「どうにかできなかったのかな……」
7月28日、パリ五輪・女子サッカー競技で『なでしこジャパン(日本女子代表)』とブラジル代表のグループリーグ第2戦が行われた。試合はアディショナルタイム(追加時間)96分に谷川萌々子が劇的なスーパーゴールを決めて、日本が2-1で逆転勝利。冒頭は失点を防げなかったブラジル代表選手に向けられたブラジル国民の声、ではなく……。
なでしこジャパンのユニフォームカラーに心配の声
「なでしこジャパンのユニフォームが、スポーツの祭典における清らかな汗によって物理的に“見えて”しまう状況が起きていて……」(スポーツ紙記者)
今回のパリ五輪では、サッカー日本代表は男女とも『Y-3』のユニフォームを着用。Y-3は山本耀司氏によるアパレルブランド『Yohji Yamamoto』と、長年、日本代表のユニフォームを担当する『adidas』コラボブランドだ。
「Y-3はこれまでもスペインの強豪、レアル・マドリードのユニフォームを担当していますが、日本代表のユニフォームは初めて。通常、右胸部分にadidasロゴが入るところ、Y-3ロゴが入っています。
ホームユニフォームはこれまでどおりの青、アウェーは白。どちらも“完全燃焼をいとわないサッカー日本代表”からのインスパイアとして、炎の模様があしらわれています」(サッカーライター)
第1戦(対スペイン代表)、第2戦ともになでしこジャパンは白のユニフォームを着用して臨んでいる。
「サッカーにおいてユニフォームは本拠地で戦うチームがホーム用のものを着用します。五輪やワールドカップでは開催国以外はいわゆる“ホーム”ではないですが、どちらかの国が“ホーム扱い”になる。
アウェー扱いになったほうも色の被りがなければホームユニフォームで試合することも多いですが、ここまでのパリ五輪の試合では対戦相手となったスペイン代表もブラジル代表もユニフォームの“下”が青。
なでしこジャパンのホームは上下とも青のため着用できず、2試合とも上下が白のアウェー用になったと思われます」(前出・サッカーライター、以下同)
現地パリは30度を超える日もある。そのうえサッカーは90分間、選手は走り続ける。夏だろうが冬だろうが選手は汗ダクだ。
「試合中の汗によってユニフォームの下に着たインナーがかなり透けて見えてしまっていて……。近年のサッカーのユニフォームは、選手がストレスを感じないように非常に軽い。そのため生地が薄い。吸水性・速乾性にすぐれた素材を使用と担当メーカーは謳いますが限界があり、汗をかけばすぐ透けるようなものが多い。白が基調のユニフォームになると、より顕著になります」
一部選手から危惧する声も
選手によって着用するインナーはさまざま。“露出度の高い”インナーが透けて見えてしまった選手の画像や映像は、広く、そしてひどく拡散されてしまっている。それはなでしこジャパンの勝利を喜んだり、応援するものとは違う感情で。
《白色どうにかならなかったのか…》
《選手が気を遣うものは駄目》
《女子サッカーの日本代表の選手の白いユニフォーム着てて下着透けてる!とか写真付きでツイートしてる奴いて声出たわキモすぎる》
選手への心配、さらに選手に向けられる視線への嫌悪など多数の声が上がっている。今回のY-3コラボユニフォームの公式発表に携わっていたあるサッカー関係者は、
「今回の白ユニフォームだけが良くないというわけではないですが、“こういう白のユニってめっちゃ透けるよね……”と、一部選手から危惧する声も上がっていました」
女子スポーツへの性的な目線は、かねて問題になっている。
「どこのメーカーが担当しようとも、結局の決定権は日本サッカー協会となります。“最近の薄いユニフォームは夏は透けやすい。女子だけでも何か対策ができなかったのか……。
実際に女子サッカーではアメリカのプロリーグのクラブが、'23年にユニフォームの下を“白から黒”に変更しています。理由は“選手の生理の不安を考慮して”というものです。所属選手らはその変更を大歓迎していました。
クラブと代表では事情も変わりますが、選手のメンタル、そして選手に向けられる卑猥な目線から守るために、変化していくべきだと思います。スポーツでは“伝統のチームカラー”が尊ばれがちですが、選手を不安にさせてまで守るべき“伝統”などないはずです」(前出・サッカー関係者)
なでしこジャパンは日付が変わって8月1日0時(日本時間)に対ナイジェリア戦がキックオフとなる。選手に向けられる視線は、勝利への期待だけであってほしい。