8月28日、大谷翔平選手が所属するドジャースは本拠地でのオリオールズ戦で、大谷が愛犬のデコピンを抱いたボブルヘッド人形『SHOHEI&デコイ』を来場者の先着4万人に配った。現地はこの人形を手に入れようと、球場の開門前からファンで球場周辺は大混雑となり、数キロにわたって渋滞が発生。その様子を撮影しようとするヘリコプターが何機も上空を旋回する事態になった。
約260万円で高額転売された限定品
結局、通常はゲーム開始時間の2時間半前に開門するところを、異例の4時間前に開門する事態に。当然この日のチケットも高騰し、通常は最安値が25ドルなのだが、120ドル(約1万8000円)超えまで上がった。
しかしこの大谷グッズの“狂騒曲”は、この日だけで収まらない。
「アメリカのオークションサイト『eBay』にはこのボブルヘッド人形が次々と出品され、30日には最低額が99・99ドル(約1万5000円)にも。その中でも、限定品として配られたゴールドバージョンの人形は、1万8000ドル(約260万円)の値がつきました」(スポーツ紙記者)
この騒ぎは日本にも飛び火し、フリマサービスの『メルカリ』では9月5日の時点で、ゴールドバージョンは50万円にも迫る勢いになっている。
「この人形の値段は、おそらくもっと上がるでしょう」
と、語るのはスポーツジャーナリストの飯山満氏。
「大谷は史上初の43本塁打、43盗塁に到達し9月3日現在、44―46まで記録を伸ばしています。グッズの高騰はある意味、当たり前ですね」(飯山氏、以下同)
「絶対に暴落しない株のようなもの」
そして大谷選手の活躍によっては、騒ぎはもっと大きくなる、とこう続ける。
「彼はいろいろな記録に王手をかけている状態で、ホームラン、盗塁に関していえば50―50もありうるわけです。チームとしても優勝が見えている状況で、さらにMVPという話も上がっている。ドジャースの所属するナショナルリーグでは、指名打者でMVPを獲得した選手はこれまでに1人もいません。
なぜなら走・攻・守すべてに優れていないとMVPには選ばれないから。大谷は今シーズン、守備には参加していないので、MVPは難しいだろうといわれてきましたが、ドジャース優勝に50―50の達成が重なったら、彼のチームに対する貢献度や活躍を考慮すれば、ありえない話ではなくなってきます。
こうなると、単に“大谷人気”というだけではなく、メジャーの歴史を塗り替えた選手として、ベーブ・ルースと同様かそれ以上の存在になりますね」
エンジェルス時代も、二刀流で活躍していたとき、レプリカのユニフォームの価格が高騰した。
「今、彼の活躍を見ているファンは、いわば“歴史の目撃者”。グッズ、特に限定品は青天井で高騰するでしょう。私も余裕があれば50万円でも買いますよ(笑)。だって、絶対に暴落しない株のようなものですから」
数々の記録を打ち立てている大谷選手だが、球場外でも大きな影響力を持っているとは、恐るべし─。