日本時間9月18日に今季48号を放った大谷翔平 写真/共同通信社

 記録ラッシュが続いている大谷翔平。日本時間9月20日には、2023年のWBCで世界一になったマイアミの地で、史上初となる50本塁打と50盗塁の“50―50”を達成した。

「大谷選手は48本塁打、49盗塁で迎えた試合で、まずは盗塁を2つ決めて、51盗塁としました。さらに、3打席連続ホームランでメジャーリーグ史上初の“50―50”を達成。51本塁打、51盗塁としました」(スポーツ紙記者)

 メジャーリーグの歴史上、DHの選手がMVPを獲得したことは一度もない。今年はDHで出場する大谷のMVP受賞の可能性について、メジャーリーグ研究家の友成那智さんに聞いた。

「アメリカのスポーツ専門局『ESPN』の野球担当記者18人がMVPなどの予想投票を毎年行います。今年は9月上旬に行われ、満票で大谷選手がMVPに選ばれました。この予想投票は、実際のMVPと同じになることがほとんど。ほぼ100%で大谷選手がMVPでしょう」

 投手としてはリハビリ中だが、地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』の記者は“優勝のかかった10月のポストシーズンで大谷を投手起用すべき”と主張する。今年マウンドに立つ可能性はあるのか。

投手として登場ならWBCの再現も

「無理してさらにケガが悪化したら責任問題になりますから、ロバーツ監督も慎重になるでしょう。ただ、ドジャースが優勝決定戦であるワールドシリーズに進むも、ほかの投手陣にケガ人が出たり、失点が続いたりしたら、WBCのときのように大谷選手が1イニングだけ投げるということもあるかもしれません。可能性としては高くても30%くらいですかね」(友成さん)

 日本人だけでなく、海外の人の心もつかんでいる大谷。その姿は大先輩の目にはどう映っているのか。アジア人初のメジャーリーガーで南海(現ソフトバンク)や阪神、日本ハムでも活躍した村上雅則さん(80)に話を聞いた。

2024年5月に撮影された大谷翔平と、日本人初のメジャーリーガー・村上雅則さん(球団専属カメラマン・スーフー氏のインスタグラムより)

「私は毎年メジャーリーグの選手名鑑を作っているのですが、大谷くんの欄に“2024年はホームラン50本、盗塁30、打点100、打率3割を期待”と書きました。期待を超える活躍でMVPも取るでしょう。ただ、打率が落ちてきているのは、満足できない点ですね。彼の力なら3割を打てるはずですから」

 日本ハムの先輩でもある村上さん。大谷がメジャーに挑戦する前に会ったという。

レジェンドが明かす“大谷の素顔”

礼儀正しい、素晴らしい子です。私と球場で会っても挨拶をしない人もいましたけど、大谷くんはしっかり挨拶をするいい子です。いい子といっても、もう大谷くんも30歳ですが、私からしたら孫みたいな感じ。成績といい、性格といい、自分の孫だったらうれしいという感じで見ています」(村上さん、以下同)

 歴史的な快挙が続く大谷に“レジェンド”は今後、どんな活躍を期待するのか。

「世界の野球の記録を次々に塗り替えていくと思います。私がプロに入ったころの30歳はもうベテランという感じの人が多かったですが、今の30歳はいちばん脂が乗ったいい時期で、まだこれから伸びるような人が多くいます。彼の体力を考えると43歳くらいまでは現役でやるでしょう

 前人未到の50本塁打&50盗塁を達成した大谷。しかし、今回の偉業もまだまだ続く伝説の序章に過ぎない?