ポメラニアンとアラスカンマラミュートをかけ合わせた子犬のブリーダー情報(現在は削除済み)

《お金儲けしか考えてない交配すぎて鳥肌立つ》

 こんなつぶやきとともに、埼玉県のペットショップで、体重3キロのポメラニアン(オス)と体重40キロのアラスカンマラミュート(メス)をかけ合わせたミックス犬が売られている写真が「X」に投稿された。

《虐待だろ》

 毛色はシルバーとホワイトで大きな瞳がとても可愛らしい。レアな犬種だからか、価格は税込み65万7800円とかなり高値だ。

 それに対し《虐待だろ》《さすがに体重差がありすぎでは…》とネットでは批判的な意見が。

 体重差がありすぎる交配は問題ないのか。血統書の発行や災害救助犬の育成などを行う国際的愛犬団体である一般社団法人ジャパンケネルクラブによると、

●繁殖が母犬と子犬にとって健康上のリスクにならないか
●妊娠中や出産時に母体に過剰な負担をかけないか
●出産の際に帝王切開のリスクが発生しないか
●生まれた子犬たちが健全に成長するかどうか
●遺伝性疾患の可能性がないか
●繁殖・交配は自然で無理がないか

 などを考慮したうえで、

その後の犬の成長・健康、動物の福祉において、繁殖者自身が全責任を負える覚悟がなければ意図的にミックス犬をつくり出すべきではないと考えます。命を扱うという倫理観からも、長期的な計画がなく、人為的に無理な交配をさせることは厳に慎むべきと考えます

 とのことだった。

炎上したペットショップのその後

 日本獣医師会動物福祉愛護職域担当理事佐伯潤先生にも聞いてみたところ、

体格差からして自然に交尾することは難しいと思われ、人為的に交配させているのでしょう。興味を持つ人がいて売れそうだからという理由での交配は生き物に対して倫理的な問題があります。犬はバッグや車ではありませんから、他の人が持っていないものを持ちたいという動機はどうかと思います」

 今回のケースはメスのほうが大きいため、帝王切開などの妊娠上のリスクは問題がなくても、倫理的な問題はあるということだった。

 体重差がありすぎる交配で生まれた子どもだけでなく孫の世代が繁殖する際に、小型犬のメスに隔世遺伝によって大型犬の胎児が宿るリスクがあるのではないかとネット上で指摘する声もあったが、

「可能性はあり得るかもしれませんが、科学的にはわかってはいません」(佐伯先生)

 冒頭のペットショップの責任者は『週刊女性』の取材に、

「今回、各所からご指摘があり、ご意見を真摯に受け止めて今後はこういったミックス犬の取り扱いはしないことになりました」

 と答えた。

ポメラニアンとアラスカンマラミュートをかけ合わせた子犬のブリーダー情報(現在は削除済み)

 前述のポメラニアンとアラスカンマラミュートのミックス犬は、家族(飼い主)が決まったとのことだ。

 需要があるから売られるというのは事実。法律上は「物」とされるペットだが、かけがえのない命ということを忘れてはならない。