2024年のクライマックスシリーズ進出に向けて、『千葉ロッテマリーンズ』と3位争いを繰り広げている『東北楽天ゴールデンイーグルス』だが、“トップ”同士によるチーム内の“確執”が報じられた。
9月11日に『現代ビジネス』が報じた、【「1軍昇格見送り」楽天・田中将大が言うべきではなかった言葉】との記事。今季は開幕から二軍での調整が続く田中将大が、4日のイースタン・リーグ『横浜DeNAベイスターズ』戦でまずまずの投球を見せて一軍復帰をアピール。
それでも指揮官の今江敏晃監督は「リハビリ期間を終えた中での登板を見てから、精査して判断したい」と、もう1度イースタン(9月13日、『北海道日本ハムファイターズ』戦)で投げさせることを表明。つまり復帰は時期尚早と見送ったのだ。
確かに2021年に楽天復帰して以降、期待されたプレーを見せているとは言い難い田中。当初は9億円で迎えられた年俸も、2023年オフには2億6000万円(推定)と下がる一方だ。そして今シーズンは一軍登板がない彼を、シーズン終盤の大事な時期に任せられるのか、との不安も理解できる。
しかし『現代』の取材に答えた“スポーツライター”によると、田中の復帰が見送られた1番の理由はコンディションの問題ではなく、【言うべきではなかった言葉】が、今江監督にとって「引っかかる言葉」になったと提起しているのだ。
「リハビリ登板はもう別にいいでしょ」
「リハビリ登板がどうとかっていうのは、もう別にないんじゃないかな。身体の感じ、投球フォームのフィーリングはぐんと上がってきている」
先のDeNA戦では手応えを感じたのだろう。“二軍でのリハビリ登板”はもう必要ない”とばかりに、報道陣を前に“一軍宣言”をしてみせた田中。
これが《首脳陣とまだ話をしていないのに、なぜ、選手が自分で決めようとするのか》と、一軍復帰を決める立場にある今江監督が“田中に釘を刺している”とする状態にあると報じたのだ。
2007年の楽天入団からまもなくエースとしてチームを牽引し、2013年には24勝を挙げてリーグ優勝、球団初の日本一に導いた“レジェンド”。一方で、田中がニューヨーク・ヤンキースへ移籍した2年後の2016年にロッテから楽天入り、3年間プレーした今江監督。
引退後は二軍、一軍コーチを経て、2024年から初めて監督に就任した今江監督。一軍投手コーチも気を遣うとされる“大エース”とは、果たしてどんな関係を築いているのだろうかーー。
2024年シーズンがスタートする前の1月、“緊急”で動画を撮影したという、自身のYouTubeチャンネル『マー君チャンネル』にて新シーズンに向けた話を披露した田中。その流れで新監督についても言及していた。
「僕自身、監督とはよく(選手同士で)対戦していた印象が強くて。(今江が楽天入りした時は、田中はヤンキースでプレーしていたことから)イーグルスの選手というよりは、もう“マリーンズの今江さん”っていう感じの方が強くて」
「自分にとってすごくうれしい言葉」
楽天移籍後も一軍でプレーした田中と、二軍で指導に当たっていた今江監督だけに接点もあまりなく、“仲良し”というわけでもなかったのだろう。それでも昨シーズン終了後に「ちょっといい?」と呼ばれて、直接対話する機会が設けられたようだ。
「自分にとってすごくうれしい言葉をかけていただいたんですよね。まあ、詳細はお話しできないんですけど(笑)。自分自身は(昨年まで)悔しい、苦しい中で戦っていて、すごくもがいてはいたんですけど。そんな中でも、どんなに苦しくても自分のやるべきことをやっていれば、見てくれている人は見てくれているんだと思って。
ものすごくうれしかった。その言葉をかけていただいて。なので本当、(今江)監督のために今シーズン頑張りたいなって思いました。そのひと言は僕自身にとって大きかったです」
おそらくは“全幅の信頼を寄せている”との言葉をかけてもらったのだろうか、“新米”監督のために全身全霊でプレーすることを誓ったのだった。
「今江監督は二軍戦での田中のプレーを逐一チェックし、コーチ陣からも常に状態を確認していますよ。昨年に右肘のクリーニング手術を受けているだけに、万全の状態で一軍マウンドに上げたいのでしょう。
それに9月中旬以降、3位のロッテとの直接対決は5試合、2位の日ハム戦も7試合ほど残しています。“今江監督のために”と焦る田中の気持ちもわかりますが、監督は大事な試合でこそ神がかりな強さを見せる“神の子”に期待しているのでしょう」(スポーツ紙・担当記者)
今江監督の初シーズンをAクラス、その先の日本一に繋げるためにも“神の子”のプレーを見せてほしい。