総文祭に参加していた生徒から、作品についての説明に耳を傾けられた

 秋篠宮ご夫妻と長男の悠仁さまは、『全国高等学校総合文化祭(以下、総文祭)』へのご出席のため、7月31日から1泊2日で岐阜県を訪問された。

総文祭出席の悠仁さま

総文祭の2日目、郷土研究の発表をご覧になる秋篠宮ご夫妻と悠仁さま

「文化部のインターハイと呼ばれる総文祭は、多くの高校生が一堂に会し、芸術文化活動に関する発表を行います。現在、夏休み中の悠仁さまは、同世代の学生と交流する貴重な機会として、出席を決められたそうです。初日は開会式に出席された後、マーチングパレードをご覧になられました。2日目は各部門の展示を鑑賞されたほか、岐阜県庁を視察されるなど、短い日程で過密なスケジュールをこなされました」(皇室担当記者、以下同)

 昨年に続き、2度目のご参加となった今回だが、悠仁さまの表情には緊張がにじみ出ていたという。

「開会式では、古くから県内に伝わる郡上おどりが披露されました。悠仁さまは音楽に合わせて手拍子を送られていたのですが、表情や動作はやや硬いように見受けられました。ただ、夜になると少し緊張がほぐれたのか、マーチングパレードの案内をした生徒に、自ら話しかけ、笑顔で談笑するお姿も見られました」

 2日目に、展示の説明を担当した岐阜総文祭の美術・工芸部門委員長の増田泰志さんは、こう振り返る。

「昨年度、鹿児島県で行われた総文祭でも、秋篠宮さまと悠仁さまへの説明を担当させていただきました。昨年と同様、おふたりは一心に生徒たちの説明を聞いておられたので、大変うれしく思いました。さらに今年は紀子さまもいらっしゃって、熱心に耳を傾けてくださったので、感激いたしました」

 悠仁さまにとって初めての岐阜県訪問となった今回、ある“お気に入り”を発見されたようだ。

「マーチングパレード終了後、秋篠宮ご夫妻と、悠仁さまからお声がけをいただき、ご夫妻はパレードについて“迫力がありました”と褒めてくださいました。

 総文祭では参加者用にお弁当が出るのですが、悠仁さまも私たちと同じものを召し上がったようで、“特に水まんじゅうがおいしかったです”とお話しされていました。お弁当に入っていた水まんじゅうは、岐阜の名菓ですから、気に入っていただけたようでうれしかったです」(パレードに参加していた生徒)

成年を迎えられる悠仁さま

今年4月に行われた園遊会。秋には悠仁さまも出席されるかもしれない

 夏休みを謳歌される悠仁さまは、約1か月後の9月6日に成年を迎えられる。

「宮内庁長官は7月の定例会見で、悠仁さまの成年式に関する説明を行いました。成年の証しとして、天皇陛下から冠などを賜る儀式で、通常であれば、誕生日当日に執り行うことが慣例となっています。ただ、受験を控えておられるということもあり、高校卒業後の'25年4月に行うことを正式に発表したのです」(皇室ジャーナリスト、以下同)

 しかし、その後の発言に波紋が広がっている。

「長官は“成年式が行われるまで、宮中行事への出席はないものの、園遊会などの行事には出席される可能性がある”と説明したのです。園遊会には、主にその年に功績のあった国民などが招かれます。そして、天皇、皇后両陛下をはじめとする成年皇族の方々が、招待者にねぎらいの声をかけられるのです。年に2回、春と秋に開催されるのですが、長官の発言によって、今年の秋の園遊会に、悠仁さまが出席される可能性が浮上しました」

 これについて元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんは次のように語る。

「園遊会は宮中行事だと思っていましたので、今回の定例会見での長官の発言には驚きました。ただ、長官があえて園遊会に言及していることから、出席される可能性が高いとみていいでしょう。皇族は成年になると、宮中での儀式や行事、また祭祀への出席資格を得ますが、実際に出席するかどうかは、ご本人のお考えやご都合次第です」

 園遊会への出席を匂わせた背景について、名古屋大学大学院の河西秀哉准教授は次のように分析する。

「悠仁さまはお出ましの機会が少なく、お人柄が見えないという批判も一部で上がっています。園遊会に出席されることで、そうした不透明感を和らげる狙いがあるのではないでしょうか。これは、たしかにご両親の意向も影響していると思います。宮中での儀式は覚えなければならない所作などが多く、準備に時間がかかります。対して園遊会は拘束時間も短いですし、ご両親も出席されますから、近くでサポートすることができます。そうした点から悠仁さまのお披露目の場に園遊会を選ばれたのだと拝察いたします」

SNS上では厳しい指摘

愛子さま(22)

 在学中の園遊会への出席は、異例中の異例といえる。

「愛子さまも佳子さまも、学業優先のため、在学中は1度も園遊会に出席されておらず、社会人になられてから、初めてお出ましになりました。こうした前例や、受験勉強を理由に成年式を高校卒業後に遅らせたのですから、“園遊会へのご出席は大学卒業後でもいいのでは”との声も上がっています」(前出・皇室ジャーナリスト、以下同)

 SNS上では、さらに厳しい指摘も。

「愛子さまへの国民からの支持は絶大で、“愛子さまを天皇に”との声は、今なお根強いです。そうしたことから、“愛子さま人気に対抗しているのでは”“愛子さまよりも目立ちたいだけ”など、厳しい指摘が相次いでいるのです」

 前出の河西准教授も、園遊会へのご出席が良い方向へ進むとは限らないと語る。

「悠仁さまが推薦入試を利用される場合、園遊会が開かれる11月ごろには、すでに進学先が決まっているかもしれません。しかし、一般的に高校3年生の秋といえば、受験勉強に追われる時期ですから、そうしたタイミングでお出ましになること自体、反感を招く可能性があります。また、あくまで序列にしたがったものではありますが、園遊会では愛子さまよりも前を歩かれることになるかと思われます。それに対しての批判も一部から上がるかもしれません」

 “強行出席”の波紋は想像以上に大きいのかもしれない。

山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている
河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数