《シリコン、入ってない!》
2017年に放送されたドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)で小泉今日子(58)が満島ひかり(38)と共演した際、満島の鼻を触り小泉が冒頭の言葉を発したことがラジオ番組で明かされた。
この番組は満島がパーソナリティーを務め、6月23日に小泉がゲストで出演したときに2人の出会いを振り返る中での発言だった。
《デリカシーが無さすぎる》
7年前の言動とはいえ、SNS上では小泉に対して、
《失礼すぎる》
《デリカシーが無さすぎる》
など、非難が殺到。満島自身はこんなことまでしてくる距離感が心地いい、とポジティブに捉えているのだが、世間はそうは思っていないようだ。
「この騒動には2つの側面がある」
と話すのは、芸能評論家の宝泉薫氏。
「1つは、人との距離感が近すぎないことをよしとする風潮になってきたこと。昔なら、人の特徴をイジるというか、ある種のスキンシップをみんながやっていました。それが今ではセクハラやパワハラという言葉で“いけないこと”と認識されるようになりました。今は物理的にも精神的にも、パーソナルエリアを大切にするのが当たり前の世の中ですよね」(宝泉氏、以下同)
確かに“昭和の常識は令和の非常識”というくらいに、人との付き合い方などは変わってきている。そして2つ目の側面を、小泉自身の問題として宝泉氏はこう続ける。
「同時代のアイドルで、松田聖子さんや中森明菜さんがいますが、彼女たちにはファンのほかにアンチもかなりの数、存在しました。でも当時、小泉さんには、ほとんどアンチがいなかったんです。スタッフに有能な人がいたんでしょう。彼女の行動や言動が、常に時代の最先端をいくような売り方をしていました。
僕の中で彼女は、アイドルとしての主戦場が歌や演技ではなく、CMだった人という認識です。“キョンキョンがCMに出れば売り上げが2割アップ”なんてことも言われた時代でしたから。昔は常に時代が自分の味方をしてくれていたけど、残念ながら今は違う。そこの感覚が昔のままなんでしょう」
“歯に衣着せぬキャラ”
確かに、以前より小泉の露出が減っていることは否定できない。全盛期を知らない若い世代からすれば、今のコンプラに当てはめて「なんてことをしている」と思うのだろう。
「小泉さん本人は、自分の裏表のない態度に周囲が合わせてくれるという感覚が残っているのでしょう。だから今回、SNSで叩かれていること自体“何が悪いの?”と思っているのでは(笑)」
会社の飲み会で、女性にお酌をさせるのが当然、と思っているオジサンと同じ感覚、としつつ宝泉氏は、
「本人は加賀まりこさんのような、“歯に衣着せぬキャラ”になれているつもりかもしれません。でも“器”が違いますよね。加賀さんなら今回の発言も直接的な言葉でなく“あなた、キレイな鼻をしているわね”などとオブラートに包みながらも、聞いている人に整形を連想させるような話し方をしたでしょう」
自然体と奔放さで、時代と寄り添ってきた小泉だが、“昭和のオバさん”と言われる前に、時代に迎合する時がきたのかもしれない─。