奈緒

 公開中の映画『先生の白い嘘』で主演する奈緒が、新境地を見せている。

「同名の漫画が原作で、映画で描かれるのは“男女の性の格差”。奈緒さんは、親友の婚約者からひそかに性行為を強要され続ける難しい役どころを演じています。劇中では、奈緒さんが無理やり犯されたり、過激な暴力を振るわれるなどのインパクトの強いシーンもありました」(映画誌ライター、以下同)

 一方で、奈緒の体当たりの演技よりも注目されたのは、この映画の監督である三木康一郎氏のインタビューだった。

 監督は、この映画を撮影するにあたり、奈緒から“インティマシー・コーディネーター”の起用を提案されたが、“間に人を入れたくない”という理由で断ったことをインタビューで明かしている。

「監督のインタビュー記事は映画公開の前日にネットで配信され、物議を醸しました。インティマシー・コーディネーターは、ドラマや映画の性的なシーンで制作陣と俳優の間に入って円滑な撮影を調整するというのが主な仕事。俳優の心理的負担を軽減する目的もあるので、奈緒さんが起用を申し入れたのは自然なことだと思うのですが……」

 7月5日に行われた舞台挨拶に登壇した奈緒は、「私は大丈夫です」と気丈な姿を見せた。

「自分の意思で出演を決めたこと、権力に屈することなく監督とは対等に話してきたことなどを丁寧に説明していました。一方で、“現場に対して不十分だと思うこともあった”とも明かしていました」

 今回の騒動により、思わぬ方向で注目を浴びてしまった奈緒。今後の活動に影響はあるのか、メディア評論家の衣輪晋一氏に聞いた。

映像業界は依然として性の取り扱いに対して鈍感な部分があることは否めません。奈緒さんが公の場できちんと説明したことは、それを変えていくために意義のあることだったと思います。奈緒さんの対応を受けて、好感を持った人は少なくないでしょう」

恋人への怒りからボクサーへ

“パパ活”と添えて投稿されたゆうたろうとのツーショット(三木康一郎監督のXより)

 奈緒は演技の実力も業界内では高く評価されており、今や映画やドラマで引っぱりだこの俳優に。

「『Kis―My―Ft2』の藤ヶ谷太輔さんとW主演する映画『傲慢と善良』が9月に公開。

 10月クールにTBS系で放送されるドラマでは、主演が内定しています。奈緒さんが演じるのは、役所勤めの女性。Kis―My―Ft2の玉森裕太さん演じるクズな恋人に怒りがたまり、ボクシングを始めるというちょっと変わったストーリーになるそうです」(スポーツ紙記者)

 奈緒が主演する10月期のドラマに関してTBSに問い合わせると、

《制作に関することはお答えしておりません》

 との回答だった。

『先生の白い嘘』では殴られる側だった奈緒。秋には強力なパンチをお見舞いするに違いない。