写真はイメージです

 日常の気になる疑問を解決!同じ“けんしん”でも、「健診」と「検診」はどう違うの?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。

知って楽しい!おもしろ雑学

Q.同じ“けんしん”でも、「健診」と「検診」はどう違うの?

A.「健診」は、健康状態を調べるための検査で、「検診」は特定の病気を早期発見するための検査です。(医療経済ジャーナリスト 室井一辰さん)

 最高気温が30度を超える暑~い日が続き、すっかり夏バテぎみ……。身体の疲れがなかなかとれないと、どこか悪いのかもとつい心配に。

 自分の健康状態をしっかり知る方法として、職場などで受ける「健診」があるけど、ここでふと疑問が。「けんしん」のお知らせのはがきなどには、「健診」と「検診」のどちらかが書かれているけど、この2つは何が違うの?

 疑問に答えてくれたのは、医療経済ジャーナリストの室井一辰さんだ。

「簡単にいうと、『健診』はいわゆる一般健康診断のことで、現状の健康状態を調べるためのもの。基本的に職場が実施するものが多いです。『検診』は、特定の病気を早くに発見するための検査で、市町村などが実施するものや、自己負担で受けるものがあります」(室井さん、以下同)

 日本では、労働安全衛生法により職場がすべての労働者に年に1回健診を受けさせる義務があるという。

パートタイムで働いている人や、アルバイトも含めて健診を受ける権利が保障されていますよ

 では、職場がない専業主婦や、定年退職をした人は、自分からすすんで健康診断を受けたほうがいいの?

「基本的な健康状態をチェックするために、年に1回は定期健診を受けるのがいいと思います。また、健診には『一般健康診断』のほかに40歳から74歳を対象にしたメタボかどうかを検査する『特定健康診査』もあるので、併せて受けるのが安心。

 組織に属していない人は、個人で予約して病院やクリニックで受ける必要がありますが、市町村によっては費用を一部、または全額負担してくれるところも」

 市町村の保健センターや役所に問い合わせをすることで、費用の補助があるか確認できる。また、地域によっては集団健診をする場合もあるので、自分の住む市町村の広報紙やホームページをチェックしておくのがいい。

ちなみに、人間ドックは「任意型検診」の一種。一般健康診断や対策型検診で行う検査に加えて、MRIやCTなど病院やクリニックによってさまざまな検査項目が用意されている ※写真はイメージです
特定健康診査ではメタボリックシンドロームかどうか検査できるが、メタボ=病気ではない。内臓脂肪が増えることで、高血糖や高血圧などのリスクが高まるので、生活習慣の見直しの目安になる ※写真はイメージです

 では、特定の病気を調べる『検診』には、どんな種類があるのか。

「主に2つの検診があります。1つは、市町村や保健所が検査の対象者や高齢者向けに行う、乳がん検診、子宮頸がん検診などの『対策型検診』。対策型検診は市町村が住民の健康のために行うことが法律で決められているので、多くの場合、無料もしくは一部負担で受けられます。

 もう1つは医療機関が独自に提供していて、病院によっては先進的な機器を用いて行う『任意型検診』。こちらは全額自己負担が多いです」

 対策型検診には、ワンコインで受診できる検査も多い。がん検診の場合は、肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がんの5大がんの早期発見が可能に。

 とはいえ、お知らせのはがきが来ていても、つい今度でいいかと放ってしまうことも。読者世代が無視してはいけない、検診のお知らせは?

積極的に受けてほしいのは、乳がんの早期発見を目的とした『乳がん検診』と『大腸がん検診』です。乳がんは、中高年から徐々に増え、高齢の女性でも罹患しうる病気ですし、大腸がんも50代から増加するがんのひとつです。いずれも早期発見で命が助かる可能性が高まります」

 健康に長生きするためにも、仕組みを知って定期的に2つの「けんしん」をきちんと受診しよう!