1988年生まれの、韓国2大スターが熱い。1人は、今をときめくキム・スヒョン。
最旬韓国2大スター俳優
韓国では知らない人はいないほどの人気者で、6月下旬には来日、ファンミーティングを行った。主演ドラマ『涙の女王』(Netflixで配信中)は空前の大ヒット、今年4月に完結したものの、今も繰り返し見ている人が続出しているという。
《恋愛ドラマかと思いきや、サスペンスあり、コメディーあり、どんどん惹き込まれた》
《スヒョンの演技力だけでなく、ダブル主演のキム・ジウォンも可愛い。夫婦2人のやりとりが胸熱》
《ジェットコースター的なストーリーは折り紙つき。『愛の不時着』と同じ脚本家で放送前から期待していたけど、期待以上だった》
など、視聴者からは感動コメントの嵐で、韓国のテレビチャンネル「tvN」の歴代視聴率1位。『愛の不時着』の視聴率を上回る“ヒョンビン超え”を果たし、多くの人の心をわしづかみにしている。
韓国映画や韓国ドラマを中心に執筆しているライターの佐藤結さんにその魅力を聞くと、スヒョンは「目で追ってしまう俳優」だという答えが。
「デビュー作のドラマ『キムチ・チーズ・スマイル』(2007年)に出ていたころから、気になっていました。主人公の友達という端役で、ぬぼーっとした感じで髪もボサボサな男の子を演じていたのですが、この子大丈夫かな?とちょっと心配になる存在で(笑)。
その後、『ドリームハイ』('11年)に出演して、あっという間にスターに。『星から来たあなた』('13年)で宇宙人の役を演じ、そこで彼の魅力が爆発。スヒョンは本当に“宇宙人”だったんだ、とすんなり納得してしまうほど魅惑的でした」
最新作『涙の女王』は、田舎から出てきた純朴な青年がお金持ちの美女に見そめられて結婚し、さまざまな困難を乗り越えていく役どころ。
「長身で筋骨隆々のスヒョンですが、時折かわいいしぐさを披露するシーンも。アドリブだそうですが、嫌みな感じがなく、多くの女性はそんな彼に心を動かされたと感じます。
いわゆる逆シンデレラストーリーですが、彼のイメージにはピッタリ。たまにバラエティー番組に出るときも、発言が浮世離れしていて、ギャグセンスも独特。世界中どこを探してもワンアンドオンリーな俳優です」(佐藤さん)
最終話では、スヒョンが挿入歌まで披露したが、その歌声にもうっとり。『ドリームハイ』でも歌唱シーンがあり、プロ並みだと評判だ。
『ドリームハイ』“生みの親”ヨン様の結婚式に出席
今から13年前に放送された『ドリームハイ』は、未来のスターを夢見る高校生たちが挫折や葛藤を抱えながらも夢に向かって成長し、友情、恋愛を育んでいく群像劇。
2PMのテギョンとウヨン、T-ARAのウンジョンやIUなど日本でも人気のK-POPアイドルたちが出演し、さらにペ・ヨンジュンとJ.Y.Parkがタッグを組み、プロデュースもしたことで注目された。
スヒョンは、このドラマでの共演を機にヨン様に弟子入りし、俳優としてのスキルを上げたと伝えられている。事務所の先輩でもあるヨン様を慕い、「優しくて思いやりがあるし、僕の顔色がすぐれないとサプリをくれたりする、まるでお母さんのような方」と当時、語っていたほど。そんな『ドリームハイ』の続編からもう1人のスター俳優、パク・ソジュンが生まれた。
ソジュンといえば、『梨泰院クラス』。世界的大ヒットとなったドラマでの“いがぐり頭”が印象的だが、韓国では餃子の『王マンドゥ』のCMや映画『マーベルズ』でのハリウッド進出など、多彩な活躍ぶりを見せている。
デビューのきっかけはスヒョンのマネージャーに見いだされ、ヨン様の事務所に所属したこと。『ドリームハイ2』('12年)では、当時23歳という年齢ながら高校生の役をこなし、それでいて貫禄のある存在感を示していた。
スヒョンとの関係について、「友達の友達の知り合いだった」として、「彼を通じて現在の所属事務所と縁を結んだ」など、トーク番組で話したことも。
そんなソジュンは「キム・スヒョンとは対照的な俳優です」と、前出の佐藤さん。
「パク・ソジュンは、庶民的で親しみやすいキャラクターが人気。『梨泰院クラス』で演じた青年は、恵まれない環境からがむしゃらに頑張って巨大な力と対峙しながらのし上がっていく。そのリアリティーは彼にしか演じられないですよね。
今年、公開された映画『コンクリート・ユートピア』でも、今の韓国の30代青年が変化していく様をやはり親近感たっぷりに演じています。みんなが、わかるわかる、と共感してしまうパワーがありますよね」
スヒョンが異次元の世界の住人だとすると、ソジュンはどこにでもいるお兄さんのようだという。
「私は、『サム、マイウェイ〜恋の一発逆転!〜』('17年)が大好きです。学生時代にテコンドー選手として活躍したものの、今はしがない毎日を送る等身大の青年をソジュンが演じているのですが、そんな生活感のある役がとても似合う。実際は、背が高くてとてつもなくカッコよく、そのへんにはいないんですけどね」(佐藤さん、以下同)
ソジュンはBTSのメンバー・Vの大親友としても知られ、アーミー(BTSファンの呼称)からの支持も高い。
それにしても、元をたどるとこの2人を“発掘”したペ・ヨンジュンの先見の明だといえる。
ヨン様は'06年に芸能事務所「キーイースト」を設立し、スヒョンもソジュンも「キーイースト」に所属。ヨン様がソジュンの誕生日にインスタでお祝いのコメントを送ったり、'15年のヨン様と女優、パク・スジンの結婚式には、スヒョン、ソジュンが出席したことも。
'18年に会社をSMエンターテイメントに売却し、現在は妻、息子と娘とハワイで暮らしているといわれている。
「現在のペ・ヨンジュンさんは、実業家として仕事をしているようですね。結婚後は、芸能活動を休止していますし、それ以降の動向を、韓国のメディアはあまり追っていないと思います。韓国では『愛の不時着』のヒョンビン、『犯罪都市』のマ・ドンソクなど、その時々で旬のスターが移り変わりますから。
ただ、キム・スヒョンとパク・ソジュンはもはや世界的な俳優として、ずっと注目され続けています」
『冬のソナタ』で韓流ブームの代名詞となり、ファンを熱狂させた初来日から20年──。後輩2人の活躍を、ヨン様も喜んでいるはずだ。
取材・文/間木まき