「やす子さんの表情に笑顔が見えました!残り500メートルを切りました!」
実況が叫ぶ。しかし見せた笑顔はほんの一瞬だった。心なしか顔は少し曇ったように見え、前方右手から目をそらしたようにも─。
批判されたマラソンウェア
近年、“感動ポルノ”といった声や募金着服の発覚など批判を集める日本テレビ系『24時間テレビ』だが、今年は放送中から……。
「今年、マラソンランナーを務めたやす子さんがふくよかな体形だったこともあり、身につけた衣装のスポーツウエアでは走行中にバストがきちんと固定されていなかった。女性視聴者を中心に、バストを支える靭帯への影響を懸念し、批判の声が上がりました。スタイリストさんも“長時間走る”ということを考えれば、もっと方法があったのでは……」(スポーツライター、以下同)
しかし、最悪な出来事はさらに終盤に起こる。冒頭のように実況が“感動のゴール”を煽った直後だ。
「今年のマラソンは台風を懸念してスタジアムのトラックをぐるぐる周回する方式に変更。それについて否定的な声が上がっていましたが、天候が落ち着いてきたことで方式を再変更。やす子さんは、番組2日目である9月1日朝に横浜市・日産スタジアムから東京の両国国技館に向かいました」
当然、横浜~東京間は一般道を走ることになる。
《捕まえてほしい。本当に気持ち悪い》
「ゴールに程近い距離になれば、沿道で応援する一般人も増えてくる。そんななか沿道にいた1人の中年男性の手がやす子さんに伸びました。伸びた先は彼女の胸……。肩などではなく、明らかにやす子さんの胸に触れていることが放送からわかりました」
《やす子ちゃんの胸触ったジジイいた?顔映ってるし、捕まえてほしい。本当に気持ち悪い》
これにはやす子のウエア問題以上の批判の声が相次いだ。「応援するつもりで、触れたのは偶然だった」などの“言い訳”があるのかもしれない。しかし触れたのは事実で、その場面は全国に放送されている。顔もハッキリと。“被害”は警察に届けることができるように思える。番組側に当日の警備体制についてと警察への相談など、今後の対応について問い合わせた。
「ランナーに向けて手を伸ばした方がいましたが、並走していたガードランナーが対応いたしました。警備に関しては所轄の警察と連携し警備体制を組んでおりました。またランナーと沿道の皆様の安全を守るため、当該エリアはロープを張ったうえで警備員を配置し、複数のガードランナーが並走しておりました」(日本テレビ広報部)
今回の“痴漢”についての今後の対応を再度尋ねるも、回答はなかった。実際に起こった性被害を考えれば、むしろそれこそが重要なのだが……。
今年の『24時間テレビ』の副題は『愛は地球を救うのか?』。例年のそれが疑問形になった。地球という大きな対象も結構だが、目の前の“事件”の被害者をまず救ってほしい。