全身のさまざまな病気と関係している口腔内の健康。 健康長寿のためにも歯のケアは大事だ。ただ、「どの歯医者が いいのかよくわからない」、「健診で行ったところに そのまま通っている」という人もいるのでは。そこで、患者さんに寄り添った施術で話題の宇宙歯科クリニック・廣神崇史院長に歯科医院の選び方などについてお話を聞いた。
コンビニの数より多いと言われる歯科医院。どうやって選ぶといいのだろうか。
「歯科治療は1回行って終わりということはほとんどなく、ある程度の期間、通院することになります。そのため、自宅や職場の近くなど、通いやすい場所にあることが大事ですし、複数回通っても嫌にならないような、清潔感や衛生管理も重要です。歯科医と話しやすいかどうかも選ぶコツのひとつだと思います」(廣神先生、以下同)
治療技術についてはどうだろう?
「はい、それもとても大事だと思います。ただ、一般の人は歯科医の技術の高さはなかなかわからないと思います。そういうときにヒントになるのが、各ジャンルの専門家がいるかどうかです」
専門の歯医者さんがいるかどうか、ということ?
「はい、ひと口に歯科治療といってもジャンルは多岐にわたります。歯が抜けた人に行うインプラント治療と、細菌が起こす歯周病治療では専門性が異なりますし、そのどちらの治療でも麻酔を行うことがありますが、麻酔は麻酔で専門的な技術を要します。そういった各ジャンルの専門家が在籍している歯科医院は、治療技術が比較的高いといっていいと思います」
例えば、廣神先生の歯科医院は?
「私のところは2023年に開業した新しいクリニックで、30歳代のスタッフがメインですが、スペシャリストたちが集まっています。歯科麻酔は、深見隼人先生という歯科麻酔学会認定医が在籍していまして、全身麻酔や静脈内鎮静法を用いて多様な疾患に対応しています。歯周病は、大学病院に所属していた高柳雅文先生が患者さんに合わせたオーダーメードの治療を提供しています。そのほか、何度も歯根の治療をしている人におすすめの根管治療に関しては平沼貴大先生、矯正治療は武内柚希先生、口腔外科は大出有佳子先生にお願いしています」
各ジャンルの専門家が揃っている歯科医院はやはり安心だ。歯とは長いつきあいになるので慎重に選びたい。
インプラント治療でチェックしたい4つの特徴
1. 各専門医による診察・診断
全症例に対し、<各専門医>が集まり診査・診断を行うような体制が整っているとベスト。インプラント専門医の他、歯周病、麻酔、根管治療の専門医が在籍しているとより安心。
2. インプラントガイドの使用
〈インプラントガイド〉は、インプラント手術用のマウスピース型装置になり、使用することで埋入する位置や深さ、角度のズレをほぼなくすことができる。
3. 静脈内鎮静法
〈静脈内鎮静法〉は鎮静薬を静脈に点滴し、半分眠っているような状態をつくる。完全に意識がなくなるわけではないので医師の呼びかけに応じながら治療が受けられる。
4. アフターフォロー
術後もインプラントを長く使えるように定期的なアフターフォローが大切。10年間の保証制度があるところを選びたい。
教えてくれた人は…宇宙歯科クリニック・廣神崇史院長
日本歯科大学生命歯学部卒業、大学病院で研修医を務めた後、開業医で勤務しながら、アメリカやドイツのインプラント研修で研鑽を重ねる。ベトナムでインプラントにおけるボランティア活動を通して社会貢献。訪問歯科にも携わる。