NTT東日本とNTT西日本は7月26日、天気予報を案内する「177」のサービスについて、2025年3月31日をもって提供を終了すると発表。終了する理由についてNTT東日本広報室に問い合わせると、
「気象情報を電話で確認する手段として長年ご利用いただいておりましたが、テレビのほかスマートフォン、インターネット等の普及に伴い、気象情報の確認手段が多様化しているためです」
と回答があった。天気予報「177」のサービスは、1955年に開始。1988年ごろには、全国で年間3億件以上の利用があったが、2023年は、556万件と利用数の減少は著しい。
紙版『タウンページ』も廃止
両社はこれに先立ち、職業別加入者の電話帳『タウンページ』(紙版)と、個人や店舗などの名前と住所から電話番号を有料で案内する電話番号案内の「104」を2026年3月31日で終了すると発表したばかり。
『タウンページ』の発行部数は、2005年度の6310万部を最盛期に、2022年度には3136万部と約半分にまで落ち込んでいた。紙版は廃止になってしまうが、インターネット版の『iタウンページ』は、提供を続けるという。
また、ピーク時の2005年度には約6500万部が発行されていた個人の電話番号を掲載した紙の電話帳である『ハローページ』も2023年2月を最後に発行を取りやめている。
電話番号案内は1890年に電話交換業務の開始と同時に始まり、130年を超える歴史がある。「104」を終えるのは「インターネット等代替となる電話番号検索手段の普及や、固定電話の減少に伴って、利用数が減っている状況に鑑み、終了することを決めたものです」(NTT東日本広報室、以下同)とのことだ。
時報と電報の今後
続々とサービスが終了しているが、現在も続いているのが時報「117」、電報「115」だ。
時報は、1955年6月10日(時の記念日)からテレホンサービス第2号として東京でスタート。それ以降、順次全国に拡大され、1964年からは電話番号を「117」に統一し、現在に至っている。時報サービスは、正確な時間を知りたいとき、手軽に確認できるサービスで、来年で70年を迎える。
一方で、電報は150年を超えるさらに長い歴史が。電報が生まれたのは1870年の明治時代初期で、当初は東京・横浜間に限定されていた。1875年ごろには北海道から鹿児島まで電信線が引かれ、電報の利用区間はほぼ全国に広がることに。電話が普及するにつれ電報の使用は少なくなったが、現在でも慶弔時に利用されている。
時報「117」と電報「115」は今後も継続するのか。
「ただちに撤退する考えはありません。需要の動向や、代替手段の状況を踏まえつつ、必要に応じて撤退を含む抜本的な事業見直し等を検討することも考えられます」
継続するサービスと終了するサービスの違いについて聞いたところ、
「需要の動向や、代替手段の状況等を踏まえ、総合的に判断しております」とのことだった。
長い歴史を持つサービスの終了には寂しさも感じるが、これも時代の流れか。