10月6日から、反町隆史と杉野遥亮がW主演するドラマ『オクラ』(フジテレビ系)がスタートする。
「反町さん演じる人情味あふれる“昭和の刑事”と、杉野さん演じるクールで効率重視の“令和の刑事”がバディを組んで未解決事件に挑むストーリー。この作品から、フジテレビ系の火曜夜9時のドラマ枠が復活することも話題になっています」(スポーツ紙記者、以下同)
2015年に放送されたドラマ『ゴーストライター』以降は“火曜夜9時ドラマ枠”を封印してきたフジテレビだが、かつてこの枠で放送されたのは“伝説のドラマ”ばかり。
「火曜夜9時枠はフジテレビの看板枠“月9”に次いで『踊る大捜査線』、『ナースのお仕事』、『救命病棟24時』など大ヒットドラマを連発した枠。のちに映画化されたり、ドラマがシリーズ化されたりもしました。この枠の復活は、局として“原点回帰したドラマを作ろう”との狙いもあるようです」
復活するのは、ドラマの放送枠だけではない。
「“踊るシリーズ”の最新映画『室井慎次 敗れざる者』が11月に公開されます。さらに、『救命病棟24時』のリバイバル企画が水面下で始動しているそうです。ただ、映画なのかドラマなのか、どのような形で“復活”するのかは未定だそう。ちなみに『ナースのお仕事』の企画も浮上していると聞きました」(テレビ局関係者)
『GTO リバイバル』が大成功
フジテレビは今年4月、一夜限りのスペシャルドラマ『GTO リバイバル』を放送し、反響を呼んだ。
「小栗旬さんや窪塚洋介さんなど、1999年に放送されたドラマ『GTO』の出演者が再集結。反町さんと松嶋菜々子さん夫婦が共演したことでも話題になりました。見逃し配信は、1週間で370万回再生を突破。4月期に放送された全番組で1位に輝きました」(テレビ誌ライター)
テレビプロデューサーの鎮目博道氏によると、フジテレビが“原点回帰”という戦略を取ったのには、とある事情が……。
「“新規企画の不調”です。最近の視聴者は“冒険せずに安心して楽しめる番組”を求める傾向にあり、どのジャンルでも新規の番組は視聴率が獲得できない。さらに、若者はバラエティー番組よりもドラマを好んでいることもあり、その傾向を踏まえて“リバイバルドラマで勝負”となったのでしょう」
“カギ”となる若手のキャスティング
名作ドラマのリバイバル企画を行うにあたって“新旧の融合”が重要だという。
「ファンはかつてのイメージで視聴する可能性が高いです。一方で、キャスト陣が年齢を重ねていたり、放送していた当時と今とでは時代背景も違っていたり。ですから、新旧の要素をうまく組み合わせて“納得感”がある脚本にしなければなりません。キャスティングにおいても、今や“大御所”となったキャストに対して、どんな新キャストを投入するかも肝でしょう。大先輩のイメージを損なわず、爪痕は残さないといけませんから、若い俳優陣が演じるプレッシャーも大きいのではないでしょうか」(鎮目氏、以下同)
フジテレビに限らず、これまでもリバイバル企画が行われた例もあるが、成功例は少ないという。
「話題性に安易に乗っかっている風潮もあり、それだけではファンは納得しないと思います。リバイバルを成功させるには“作品をよみがえらせる手間”がかかりますから、新しい企画を打ち出すよりも意外と難易度の高い戦略なのかもしれません」
名作復活には“いばらの道”が待ち受けている。