平安時代に流行した「虫拳(むしけん)」という遊びが江戸時代に「石拳(いしけん)」へと変わって、後に現代の「じゃんけん」になったともいわれている※写真はイメージです

 日常の気になる疑問を解決!「じゃんけんぽい」ってどういう意味?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。

知って楽しい!おもしろ雑学

Q.「じゃんけんぽい」ってどういう意味?

A.仏教用語の『料簡法意』が語源だという説が。大事な決断を神様に託すという意味です。(東北福祉大学学長 宝林寺住職 千葉公慈さん)

 子どものころ、何げなくやっていた「じゃんけん」。かけ声の「じゃんけんぽい」には何か意味があるのか?

じゃんけんぽいは、『料簡法意(りょうけんほうい)』という仏教語が語源という説があります。何かを決断するときは、仏様の教えを信じてその結果に従えば間違いなし、という意味です

 そう教えてくれたのは、東北福祉大学の学長で、日本文化に詳しい千葉公慈さんだ。

料簡はものごとの善悪をよく考えて正しい説を選び出すことで、その人の考えや価値観のことも意味します。法意は仏様の教えのことです。

 何か重要な決断をする際に、昔は最終的な判断を占いやおみくじなど神仏に結果をゆだねることが多かったのですが、料簡法意も似たような意味合いで、最後は仏様の教えをもとによく考えその結果に従おうという意味なのです」(千葉さん、以下同)

 いつしかその教えが一般にも広まり、何かを決めるときのかけ声として使われはじめ、それがだんだんと訛って現在のじゃんけんぽいになっていったと考えられている。

「また、じゃんけんは子どもが鬼ごっこの鬼を決めるときにやるのが定番ですが、明治36年に国が発行した『尋常小学読本(じんじょうしょうがくとくほん)』という教科書の中でも、鬼はじゃんけんぽいで決めるという記述が。鬼はもともと、鬼神といい神様の仲間。

 じゃんけんによって鬼を決めるという行為そのものが、単なる遊びではなく神聖な儀式のひとつだったともいえます。その際に仏教語である料簡法意が用いられたのは自然なことだったのかもしれません」