左から、道枝駿佑、山下智久、相葉雅紀、櫻井翔

 各テレビ局で、7月期のドラマが始まっている。そんな中、出演キャストとして存在感を見せているのは、旧ジャニーズ事務所に所属していた面々。しかし中には、「どうしてこの人がキャストに選ばれたの?」と視聴者に言われてしまう人も。そこで、全国30代~50代の男女500人を対象に『あなたが“残念”と思う元ジャニーズは?』を調査。テレビウォッチャーで漫画家の、カトリーヌあやこさんと共に、調査結果を見ていこう。

国民的スターや独立組もランクイン

 まず5位に入ったのは、道枝駿佑(21)。

「演技が不自然。キャラクターとイメージが不一致」(神奈川県・男性・58歳)

 手厳しい声が届いたが、

「おそらく、この方が思っているキャラクターというのは金田一少年シリーズのことでしょう。歴代の金田一少年を旧ジャニーズの先輩たちが演じていて、中でも堂本剛さんの人気がダントツでした。それと比べてしまうと……。

 私としては、道枝さんが目黒蓮さんと共演していた『消えた初恋』(テレビ朝日系)はめちゃくちゃ良かった。こちらも漫画が原作ですが、彼の場合は少女漫画が原作のほうが合っていると思います」(カトリーヌさん)

 続く4位は、山下智久(39)。2020年に世界を目指して事務所から独立した山下だが、

「演技が単調、感情の機微がまったくない」(大阪府・男性・50歳)

 と、身もふたもないコメントが……。カトリーヌさんは、

「もともと言葉が少なく、非常にテンションが低い、天才型のような役が多いんですよね。ただ、『正直不動産』(NHK)で演じた“ウソをつけない営業マン”のような役は、これまでの役とは違うコミカルさが出ていました。固定されたイメージがあるかもしれないけれど、なるべく幅の広い役柄を演じていけば、こうした声も変わってくるのでは?」

 そして3位に入ったのは櫻井翔(42)。役者、キャスターとして活躍している櫻井だが、

「『笑うマトリョーシカ』での演技が1人だけ浮いて見える」(茨城県・女性・42歳)

 今クールの作品について“残念”な声だが、「おそらく、これまで見たことのない櫻井さんだからでは?」とカトリーヌさん。

「彼はあまりにも完璧すぎるイメージがあって、普通のサラリーマンなどを演じるとリアリティーを感じないんですよ。『笑う~』のちょっと胡散臭い政治家の役が浮いているように見えるのは、逆にそこがドラマの狙いなのではないでしょうか

 2位にランクインしたのは、櫻井と同じ『嵐』のメンバー、相葉雅紀(41)。

「相葉ちゃんは好きだけど、滑舌が悪すぎる」(埼玉県・女性・37歳)

 相葉に関して、彼の声が“残念”というコメントが多数、寄せられた。

「すごく声に特徴があるんですよね。画面を見なくても声が聞こえるだけで、相葉さんだとわかってしまう。あと、どうしても滲み出る人の良さ感(笑)。絶対に悪人役はできないだろう、という雰囲気があるので、役の幅が狭くなりますよね」(カトリーヌさん)

1位は月9常連のアノ人

 そして1位に輝いた(!?)のは、木村拓哉(51)。

「よく言われるように“何をやってもキムタク”。カッコつけて不機嫌、ぶっきらぼう感を出す演技ばかり」(東京都・女性・49歳)

 本人が聞いたら寝込こんでしまうのでは、とカトリーヌさんが苦笑いするほどの厳しいコメントが集まった。

「普通の人の役をやるのが遅かったのでは、と思います。検事や、パイロット、レーサーやアイスホッケーの選手。職業ガチャじゃないけれど、“カッコいい木村拓哉”をやりすぎてしまったのかな。制作サイドの罪もあると思うけど最近は“どん底から立ち上がるオレ”という同じ役ばかりですね。

 でも唯一、『教場』(フジテレビ系)で演じた風間公親は“正解”だったと思います。あれは木村拓哉が持っているもの、すべてを否定するというか、制御された役柄。彼自身を封印した役のほうがいいのかなと思います」(カトリーヌさん)

木村拓哉

 賛否両論があった旧ジャニーズのタレントたち。カトリーヌさんは「ある程度は仕方のないこと」と、こう続ける。

「アイドルの宿命だと思いますが、本人のキャラクターが強いと、演じている役が本人に引っ張られてしまう。持っている“華”を隠せない。旧ジャニーズの人でも演技派といわれる人たちは、多彩な役柄を自然に演じている印象があります。これからは自分のイメージを維持しながら、ファンが思いもしない新しい顔を見せられるか、ということが大切になってくるのかなと思います」


取材・文/蒔田 稔