パリ五輪開幕から1週間、ニュースや情報番組、ワイドショーでは日本代表選手の競技結果を伝え、はたまたメダリストのインタビューや秘話を盛り込んだ特番が組まれるなど、テレビ局はお祭り状態の様相だ。
4年に1度の世界的なスポーツの祭典だけに力が入るのも頷けるのだが、各局番組に大きな変化が見られているーー。
《五輪始まったら大谷のニュースすっかり見なくなったな》
《メジャーリーグってオリンピック期間は中断してるの?って思うくらい大谷翔平のニュースを見なくなった気がする》
《パリオリンピックが始まって、 大谷翔平の話題が、テレビからほぼ消えて草 オリンピックも面白いけど、どこまでミーハーやねん、、、》
SNSで皮肉られているのが、パリ五輪が開幕して以降、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平をテレビで見る機会が激減したというもの。当然ながら、オリンピック期間はメジャーリーグが中断されているわけではない。
五輪開幕後の大谷はどうなっていた?
この1週間でメディアを賑わせた大谷の活躍といえば、ちょうど五輪開会式が行われた7月26日(現地時間は25日)、サンフランシスコ・ジャイアンツ戦で放った31号ホームラン。日米通算250号のメモリアルアーチが思い出される。
ところが32号ホームラン、はたまたドジャース移籍後初となる3試合連続ノーヒットの“不発”と、本来ならば元プロ野球選手のコメンテーターをスタジオに招いて大騒ぎするところ、さらりと触れただけ、はたまた報じない番組ばかり。
中でも、極端な“五輪シフト”へのチェンジを思わせるのが日本テレビだ。水卜麻美アナが総合司会を務める朝の情報番組『ZIP!』では、連日にわたって特集企画「Allez!ZIPARIS」に時間を割き、大谷どころか国内外の政治経済・事件事故の関連ニュースも少ないように見える。
8時ごろに放送される、連日の大谷のプレーを紹介していた『毎日がショータイム』コーナーも、7月26日以降は放送されていない。
読売テレビ『ミヤネ屋』も同様で、いつもならば秘書給与詐取の疑いにより自民党を離党した、広瀬めぐみ参議院議員を追及したであろう司会の宮根誠司氏だが、番組合間のニュースで淡々と事実を伝えるのみ。もちろん大谷の“出演”はなかった。
視聴者が知る由も無い定例会見での謝罪
「日テレにしてみれば今は大谷選手に触れたくない現状、パリ五輪の開催は好都合に見えます」とは、全国紙社会部記者の見解。
大谷の新居周辺を過剰取材した騒動について、7月29日に“ようやく”謝罪してみせた同局・石澤顕社長。問題が発覚してから2か月、同じく過剰取材を指摘されたフジテレビが『めざまし8』と『Live News イット!』の番組内で、そして港浩一社長による謝罪から随分と遅れをとってのことだった。
「両者の間に“落ち度の差”があったとも考えられますが、自局番組で早々に頭を下げたフジテレビに対して、これまでスルーを決め込みながら大谷選手の活躍を伝えてきた日テレ。そして謝罪したのが、視聴者の知るところではない社長の定例会見で、しかも世間の関心がオリンピックに向けられている時期。
大谷選手のニュースを扱えば、水卜アナや宮根さんによる謝罪を求められる風潮になりかねません。『24時間テレビ』のためにもこれ以上のイメージダウンは避けたいでしょうし、五輪の“ドサクサ”とまでは言いませんが、“謝罪の事実”を残したいがための謝罪に思えてしまいますよ」(前出・記者)
パリ五輪の閉幕後、しれっと『毎日がショータイム』を再開するのだろうか。