木村昴

「おい、のび太!」

 毎週土曜の夕方、テレビから響くドスのきいた声。この声の持ち主こそ、アニメ『ドラえもん』でジャイアン役を演じて19年の声優、木村昴だ。

「アニメ『ドラえもん』は2005年の番組リニューアルに伴い、メインキャラクターの声優を一新。新キャストを決めるオーディションが開催され、当時14歳だった木村さんが見事ジャイアン役を射止めました。なんと本人は記念受験のつもりでオーディションに参加したそう(笑)」(アニメ誌ライター、以下同)

 ドイツ人の父と日本人の母を持つ木村は、6歳までドイツで過ごした。

「7歳で日本に移住したときは、日本語がほとんど話せなかったそうで、日本語の練習もかねて、子役として児童劇団に入団。子役時代は、仕事現場で会った芸能人に関するエピソードを、同級生に披露することを楽しみにするなど、目立ちたがりな少年だったそう。ジャイアンのオーディションを受けたのも、同級生に自慢したいという思いがあったからなんだとか」

声優以外にもマルチに活躍する“キムスバ”

 長い芸歴を武器に、現在はマルチに活躍している。

「木村さんはトーク力に定評があり、2022年に『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)の木曜レギュラーに抜擢。昨年からは、『アッコにおまかせ!』(TBS系)でも準レギュラーを務めるなど、大活躍しています。さらに、今年7月期に日本テレビ系で放送されたドラマ『クラスメイトの女子、全員好きでした』では初のドラマ主演を務めました」(テレビ誌ライター)

 声優以外の仕事が増えても、国民的アニメの役を担うという重荷は想像を絶するようだ。ジャイアン役に選ばれたときの心境を2022年に雑誌『an・an』でこう語っている。

2005年の映画『のび太の恐竜』で、14歳でジャイアン役に抜擢された木村昴

《自分は『ドラえもん』という作品を後世にきれいに残すという役割を与えられたと思って、それを全うしようという使命感がありました》

 “作品に泥を塗ってはいけない”という覚悟は、私生活にも大きな影響を及ぼしている。

女性スキャンダルにおびえる日々

「木村さんは、ジャイアン役に抜擢されたとき、“これから先、同級生が経験する甘酸っぱい青春を味わうことはないんだなと思った”と語っていました。その思いは今も変わらないようで、2020年に『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に出演した際、ドラえもんの共演者から“女性関係のスキャンダルにおびえる日々を過ごしている”と暴露されたこともありました」(前出・アニメ誌ライター)

 今でも甘い誘惑は徹底的に避けているようだ。都内でバーを営む男性はこう証言する。

「昨年冬、木村さんがおひとりで店に来たんです。カッコいいし、面白い方だったので、よければ僕の知り合いの女性を呼んで一緒に飲まないかと木村さんに提案したんです。すると、“自分は子どもに見られる仕事をしているから、子どもががっかりするようなことはできないんです”と言っていました。それを聞いて、もっとファンになっちゃいましたね」

 ジャイアン声優20周年を迎える来年も、ノースキャンダルで駆け抜けてほしい。