懸賞で当てたお金でマンションの頭金1500万円を貯めた懸賞達人のガバちゃん。
「高額なものでは100万円相当のプラチナネックレスや、207万円のドイツのジュエリーブランドの指輪。体験系だとカリフォルニアと香港、それぞれのディズニーランド旅行に当たりました」(ガバちゃん、以下同)
やみくもに応募せず狙って当てることも大事
懸賞には、サービスや商品を購入するなど条件のもと応募できる「クローズド懸賞」と、誰でも応募可能な「オープン懸賞」がある。あくまでも個人の感想だとしたうえで、「クローズドのほうがより当たりやすい」と話す。
「競争率は少しでも低いほうがいい。例えば、成人女性や主婦をターゲットにした懸賞の中なら、小さい子どものいるママは飲酒しない人も多いため、アルコールの懸賞は狙い目。ターゲット層の“穴場”を押さえるのも手です」
スーパーに行くと、ガバちゃんはサッカー台周辺での情報収集を欠かさない。
懸賞の応募方法にははがき、インターネット、SNSなどがあるが、スーパーと企業がタイアップした懸賞はいい賞品が多く、特にインターネットから応募するとよく当たると感じているためだ。
一方で、はがきでの応募は全国区展開の懸賞に強い印象があるそう。
主催者の気持ちに応える応募コメントを書こう
懸賞達人たちは、応募はがきを書く際の“ツボ”を心得ている。
「抜きん出るには人とは違う工夫をする必要があります」
周りと差別化できる最大のポイントは「コメント」だ。
「懸賞は広告戦略のひとつなので、当選した賞品を自分ひとりではなく『みんなで楽しみたい』というコメントは、主催者側にとっては引きがあるようです。
また、最近は動画サイトやSNSで動画配信をする人が増えていることから、食事券などは『食事の様子を動画配信します』など書くのもフックになります。
特に動画は若い世代の配信者が多いので、私たちのようなミドル&シニア層が投稿すると目立ってバズりやすい。そこを見込んで当ててくれる可能性も!」
観劇やコンサート、レジャー施設の貸し切りイベントの招待などは日時が指定されていることも多い。一見応募のハードルが上がりそうだが、「逆にうまく活用して」とガバちゃん。
「主催者側からすれば『当選者が本当に参加してくれるのだろうか?』という不安があります。そのため、例えば“その日は必ず行ける”というアピールは有効なのでは。
東京のイベントなら、地方の人は『〇時東京駅着の新幹線に乗ります』とか、平日なら『その日は有休をとります』など書くと、『この人なら確実に来てもらえる』という安心感を与えられると考えています」
さらに、懸賞の展開規模にも注目したい。
「全国区で千人当選の懸賞と、首都圏だけの百人当選の懸賞があったとします。当選人数の多さから前者を選びがちですが、実際は後者のように地域限定のほうが応募者数は絞られるので、当たる確率がぐっと高くなるのです」
LINEのオープンチャットはリアルタイムの情報収集に◎
「当たる人」になるためには、情報収集も重要。
「情報源は懸賞雑誌、スーパーの店頭、新聞のプレゼントコーナーやネットの懸賞まとめサイトなどがありますが、懸賞ファンや懸賞マニア“ケーマー”さんのブログも必見。
フォローするとDMで懸賞情報をくれる方もいます。エリア限定の懸賞情報をいち早くゲットできる可能性も大」
LINEのオープンチャット(友達以外の人ともトークできるサービス)もおすすめ。
「三千人規模が参加する懸賞のオープンチャットがあるのですが、そこでは当選した方が即時に『〇〇に当たりました!』と流してくれます。
ネット懸賞の『インスタントウィン』(その場で当落がわかる懸賞)は、当選情報が出たのと同じ時間帯に応募をすると当たりやすいといわれており、チャンスの瞬間を逃さず応募することができるでしょう。
ちなみに24時以降が当たりやすいという伝説(?)があり、実際に真夜中にオープンチャットが当選報告でにぎわうことも多いです」
さらに耳寄りな情報も。
「この秋からはがきの送料が85円に値上がりするため、はがきで応募する人が激減すると予想されます。応募方法がはがきのみの懸賞はこれまでより当選率が上がるのでは」
今後、狙いたいのは、旅行や食事、エステ、コンサートなど体験系の懸賞と語る。
「長く懸賞生活をやってきましたが、だんだんとモノより自分からはなかなかできない“楽しい体験”を狙いたくなってきて。とはいえモノでも、例えば大谷翔平選手のボブルヘッド人形など、貴重なグッズなら、もちろん欲しいですけどね(笑)」
毎日に張り合いや金銭面のメリットを与えてくれる懸賞。さっそく一攫(いっかく)千金を目指してみてはいかがだろうか。
ガバちゃんが推す!当たりやすい懸賞5選
1.アルコールの懸賞
「主婦層でも特に子育て中のママはお酒を飲まない人の割合が多く、他の飲食物と比べて応募率が低め」
2.スーパーと企業が組んだ懸賞
「『おかげさまで〇周年』など周年キャンペーンでクローズド懸賞をやるときに、いい賞品が出る可能性が高い」
3.コンビニと企業が組んだ懸賞
「ポイントをためて応募する懸賞は、当選が1人1回に限らないことが多い。数百円で1回応募でき、当選確率がUP」
4.夕刊紙などに出るチケット系の懸賞
「応募期間が1週間など短い、コンサートや美術展系は、コメントに必ず行けることを書くと比較的当たりやすい」
5.購入金額が5000円以上のクローズド懸賞
「応募条件の金額が高くなるほど、応募者は少なくなっていきます。特に5000円以上になるとその数は激減します」
達人流の「当てコツ」
・はがき懸賞は“なる早”応募!
・イベントや旅行は必ず行けると書く
・家族などのためといったコメントはポイント高し
・「その場で当たる懸賞」は24時以降に
「ホームセンターにある懸賞はがきが狙い目です」
20歳のころ懸賞に目覚め、インドやベトナム、箱根まで国内外の数々の旅行を当ててきたキャサリンさん。去年は下呂(げろ)温泉の旅館宿泊券を当て、“ケー友(懸賞友達)”であるガバちゃんと一緒に楽しんできたそう。
「クローズドのウェブ懸賞に応募することが多いです。ウェブはひとつのレシートで3~4つの懸賞を一度に応募できたり、効率がいい。とにかくコンスタントに、数を打つのが私のスタイルです。地道な応募で松任谷由実さんのコンサートチケットを当てたことがあって、本当にうれしかったですね」(キャサリンさん、以下同)
そんなキャサリンさんのおすすめは、ホームセンターにある懸賞専用はがきによる応募。
「ホームセンターだと普段よく行くスーパーでは見かけないような企業の懸賞の応募はがきがたくさん置いてあります。特に狙い目はペット関連の懸賞。ペットを飼っている人は年々増えていますが、懸賞への参加率は実はそこまで高くない。下呂温泉もペット系の懸賞で当てたんですよ」
応募専用はがきのいい点は、必要事項が過不足なく書き込めるところ。
「懸賞達人によっては『色ペンで書くといい』という人もいますが、ペンの色よりもとにかく内容を重視。私は黒いペンしか使いませんが、丁寧な読みやすい字で、必要なことをきちんと書くことを徹底しています。
当落に直接関係があるかは未知数ですが、主催者側の手をわずらわせないというのも、大事なのではと思います」
教えてくれた達人……ガバちゃん●懸賞歴35年。日本で唯一の「懸賞ライター」として、懸賞主催者や当選者への取材も多数。近著に『日本一の懸賞達人・ガバちゃんの劇的に当選率がアップする 当たる!テクニック30』(白夜書房)。
取材・文/遊佐信子