国際派俳優として活躍を続ける真田広之

 俳優・真田広之(63)がプロデュース、主演を務めるハリウッド制作の配信ドラマ『SHOGUN 将軍』が、米国で放送される優れたテレビ番組に贈られる「エミー賞」で作品賞、主演男優賞など25部門でノミネートされ、話題に。時代劇のノミネートという歴史的快挙に、9月に行われる授賞式への期待が高まっている。

「僕の後を継いで」と千葉真一さん

 一躍脚光を浴びる形となった真田といえば、時代劇やトレンディー俳優を経て、2003年の米映画『ラスト サムライ』の出演をきっかけに渡米。ロサンゼルスを拠点に活動を続ける国際派俳優だ。

“世界の千葉”として活躍した名優、サニー千葉こと故・千葉真一さんのイズムを受け継がれているのでしょう。わずか13歳で、千葉さんが主宰のジャパンアクションクラブ(JAC)の門をたたいたのが真田さんでしたから」

 と振り返るのは、ベテラン芸能リポーターの川内天子さん。JACは千葉さんが1970年に“世界に通用するアクションスター”を育成するため創設した養成所だ。千葉さんと真田はここで師弟関係の強い絆を築く。亡くなる直前の『週刊女性PRIME』インタビューの中でも、千葉さんは《僕の後を継いで、ハリウッドに出ていかないといけないと(真田に)ずっと言っていた》と語り、愛弟子の活躍を喜んでいた。ほかのJAC出身者といえば?

「“日本初の本格アクション女優”志穂美悦子さんですね! ドラマ『キイハンター』で千葉さんの熱狂的ファンとなった志穂美さんがJACを受験したというエピソードは業界で有名。私も『キイハンター』世代ですが、千葉さんのアクションは本当にカッコよかった!」(川内さん、以下同)

教え子たちの今

 志穂美は女優として人気絶頂の1987年に歌手・長渕剛と結婚、一時引退。千葉さんが亡くなった2021年8月には《見上げる空に。》というタイトルでブログを更新。《それは、あまりに突然で、言葉にならない。でもJACイズムは生きている。それぞれの場所で生きている。合掌》と、亡き師への思いを綴っていた。

 現在68歳となった志穂美はフラワーアーティスト、シャンソン歌手としてマルチな活躍を見せ、テレビ番組出演のたびに《68歳に見えない!》《カッコイイ》《肉体が若すぎ》……とこれまた再ブレイク中!

千葉真一さんと息子の新田真剣佑(新田のSNSより)

「おふたり以外にも、真田さんの付き人だった堤真一さんや、伊原剛志さん、風車の弥七役でおなじみの宍戸大全さんもJACのご出身。動けて殺陣も乗馬もこなす千葉さんが主宰ですから、もちろん吹き替え(スタントマン)なし! だからみなさん、運動神経抜群でしたね」 

 脂ノリノリの堤、伊原は共に60歳。現在94歳の宍戸も82歳までは現役を貫いていたというから、出身俳優たちの元気さに驚く!

「千葉さんの初ディナーショーで司会をやらせていただいたことは私の大切な思い出。そこから何度かプライベートでお会いしたのですが、とにかく人を惹きつける力がすごい。大スターなのに少年のようなキラキラした瞳で、でも淡々と夢を語るんですよ。彼のために“ひと肌脱ぎたい”という人がどんどん集まっていましたね」

 “世界の千葉”を慕って集まった教え子たちの今後から、まだまだ目が離せない!