2023年のメインパーソナリティーを務めた旧ジャニーズの『なにわ男子』

 今年の『24時間テレビ』、旧ジャニーズことSTARTO ENTERTAINMENTのタレントの出演は最小限になりそう。ズバリ、これはSTARTO社の見事な経営判断だろう。

 例年より遅めの8月31日~9月1日に放送が予定されている日本テレビの一大番組『24時間テレビ』。

 昨年、系列局・日本海テレビの元幹部局員が、長年に渡り寄付金などを着服していた横領問題が発覚し、『24時間テレビ』不要論が高まっていたが、日テレは今年も放送を断行するということだ。

 そういった背景があり、今年はサブタイトルを例年の『愛は地球を救う』から『愛は地球を救うのか?』と変更し、番組の顔だった「メインパーソナリティー」というポジションも置かないことになっている。

20年以上、旧ジャニタレがメインを務めていた

 1978年に第1回が放送された『24時間テレビ』。

 旧ジャニーズのタレントでは1995年にSMAPが初めて抜擢され、2003年のTOKIOがメインパーソナリティーになって以降の20年以上、途切れることなくずっと旧ジャニーズのタレントを抜擢。昨年もなにわ男子がメインパーソナリティーを務めていた。

 そんななか今年はメインパーソナリティーを置かず、総合司会をフリーアナ・羽鳥慎一(53)、日テレアナ・水卜麻美(37)、くりぃむしちゅー・上田晋也(54)が務め、24人のタレントが代わる代わる出演していくといった番組構成になる模様。

 STARTO社からは今のところ、その24人のうちの1人として嵐・相葉雅紀(41)のみ出演が発表されている。相葉以外にも出演する可能性もあるだろうが、少なくても昨年までのように旧ジャニタレが猛プッシュされて、出ずっぱりということはないようだ。

相葉雅紀

 こういった今年の『24時間テレビ』の放送を報じたネットニュースのコメント欄には、次のような批判的な声や疑問を呈する声が数多く挙がっていた。

《旧ジャニーズのタレントをメインにしてなくても、すでに嵐の相葉さんの起用が決まってるから 結局、これから他の旧ジャニーズの方々の起用が発表されるかもしれませんね》

《疑惑が多い番組のメインパーソナリティになる勇気のある人物はなかなかいないだろうし、日テレで番組を持っている方々で回していくみたいだから如何に大きな問題かを物語っているように思いました》

《本当、番組の存在意義だよ。 チャリティーなんだから。 旧ジャニーズのタレント使って集客してもただのファン集めで、チャリティーの偽善者にすらなっていない。 24時間にこだわるから色々問題が出る》

相葉のみの出演はリスク最小限の絶妙な距離感

 これまで『24時間テレビ』と旧ジャニーズ社はWin-Winの関係だった。

『24時間テレビ』としては、ジャニタレをメインパーソナリティーに置くことで、視聴率を稼げて、募金額も増えてウハウハだったはず。一方の旧ジャニーズとしても、イチオシのグループの箔付けになるしお茶の間への浸透度も上げられたわけだ。

 しかし、STARTO社はジャニー喜多川氏による性加害問題で大きく揺れており、これ以上会社全体のイメージダウンを避けるため、非常にセンシティブにリブランディングを行うフェーズに入っているはず。

 そんな大事な時期に、横領問題で叩かれまくってイメージ最悪の『24時間テレビ』に自社タレントを出演させることは、メリットが薄くリスクばかり高いのは明白。大事な自社のアイドルたちをハイリスク・ローリターンの大型番組に、喜んで差し出すとは考えにくい。

 一部報道では、日テレ側は今年もSTARTO社タレントをメインに抜擢したいと考えていたようだが、STARTO社側が難色を示し、現在の形に着地したと伝えられていた。実際の内情は不明だが、充分あり得る話に思える。

 STARTO社としては、少なくても今年の『24時間テレビ』には、できれば自社タレントを出したくなかったのではないだろうか。

 ただ、日テレとはこれまでのお付き合い、そして、当然これからのお付き合いもある。完全撤退して出演者ゼロにしては、角が立って日テレとの関係が悪化してしまう懸念もあったのだろう。

 そこで土曜19時の番組『嗚呼!!みんなの動物園』でMCを務めており、世間的好感度の高い相葉を出演させ、日テレの顔を立てつつ、他の自社タレントは極力出演させないようにしたのだとしたら見事な経営判断だと言える。

 相葉を出せば日テレとの良好な関係は保て、会社全体のリスクを最小限に抑えられる絶妙な距離感となっているからである。これはSTARTO社の英断だ。