今年は大手飲料メーカー各社がペットボトル緑茶飲料のリニューアルを発表。味や容量、パッケージも刷新され、続々と店頭に並んだ。
「近年、海外では健康志向の高まりから、カロリーゼロの『緑茶』に注目が集まっています」と教えてくれたのは、日本茶インストラクターの市川雅恵さん。
海外の緑茶飲料市場では、伊藤園の『お~いお茶』がトップシェアを誇る。日本でも同商品が高いシェアを占めており「まさにペットボトル緑茶界の王者」と市川さん。
緑茶はどれも個性的
「飲料メーカー各社は味の濃さを変えたり、珍しい製法を取り入れたりと、変化球で勝負に出ています。最近では、コンビニやスーパーのPB商品も緑茶飲料を展開し、市場がより活発になりました」(市川さん、以下同)
そこで今回は、日本茶ペットボトルの飲み比べを実施。市川さんに、おいしい緑茶とほうじ茶を選んでもらった。ポイントとしてお茶らしい「風味」、ゴクゴク飲める「飲みやすさ」、購入時の価格から「コスパ」の3点で評価をした。
「昔と比べ、お茶の甘みが感じられ、喉ごしがいいものが増えています。ほうじ茶はどのメーカーもレベルが高かった。ですが、緑茶はそれぞれ個性があるなと。口の中に多少、エグみが残るものもありました。緑茶は茶葉を蒸してからもみ、乾燥させるという製茶技術によって品質に差が出やすいんです」
また、ほうじ茶と比べて酸化しやすく、淹れたあとも味が落ちやすいそう。
「ペットボトルの場合、大量に仕入れるため、いい茶葉は使えません。ただ、その分、さまざまな工夫をした商品も増えていて、自分好みの味を探すのも面白いと思いました。
だいぶ個性的で好みが分かれるので、今回はランク外でしたが、私は微発酵茶葉を使ったアサヒ飲料『颯』が、爽やかで好きです」 はたして1位はどの商品?
【緑茶】キレのよさやまろやかさをチェック!
《5位》あなたのお茶/サンガリア 500ml 73円
喉ごしがよく、食事のお供にもぴったり!
「薄味でスッキリとした口当たりなので、食事との相性もバツグン。後味の甘みもまろやかで美味」
《4位》緑茶/matsukiyo 600ml 81円
ドラッグストアのPB緑茶がランクイン!
「緑茶とウーロン茶の中間のような不思議な味わい。口の中がさっぱりするのでコッテリ系を食べたときにも!」
《3位》お〜いお茶/伊藤園 600ml 95円
爽やか&フルーティー、万人受けするおいしさ
「少しフルーツのような風味があり、清涼感があって、後味も爽やか。クセのないシンプルな味わいです」
《2位》緑茶(伊藤園)/ローソン 600ml 108円
コンビニで手軽に買えるのもうれしい!
「甘い香りと後味に甘みあり。渋さは少ないですが、濃いめの風味に飲みごたえがあります」
《1位》綾鷹/コカ・コーラ 650ml 95円
“急須で淹れたお茶”の看板に偽りなし!
「甘みと渋みのバランスがよく、スタンダードな緑茶に近い味わいが魅力。長期保存用のペットボトル飲料で緑色をキープするのは難しいのですが『綾鷹』は見事な黄緑色をしていて驚きました」
【ほうじ茶】深いコクと香ばしさが肝!
《3位》伊右衛門 特茶 ほうじ茶 プレミアム/サントリー 500ml 183円
渋くて濃いほうじ茶好きにおすすめ!
「ペットボトルほうじ茶の中では、香りも強く、味も濃いめ。後味に渋みもあり、香ばしい風味が最後まで楽しめます」
《2位》お〜いお茶 ほうじ茶/伊藤園 600ml 95円
爽やかな甘みと飲みやすさが魅力
「香り、甘み、香ばしさなど全体的にライトな印象。水感覚でゴクゴク飲めるので、大容量でも飲み切れそうです」
《1位》一 ほうじ茶 静岡棒ほうじ茶入り(コカ・コーラ)
/セブンプレミアム 600ml 108円
自然な香ばしさが口に広がる本格派
「香りはそれほど強くありませんが、ひと口飲むと口の中に“焙煎香”が広がります。味がしっかりしていて、香ばしさとスッキリ感が楽しめる一本」
トクホなど健康系のお茶も進化中!
トクホや機能性表示食品の許可を取得した商品も増加。なかでも飲みやすく、風味のいい2点をご紹介!
伊右衛門 特茶プレミアム/サントリーホールディングス 500ml 189円
ケルセチン配糖体の働きにより、体脂肪を減らすのを助ける特定保健用食品。
「トクホのお茶は、味の個性が強いものが多いのですが『特茶』は自然なお茶の風味が楽しめ、食事のお供におすすめ」
お~いお茶 濃い茶/伊藤園 600ml 95円
体脂肪を減らす機能が報告されているガレート型カテキンを含む機能性表示食品。
「ひと口目のスッキリ感のあとに、お茶の渋みが加わります。中華料理などコッテリした料理と相性バツグン!」
※価格は編集部購入時(税込み)のもので、希望小売価格ではありません。
教えてくれたのは……市川雅恵さん●日本茶インストラクター。株式会社チャイチワークス代表取締役。東京自由が丘にてワークショップを定期的に開催し、受講生は4000人超。メディアでも日本茶の魅力を発信。
取材・文/大貫未来(清談社) 撮影/矢島泰輔