があったのですが、当時は実力や経験値の差をまじまじと感じて、“私には無理だ……”と思ったこともありました。でも、あるとき声優さんに“今から始めても遅くないよ”“〇〇さんは何歳ときに始めたけど、今こんなに実力が伸びている”って、実際のケースを交えた話で“諦めるのはもったいない”と言っていただいて、挑戦したい気持ちを取り戻しました。自分はまだまだ経験が足りないし、声のお仕事は“声”で表現する以上、いろんな演技のパターンを持っておかないと務まらないと思うので、今はとにかくいろんなお仕事に挑戦して、最終的には培った経験を声のお仕事に活かしていけたらと考えています」
――私生活面で、マイブームになっていることは?
「イベントではファンのみなさんにいじられたんですけど、実は私の中では料理が大成長してて! 今までは、麻婆豆腐が食べたいってなったら“じゃあコンビニで買おう”とか、出前しようとか、なんでも完成品に手を伸ばしていたんです。でも、最近は“カルボナーラ食べたい。じゃあ作ろう、スーパー行こう”って、自然とそう考えるようになったんですよ! とはいえ、パスタはカルボナーラとかの“素”を使っているので、作っているとは言えないかもしれないんですけど(笑)。でも、だんだんレベルを上げていこうと思ってるので、温かい目で見てください!」
――ファンの方に、改めてメッセージを!
「STUの卒業公演のとき、ファンのみなさんに“無謀な夢に挑戦したい”と伝えたんですけど、無謀だとしてもそれは大きな“夢”であることには変わりなくて。1人で挑戦するには大きい夢なので、ファンのみなさんのお力と支え、それに“愛”が必要だなと思っています。グループ時代は週に1回お話ができる場や会える機会があったり、配信は毎日できていたので、そのころに比べるとどうしても距離は感じるかもしれないけど、私の根っこの部分はまったく変わっていません。“ファンのみなさんを幸せにする”というのが、私の芸能人生の最大の目標で、それも変わりません。幸せにするので、ぜひ一緒に歩いていきましょう! プロポーズみたいになっちゃった(笑)」