最終回まで残り3週間を切った『虎に翼』。これまでたくさんの名場面や個性豊かなキャラクターが登場し話題を呼んできた。
そんなドラマの最終回に向けての見どころから撮影秘話まで、気になるウラ話(=ツボ)をNHK・尾崎裕和制作統括に直撃!
制作統括が教えてくれたツボ8
ツボ1:伊藤沙莉が本番後も号泣!?
「第12週で寅子(伊藤沙莉)と花江(森田望智)が、母親のはる(石田ゆり子)が亡くなる傍らにいて泣くシーンは印象的でした。
みなさん真に迫ったお芝居をされたのですが、カットがかかって撮影が終わり、石田さんが帰られるとなっても沙莉さんがずっと泣いているんです。悲しい気持ちになりすぎてしまったんでしょうね。沙莉さんも『変になっちゃったみたい』とおっしゃっていました」(尾崎制作統括、以下同)
ツボ2:新潟編での一番のこだわり
「新潟編でこだわったのは言葉。弁護士の杉田太郎役が新潟県三条市出身の高橋克実さんだったりと、ネイティブな方にご出演していただき、より新潟の雰囲気が出るようにしました。
克実さんは現場に、新潟のご当地グルメの“イタリアン”というスパゲティ風焼きそばや“しょうゆおこわ”を差し入れしてくださったりもして。楽しんで演じていただいたので、本当にありがたかったです」
ツボ3:『ブギウギ』コラボはスタッフ案
「第13週の『愛のコンサート』は最初から考えていた物語で、『ブギウギ』と年代がシンクロしているので、“茨田りつ子(菊地凛子)を出せたらいいね”なんてスタッフの間で盛り上がりまして。
『ブギウギ』の福岡利武制作統括に相談したら、面白いということで菊地さんに話していただき、僕も説明して出ていただけそうなので脚本の吉田恵理香さんにお伝えして書いていただきました。菊地さんがダメなときの代案は考えていなかったので、出ていただけてよかったです(笑)」
ツボ4:クライマックスに向けてのポイント
「原爆裁判以降の展開としては、寅子は民事の裁判官から再び家庭裁判所に戻ります。そこで、主人公のモデルの三淵嘉子さんも関わった、変化した時代の少年法の議論が描かれます。
当然、寅子は年を重ねて見た目であったりは変化しますが、性格が丸くなったりはせず本質は変わらないというのが吉田さんの意図。それがどういうふうにあらわれるか、お楽しみにしていただければと思います」
ツボ5:打ち合わせを重ねた寅子の再婚と轟の同性婚
「寅子と航一(岡田将生)は事実婚という形で結婚しましたが、そこは吉田さんとも何度も打ち合わせをしました。寅子が2回目の結婚であることや積み重ねてきた人生、民法改正に携わった経験などを経た結論としてこの形を選択するだろうと。
轟(戸塚純貴)は当初から同性愛者と決めていました。それが年齢を重ねてパートナーを見つけ、法律で結婚ができない2人が自分たちをどう考えるかということは必然の流れでした」
ツボ6:“サイコパス”と話題になった美佐江誕生秘話
「美佐江(片岡凜)は大人から見ると、何を考えているのかわからない少女という役柄。生きるために犯罪を犯す人とは違う、裕福だけれども非行に走ってしまう子どもで、時代が変わってきたことによる少年少女の犯罪の変化を描くのが狙いでした。
詳しくは話せませんが、寅子にとって美佐江との出来事は何だったのかと考える機会が再び訪れます」
ツボ7:岡田将生は航一さんぽい!?
「航一は総力戦研究所にいた過去があって、寅子のパートナーとして生きていくので、ある種の繊細さを持って演じていただける方ということで岡田さんにお願いしました。
現場では寅子や優未(毎田暖乃)と一緒の機会が多いのですが、すごく距離感がナチュラル。いないときはいないし、楽しい空気にしたほうがいいときはスッといらっしゃって、待ち時間に談笑したりするんです。そういうところが航一さんぽいなって思います」
ツボ8:終盤のキーマンは桂場!
「注目人物は桂場(松山ケンイチ)です。裁判所という組織の中で、より高みに上っていく人物で、今までとは違う顔を見せていくようになります。寅子たちと甘味処の『竹もと』で、甘いものを食べていた桂場とは変わってしまうところが、最後のほうの見どころになると思います」
“トラつば”がついにクランクアップ!
昨年9月に撮影が始まった『虎に翼』が8月31日にクランクアップ。伊藤は
「明日から、寅子としていられないのが本当に想像つきません。『朝ドラの主演は一番大変だよ』といろんな方に言っていただくけれど、スタッフやキャストのみなさんと作品を作れると思うと、それだけで楽しい一日が始まるなと思えて、幸せで仕方がなかったです」
と感想を。1年間お疲れさまでした!
連続テレビ小説『虎に翼』
月曜〜土曜 朝8時〜 NHK総合ほか