うどん専門チェーン店の丸亀製麺の新製品「丸亀うどーなつ」が話題だ。うどんがスイーツになったという意外性はもちろん、そのおいしさもSNSを中心に広がり、発売後6日間で100万食を突破したという。
丸亀製麺のうどんを原材料で揚げられたドーナツ
丸亀製麺のうどんを原材料とし、隠し味に白だしを使用した一口サイズの揚げ菓子で、店内で揚げられ、袋に入って販売されている。食べ方は、店内に用意されている「きび糖」か「カレーパウダー」を袋に入れ、シェイクしてからつまむのが基本だ。
丸亀製麺PR事務局によると、
「もっちもちでおいしかった!」
「おやつ感覚で食べられ、値段も5個入りで300円は安い」
「自分でパウダーを入れてシャカシャカするから楽しいしおいしい!」
「食感がよく、きび糖味もやみつきカレー味もどちらもおいしい」といった声が届いているそうで、
「販売当日には多くの店舗で、一時的な欠品や売り切れになるなどの現象がございました。今後も継続して販売していく予定です」(丸亀製麺PR事務局)とのこと。物価高と円安が続く昨今、上手に揚げられたドーナツのようにカラッと明るい話題といえそうだ。
うどんがドーナツになるという、日本のソウルフードが華麗なる転身を遂げたわけだが、ドーナツの本場といえばアメリカ。同国出身者はどう思うのか……。
ということで、アメリカ出身の方に試食をお願いした。
アメリカ出身の通訳家が食レポ
今回食レポをしてくれたのは、文化通訳家のネルソン・バビンコイさん。米津玄師、SEKAI NO OWARIなど、数多くの日本のアーティストに英語歌詞の提供をしつつ、自身もアーティストとして活動している。
「日本の好きな食べ物は……カツカレーですね。子どもなんで(笑)」と謙遜するものの、「日本の食べ物でどれがおいしい、というより、この地方で採れた食材をこう調理した料理に、こんなお酒を合わせる……といった、食の豊かさを味わうのが何より好きです」と、日本の食文化にも精通しているようす。
「アメリカのドーナツは、いわゆる穴が空いたものだけではなくて、ツイストしているものとか、チュロスみたいに細長いものとか、この(丸亀うどーなつの)ように、小さくて丸いものもあります。
日本の人には、アメリカのドーナツはすごく甘くて、甘くないと許されないようなイメージがあると思いますが、最近は健康志向が高まっているから、そこまで甘くないんじゃないでしょうか(笑)」(ネルソンさん、以下同)
丸亀うどーなつを手に取ると、
「パウダーをかけて、袋を振ってから食べる、というのは結構斬新ですね。日本ではふりかけ文化があるから普通に慣れ親しんでいるかもしれませんが、アメリカ人にはかなり珍しいでしょう。でも楽しい。そこから面白いですね」さっそく実食していただいた。
「モチモチ?いや、しっかり弾力もあり、マシュマロのようです。アメリカ人にとってドーナツとしては珍しい食感でしょうが、マシュマロっぽいから、みんな大好きになると思います。
このパウダー(きび糖味)もとても美味しいですね。砂糖の甘みが、ドーナツ本体の控えめな甘みとよく合って、生地のおいしさを引き出していると思います。
こちらのカレー味のパウダーをかけたほうもGoo!いいですね。カレーパンよりもあっさりしているカレー味のパンというか。アメリカにはないタイプですが、セイボリー(塩味の間食、スナック)として、ちょっとお腹がすいたときなどにいい仕事をしてくれると思います。
このドーナツはおそらく、パウダーをふりかけないで食べてもとてもおいしいはずです。今回はあえてふりかけてしまったけれども、プレーンの状態でも楽しみたいですね」
次の商品にも期待をしています!
丸亀うどーなつをとても気に入ったようすのネルソンさんは、こうも続ける。
「今度はチーズ味や、ガーリックが効いたパウダーが出てきてくれると嬉しい。日本の人は、うどんを知っているからうどんがドーナツになったことにとても衝撃を受けたのでしょうけど、アメリカではそこまでうどんが知られているわけではないから、アメリカ人が日本に来て、このドーナツを食べたら『日本においしいドーナツの仲間がある!』と思うような気がします。
むしろ、アメリカ人の旅行客が『日本人が普通に食べているような日本食を食べてみたい』と丸亀製麺さんに来て、初めてうどんを食べてその美味しさに目覚めてもらい、一緒に丸亀うどーなつを食べて、『こんなおいしいスイーツがあるんだ』と思ってくれたらおもしろいですよね」
また、こんな提案も。
「日本の食が伝統を守り続けているところはとてもいいことだとは思うのですが、チャレンジをすると、うどんがドーナツになるようなすごい発明も出てくる。もっとチャレンジをしてほしいな、とも思います。丸亀製麺さんには、次の商品にも期待をしています!」
うどんからできたドーナツが、OHTANI−SANのように、アメリカを驚かせる日が来るかも!?
(取材・文/木原みぎわ)