ギリシャ訪問は結婚前最後の海外訪問になるのだろうか(写真は6月1日)

「佳子さまとのご結婚は100%ない?」

 7月上旬の炎天下、記者の問いかけに足を止めて、「はい」と神妙な面持ちで答えたのは島津家の御曹司で、佳子さまのお相手候補として注目を浴びている男性だ。

佳子さまの結婚相手としてふさわしい男性

小室夫妻の結婚問題が皇族の結婚のハードルを上げることに(写真は'21年11月)

「4月に旧華族の親睦団体『霞会館』で、島津家の私的な会合が行われました。そこへ佳子さまがご両親とお忍びで出席されたことで、件の男性がお相手候補として急浮上したのです。男性は皇室とも縁の深い旧華族である島津家の分家にあたる『玉里島津家』のご子息で、年齢は佳子さまの1つ上。結婚相手として、ふさわしい家柄と年齢に加えて、佳子さまと同じ時期に学習院に通っていたこともあり、“最有力候補では”と取り沙汰されています」(皇室ジャーナリスト)

 今年の12月に30歳を迎えられることもあり、結婚秒読みといわれる佳子さまだが、ここにきて“御曹司”との結婚の線が潰えたようだ。

「急に取り沙汰されて驚いている?」

 との記者の質問に、

「はい、ちょっとよくわからなくて困っています」

 と、男性は苦笑いを見せながらも、丁寧な口調だった。

 今回の島津家に関する一連の報道について、元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんはこう振り返る。

「お相手候補といっても、週刊誌が旧宮家や旧華族家の中から結婚適齢期の男性をピックアップしているだけだと思っています。大学を卒業されると、新しい出会いは少なくなります。そんな中、お相手候補として報道される可能性がある人は、佳子内親王殿下がお出ましになる場への出席を避ける可能性もあります。自然な出会いからお互い惹かれあって結婚となればいいのですが、その機会を潰されていては、ご結婚は難しくなるでしょう」

 そうした意味で、過去に報じられた男性と結ばれる可能性もあったのかもしれない。

お相手候補の遍歴

「佳子さまは'17年から約9か月間、イギリスのリーズ大学に留学されており、その間に出会った3歳下の爽やか系イケメンとの交際が噂されました。男性は現在、資本金約7億円の会社で代表取締役を務めており、佳子さまのお相手として申し分ないかと思われたのですが……」(前出・皇室ジャーナリスト、以下同)

 '21年、週刊女性記者がこの男性に取材をして、交際についても聞いてみると、「そういった事実はありません」と、よどみのない返答があった。

 その後、'22年には、新たなお相手候補が急浮上した。

「学習院初等科時代の同級生で、現在は歯科医師の男性です。佳子さまが男性の働く実家兼デンタルクリニックにお忍びで通われていたことで、おふたりの交際が取り沙汰されるようになりました」

 しかし─。

「まったく事実じゃない。この一件で迷惑してるんだよ」

 7月4日、噂された歯科医師の父親が本誌の取材に応じ、交際を強く否定した。

 難航する佳子さまのご結婚だが、島津家の御曹司が「結婚は100%ない」と断言したウラ側には“積年の確執”が関係しているという。

冗談を交えながら漏らした本音

「今回お相手候補として取り上げられた男性の親戚は、一連の報道をご覧になって、冗談を交えながらも“佳子さまとの結婚はない”と漏らしているそうです。島津家と皇室は霞会館などの会合を通じて古くから交流があったものの、皇室の方々と特に親密な関係を保っていたのは、あくまで本家の方々だったそう。噂された男性は分家のご子息ですから、急に白羽の矢が立ったことに“年頃の男子がいるからと、今さら注目されても……”と、違和感を覚える親族もいたようです」(前出・皇室ジャーナリスト)

 多くの一般人が皇族との結婚に尻込みしてしまう理由について、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授はこう分析する。

「ご結婚を経て、長い伝統や多くの慣習がある皇室と縁戚になることは、一般人として生活してきた人にとって、大きなストレスになります。皇族と姻戚関係になることで、本人やお相手の家族も、言動の制約を受けることになり、一般人としての自由が限られることでしょう。戦前であれば皇室と姻戚になることは名誉でしたが、今は名誉よりも“市民としての自由の制約”のデメリットのほうが強く意識されます。世間のこうした認識は、愛子さまや悠仁さまのご結婚の際にも大きな障壁となることでしょう」

 とはいえ、お相手は誰でもいいというわけにもいかないようだ。小田部名誉教授は“理想のお相手像”について次のように語る。

「佳子さまは、皇室という格式の高い環境ゆえに生じる制約から、自由になりたいというお気持ちを強く持っておられるように感じます。そんな佳子さまのお気持ちを理解し、守っていくことができる方が理想です。さらに、そうした佳子さまのお気持ちをお相手の家族も理解し、協力する必要があります」

 また、ある宮内庁関係者は次のような理想像を語る。

「皇室や皇族に理解のある人が望ましいと思います。加えて、国民の“最大公約数”的な価値観と近い価値観を持っている人が好ましいでしょう」

 その背景には、姉の子さんの結婚騒動が起因している。

「子さんと小室圭さんの結婚は、大きな波紋を呼びました。婚約期間中に圭さんの母である佳代さんの金銭トラブルが発覚したものの、秋篠宮ご夫妻や国民が納得できる説明が小室さんサイドからないまま、'21年にふたりは結婚し、逃げるように渡米。そうした彼の行動や態度は、多くの国民が持っている価値観と違ったからこそ、ふたりの結婚をなかなか受け入れられなかったのだと思います。ですから、国民と近い価値観を持っているということは、長い目で見て、とても大切なのです」(同・宮内庁関係者)

 多くの国民が待ちわびる、佳子さまのご結婚だが、しがらみは絶えない。

山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている
小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数