「今から見学に来られますか?」
埼玉県戸田市の『WEILAI卓球スクール』に子どもを通わせる40代の母親は、コーチからの唐突な呼び出しに応じてとんでもない目に遭った。
8月7日午後5時5分ごろから同27分ごろまでの悪夢のような出来事。
「指導中の生徒にランニングを命じたコーチはスクール内で母親と2人きりになり、“マッサージだ”などと称し身体を触るなどのわいせつな行為をしたという。母親は2日後に“卓球教室に見学に行ったら身体を触られた”と警察に相談しました」(全国紙社会部記者)
埼玉県警が8月20日、不同意わいせつの疑いで逮捕したのは同市在住のプロ卓球選手・小西海偉容疑者(43)。身体を触った事実を認めながら、わいせつ目的ではなかったと一部否認している。
同スクールは、妻でシドニー五輪卓球女子代表の小西杏さん(43)が約10年前に開塾し、海偉容疑者はプロ生活のかたわらコーチとして子どもから成人までさまざまな生徒の指導にあたっていた。
遠方からの生徒も通う人気スクールだった
「中国河北省出身で、青森山田高校時代に全国高校総体シングルスを3連覇。2004年に日本国籍を取得し、吉田海偉として2005、2006年の全日本卓球選手権男子シングルスを連覇した。2008年広州、2010年モスクワの世界卓球男子団体でいずれも銅メダルを獲得しており、水谷隼選手とチームメートだった。最高成績は世界ランク20位。昨季は国内プロによるTリーグに新規参入したクラブチーム『静岡ジェード』のメンバーでした」(スポーツ紙の運動部記者)
近隣住民らによると、同スクールは遠方からも生徒が集まる人気ぶり。地元の卓球経験者の男性は、トッププロの直接指導に興味を持ったという。
「窓越しに練習をのぞいたら小・中学生がビシビシ打っていて、レベルが高すぎて腰が引けた。海偉容疑者から指導を受けた知人男性によると、情け容赦なく球を打ち込まれ、ラリーが続きすぎて息が上がり、これ以上は動けないと思う絶妙なタイミングで“はい休憩!”と声がかかるらしい。スパルタ指導でヘトヘトになるが、上達は早く、高い授業料を払う価値は十分あるって」(同・男性)
フランス、ロシア、中国、ポーランドのリーグを渡り歩いた卓球界のレジェンドは、若手選手中心の静岡ジェードで“お手本”役を期待された。練習拠点は地元の廃小学校でプレー環境に恵まれていたとはいえない。
“オレは卓球界のキング・カズになる”
「選手のピークを過ぎてもアスリートとして身体は維持していると自ら監督に売り込み、50歳まで現役を続ける目標を掲げて“オレは卓球界のキング・カズになる”などと豪語していた」(前出・スポーツ紙記者)
ストイックな現役生活を送りながら、家庭ではよきパパだったようだ。
「パン店のイートインスペースで奥さんと娘さんと食事する姿を何度か見かけました。自分が食べるより、奥さんや娘さんがおいしそうにパンを食べるのを見てくつろいでいました。いつもユニフォーム姿で来店していたから卓球の合間に家族サービスをしていたのでしょう」(近所の女性)
別の女性住民は、
「明るくさわやかなスポーツマンで、奥さんと仲がよく、どちらかといえば旦那さんのほうが惚れている様子でしたね」
と明かす。
折しも事件当日は、パリ五輪で卓球日本代表が戦っているさなか。なぜ、指導する生徒本人ではなく保護者にマッサージしなければならなかったのか─。