夏真っ盛りの8月中旬、1台のワンボックスカーが日本赤十字社(以下、日赤)の地下駐車場に入っていった。
日赤入社からほぼ毎日出勤の愛子さま
「この車には愛子さまが乗られていました。4月に嘱託職員として入社され、当初は週2~3日の勤務予定とされていましたが、入社からほぼ毎日のように出勤されています。宮中祭祀や外出を伴う公務など、内親王としてのお務めと日赤でのお仕事に少々お疲れだったのか、この日はいつもより、少しゆっくり出社されたようです」(皇室担当記者、以下同)
日赤勤務に奮闘される一方で、愛子さまの公務の姿勢について、一部で批判的な声が上がった。
「4月から新社会人になった愛子さまの単独公務は、5月に東京都千代田区の国立公文書館で開催された『光源氏』にまつわる特別展ご視察の1回のみ。小室眞子さんが新社会人になった'16年4月からの4か月と比較して、眞子さんの“約3分の1の公務量”と報じられました。
それだけでなく、『光源氏』の単独公務については、愛子さまが大学で学ばれ、関心の高い分野だったことから“公務を選り好みしているという批判にさらされてもおかしくない”との声も上がったのです」
こうした報道に対し、異議を唱えるのは、ある皇室ジャーナリスト。
「実際に愛子さまが断った公務がある場合は“選り好み”になると思いますが、そうでなければ、“選り好み”とはならないのではないでしょうか。元日の能登半島の地震、8月8日に発生した日向灘の地震など、日赤でのお仕事がお忙しいようにもお見受けします。今は日赤のお仕事に力を入れておられるのでしょう」
と語る同皇室ジャーナリストは「公務は大きく分けて2種類ある」と続ける。
「ひとつは皇族として行う公務。これは安易に増やすわけにもいきません。現行の制度でいくと、愛子さまは結婚後、皇族ではなくなります。愛子さまが担当される公務で、毎年恒例になるようなものは、慎重に選ばざるを得ないのです」
もうひとつの公務
もうひとつの公務について、
「ご自身が総裁などの役職を担われ、その団体などを応援しようと務められる公務です。こういった性質のものは、務めていた方から、ご家族に引き継ぐことがあります。例えば、小室眞子さんが新社会人になってから名誉総裁に就任された『みどりの感謝祭』は、秋篠宮ご夫妻から引き継いだもの。そうした点も踏まえると、ご両親から名誉総裁などを引き継がれていない愛子さまが眞子さんより公務量が少ないというのは、至極当然のことだと思います」(同・皇室ジャーナリスト)
公務の特性について、元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんによると、
「令和における皇室の方々の公務の分担は、お代替わり直前の'19年1月に整理されました。その時点で愛子内親王殿下は高校2年生であり、未成年でしたから、担当する公務はありませんでした。27歳だった当時の子内親王殿下は成年皇族として担当する公務がありましたが、結婚で皇籍を離脱されたため、その公務は'19年3月に国際基督教大学を卒業された佳子内親王殿下が引き継がれました。
このように恒例となっている公務の担当は、すでに決まっています。愛子内親王殿下の公務が少ないというのは、そうした背景もあるでしょう」
ある宮内庁関係者は「愛子さまの公務量が少ない理由はほかにもある」と話す。続けて、
「愛子さまは社会人1年目として、まずは日赤の仕事をしっかり覚えたいとお考えです。お住まいでも“早く仕事を覚えて会社に貢献したい”と毎日のように仕事内容の復習などをしていらっしゃいます。
お出ましに関しても、今春から主催者がご臨席を要請しても、準備期間などを踏まえると、実現までに1年ほどかかってしまうこともザラです。そうした背景もあり、今年行う公務の量はどうしても少なくなってしまいます。ただ、皇室にとって最も大切な宮中祭祀には、ほとんど参列されていますし、内親王としてのお務めは果たされているように思います」
愛子天皇待望論
『皇室の窓』(テレビ東京系)で放送作家を務めるつげのり子さんは、昨今の世間の動きを踏まえて、次のように話す。
「今年、悠仁さまは成年皇族になられ、天皇となるための準備をされる時期がいよいよ訪れます。愛子さまは悠仁さまのお立場を考え、悠仁さまよりも目立つ行動は差し控えようと思っていらっしゃるのではないでしょうか。両陛下も同じお考えである可能性もあるのでは。4月に共同通信社の調査で、女性天皇を認める割合が9割に上り、“愛子天皇”を待ち望む国民が多くいることが明らかになりました。今以上に愛子天皇待望論がエスカレートすることを避けたい部分もおありだと思います」
つげさんによると、秋から愛子さまのお出ましが増える見込みがあるという。
「昨年は夏のご静養のあとからお出ましが増え、9月に『日本伝統工芸展』、10月に日赤の企画展、11月には『皇居三の丸尚蔵館』や『東京国立博物館』にお出ましになられています。今年も秋ごろからお出ましの機会が増える可能性はあると思います」
公務量について、愛子さまご自身もジレンマに陥っているおそれがあるという。
「日赤に毎日のように出勤されているお姿や、責任感が強く、妥協しないご性格を考えると“一度引き受けたからには全力で臨んで理解を深めよう”と真摯に取り組んでいらっしゃるのでしょう。
一方で、天皇家の長女というお立場で、両陛下をお支えするという意味でも、公務の務めを果たそうというお考えもおありだと思います。ただ日赤のお仕事が忙しく、公務に手が回らない状況なのではないでしょうか。お仕事と公務の板挟みで悩まれ、公務ができないというジレンマを抱えていらっしゃるのかもしれません」(つげさん)
一刻も早く仕事に慣れ、プリンセスとしてのお姿も見たい国民は多いに違いない。