今期(7月期)も、旧ジャニーズこと『STARTO ENTERTAINMENT』のタレントが出演するドラマが目白押しだ。
注目どころは、フジテレビの“月9”枠で放送されている『海のはじまり』で、こちらはSnow Manの目黒蓮が主演。同グループからは『マウンテンドクター』(フジテレビ系 月曜午後10時)に向井康二、『GO HOME~警視庁身元不明人相談室』(日本テレビ系 土曜午後9時)に阿部亮平、『青島くんはいじわる』(テレビ朝日系 土曜午後11時)に渡辺翔太が出演しており、ドラマ出演ラッシュが起きている。
また、Hey! Say! JUMPの山田涼介は『ビリオン×スクール』(フジテレビ系 金曜午後9時)で主演。嵐の櫻井翔は『笑うマトリョーシカ』(TBS系 金曜午後10時)、Six TONESの松村北斗は『西園寺さんは家事をしない』(TBS系 火曜午後10時)に出演し、今年3月にSexy Zone(現・timelesz)を卒業した中島健人は『しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~』(テレビ東京 金曜午後8時)で主演を果たしている。
“性加害問題”の影響は
4月期は“辞めジャニ”を除くと旧ジャニーズタレントのドラマ出演は4人だったが、今期は脇役まで含めるとなれば、その数はかなりのもの。“性加害問題”の影響は、ほぼなくなったとみていいだろう。
「『ジャニーズ事務所』は消滅しましたし、引き継いだ『SMILE‐UP』社からタレントはすべて新会社『STARTO ENTERTAINMENT』社に移籍しています。NHKは“被害者に対する補償と再発防止が着実に進んでない場合は起用を見送る”としていましたが、民放は様子見といった状態でした。NHKと同様の対応をとってしまうと、旧ジャニーズのタレントを起用した番組が多い民放は立ち行かなくなるでしょう。
騒動が勃発した当初は、スポンサーも世間の目を気にしてCMなどから旧ジャニーズを排除する動きを見せていましたが、テレビ局には思っていたほどクレームも来ませんでしたから、スポンサーも撤退するところは少なかったですね。ファンはもちろん、タレントに罪はないと思っている人が多かったですし、『ジャニーズ』という名前が消えたことで、彼らの起用をためらう必要がなくなりました」(キー局プロデューサー)
制作陣も「やりやすくなった」
騒動の勃発前から、旧ジャニーズタレントのテレビ出演は目で見てわかるように増え続けていた。特にドラマ出演だが、その理由は明確で、
「視聴率が見込めるからです。昨今はテレビ離れが進んで、ドラマをオンタイムで視聴する人は少なくなりました。今は録画か無料配信動画サービスで見る人が増えています。出演者が誰であろうと、脚本がしっかりしていて面白くなければ、録画でも配信サービスでも見てもらえないのですが、“辞めジャニ”も含めて圧倒的にファンが多い旧ジャニーズタレントが出ているドラマは、オンタイムでも録画でも配信サービスでもよく見られている。彼らを起用することで、視聴率に関して失敗は最小限に抑えることができるわけです」(同・プロデューサー)
そして、ここにきて旧ジャニーズタレントのドラマ出演が増えたことに関しては、もう1つ理由があるという。
「これまでは、キャスティングに早くて半年、タレントによっては1年以上も前にスケジュールを押さえてから、どういうドラマを作るか決めていたケースが多かったです。その後、事務所と折衝するのですが、内容や設定などで折り合わないことが多く、苦労することがしばしばありました。しかし、新事務所になってから、タレント本人の意向を重視しているようで、事務所からごちゃごちゃ言われることがなくなりました。制作側も仕事がやりやすくなりましたよ」(同・プロデューサー)
テレビ業界も、ジャニーズの“呪縛”から解き放たれつつあるようだ――。